【事例】長野県辰野町の部活動地域展開 ─ 小学生アンケートで人気の「部活にない種目」バドミントンから実証・参加生徒の満足と継続希望は100%
・小学5・6年生アンケートで人気の「部活にない種目」バドミントンから実証を始めた辰野町の手順
・実績ある総合型クラブNPO法人リュシオスポーツクラブへの委託と中体連出場の道筋
・参加満足・継続希望100%の成果と、コーディネーター不在・会場確保という次の課題
| 自治体名 | 長野県辰野町 |
|---|---|
| 人口規模 | 約1.8万人(令和6年度成果報告書時点:18,366人) |
| 中学校数 | 1校(辰野中学校・全生徒421人、17部活動〔うち運動部13〕) |
| 運営形態 | 総合型地域スポーツクラブ(NPO法人リュシオスポーツクラブが実施主体。事務局は町教育委員会学びの支援課) |
| 対象競技 | バドミントン(部活動にない種目の新設クラブ) |
| 保護者負担額 | 会費2,500円(令和6年10月からの分。別途スポーツ安全保険:生徒1人あたり年額800円) |
取り組みの概要
辰野町は中学校1校・生徒421人の町で、17部活動のうち13の運動部が活動していますが、令和6年10月時点の生徒数421人は令和13年には100人減少すると予想され、チームスポーツは町単独では成立しないことが見込まれています。部員がいないため休部としている部活動もすでに出ています。町は令和6年8月に「辰野町部活動地域クラブ移行連絡協議会」(スポーツ推進委員・町スポーツ協会・NPO法人リュシオスポーツクラブ・辰野美術会・辰野町音楽協会・小中学校PTA代表・辰野高校・辰野中学校・事務局で構成)を設立。小学5・6年生向けアンケートで「休日にやってみたいスポーツ」の人気種目がバドミントンだと判明したことを受け、部活動には「ない」種目のバドミントンを、既に中学生の受け入れ実績がある総合型地域スポーツクラブ・NPO法人リュシオスポーツクラブの新設クラブとして令和6年10月から実証しました。
特徴的な取り組み
- ニーズ調査から種目を決める順番: 各小学校での保護者説明会と小学5・6年生・保護者向けアンケートを実証に先行して実施。「休日にやってみたいスポーツ・文化芸術活動」の上位にバドミントンが挙がったことを実証種目の選定根拠にしました。
- 「部活にない種目」をあえて選ぶモデル設計: 既存部活動の移行ではなく、中学校の部活動にない種目で実証することで、保護者・生徒の理解が乏しい段階でも摩擦なく地域連携を進めるモデルケースとし、クラブとして出場要件を満たすことで中体連の試合にも出場できることを示しました。
- 実績ある総合型クラブへの委託: リュシオスポーツクラブは陸上・バドミントン・サッカー・チアダンスの活動を持ち、バドミントンでは既に中学生を受け入れて指導していた団体。中学生の活動に限る形で実証対象とし、クラブスタッフ2名が指導、統括責任者が教育委員会・保護者との連携を担いました。活動は週1回土曜9〜12時、町民体育館・社会体育館・辰野西小学校で実施しています。
- 文化団体まで含む協議会構成: 連絡協議会に辰野美術会・辰野町音楽協会や辰野高校まで参画しており、文化部を含む町全体の地域展開を見据えた体制です。推進計画は令和7年3月に策定予定で、次年度以降に段階的に地域移行できるものから取り組むことを確認しました。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| コーディネーターが不在で、関係団体との連絡調整・協議会運営に負荷がかかる | 実証期間中は教育委員会職員がクラブ活動を見学し指導者・生徒へのヒアリングとアンケートを実施。今後はコーディネーターを配置し、指導者の配置・学校との連絡調整、指導者の発掘・育成・資質向上を図る |
| 参加人数が増加した場合の指導者・活動場所の確保(指導者からも「これ以上増えると指導も会場確保も心配」との声) | 総合型地域スポーツクラブ等の協力を得ながら実施種目数を拡大できるよう検討を進める |
| 競技力向上を目指す生徒とレクリエーション志向の生徒が混在する | 両者に対応できる体制整備を視野に入れる方針を明記 |
成果・効果
バドミントンクラブには1年生7人・2年生8人の15人が参加し、参加生徒アンケートでは満足79%・やや満足21%と全員が肯定的に回答、「指導内容の説明がわかりやすかった」「今後も参加したい」はいずれも100%でした。生徒からは「バドミントンが中学の部活動になかったので良かった。試合にも出ることができて良かった」「興味があったが活動できるところがなかったので良かった。友人と一緒にできて楽しい」との声が寄せられ、指導者からは「保護者が練習にお手伝いに入ってくれるので助かる」と、保護者の参画も生まれています。クラブを知ったきっかけは「友人または知人」が75%で口コミが中心でした。実証事業として行うことで指導者謝金・会場使用料等の財源確保が期待でき、アンケート・保護者説明会・競技団体調査の結果を基に推進計画を策定して段階的な地域移行につなげる道筋が確認されています。
出典
CONSULTING / 専門家に相談
受け皿団体の組織整備・経営について
専門家に相談しませんか?
設立手続きの進め方・行政との調整・資金計画など、
総合型地域スポーツクラブ特化のコンサルティングをご提供しています。