【事例】長野県塩尻市の部活動地域展開 ─ 種目別地域移行検討会と運営団体への業務委託で進める段階移行モデル
・協議会と種目別検討会の2層構造で議論の粒度を確保している
・令和7年度から運営支援を運営団体へ業務委託し外部化を進めている
・既存クラブチームを地域クラブの母体として活用する設計を採用
| 自治体名 | 長野県塩尻市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約6.5万人 |
| 中学校数 | 市立中学校5校 |
| 運営形態 | 市教育委員会主導/部活動地域移行協議会+種目別地域移行検討会。令和7年度から運営団体に業務委託 |
| 対象競技 | 種目別検討会で議論/既存クラブチームを地域クラブとして活用 |
| 推進体制 | 部活動地域移行協議会(令和7年2月時点で第4回)/令和7年度に運営支援を業務委託で外部化 |
取り組みの概要
塩尻市は、市内中学校の生徒がスポーツおよび文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を将来にわたり確保することを目指し、中学校部活動の地域スポーツ団体活動・文化芸術団体活動等への移行および地域連携に向けた課題に総合的に取り組むため、協議会を設置して検討を進めている。令和7年2月14日には第4回協議会が開催されており、ここ数年で複数回の会議を積み重ねている運用実績がある。
第4回協議会では、国・県の動向についての協議に加え、各種目の現状と課題に関する「種目別地域移行検討会」の報告が行われた。国がワーキンググループを設置し、令和7年春頃に示される国の方針を受けて、「塩尻市中学校部活動地域移行計画」の見直しが必要かどうかを判断することが決定された。国の方針改定に対して市の計画を機動的に見直すスタンスが明示されている。
令和7年度からは、運営団体に既存のクラブチームの運営面の支援について業務委託することが提案されている。令和7年4月18日には「塩尻市部活動地域移行支援業務委託」の公告が出されており、実装段階に入っている。
特徴的な取り組み
- 協議会の継続運用(4回開催実績): 令和7年2月14日に第4回協議会を開催。継続的に会議を重ねて検討を深める運用実績がある。
- 種目別地域移行検討会の併設: 全体協議会の下に種目別検討会を設け、種目ごとの現状と課題を粒度の高い議論で扱う2層構造。
- 令和7年度から運営団体に業務委託: 既存のクラブチームの運営支援を運営団体に業務委託し、地域クラブの運営機能を外部リソースで補完する設計。
- 令和7年4月18日の公告で実装段階: 「塩尻市部活動地域移行支援業務委託」の公告を実施し、計画段階から実装段階へ明確に踏み出している。
- 国の方針改定への機動的対応: 令和7年春頃に示される国の方針を受け、市計画の見直しの要否を判断する設計。トップダウンの方針変更に追随しやすい構造。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 協議会の検討事項が多岐にわたり粒度が合わない | 全体協議会の下に「種目別地域移行検討会」を設け、種目ごとの実情で議論する2層構造を採用 |
| 市職員の事務リソース不足 | 令和7年度から運営支援を運営団体に業務委託し、地域クラブの運営機能を外部に分散 |
| 国の方針改定への対応 | 令和7年春頃の国方針を受けて市計画の見直し要否を判断する設計を協議会で決議 |
| 既存クラブチームと新規地域クラブの整理 | 既存クラブチームを地域クラブの母体として活用し、新規立ち上げの労力を抑える方針 |
成果・効果
塩尻市の取り組みは、人口6.5万人・中学校5校という中規模都市が、協議会+種目別検討会の2層構造で議論の粒度を確保しつつ、令和7年度に運営支援を業務委託で外部化するという実装プロセスを公式に進めている点で参照価値が高い。「協議会を立ち上げたあと進まなくなる」自治体が多い中で、令和7年4月18日の公告まで進んでいる事実は、計画段階から実装段階への移行ができている証跡となる。
既存のクラブチームを地域クラブの母体として活用する設計は、塩尻市規模の自治体に現実的な選択肢である。完全新規の地域クラブを立ち上げるよりも、既存団体の運営支援を業務委託で強化する方が、立ち上げコストが低く、指導者・選手・運営ノウハウのつながりを温存できる。国の方針改定への機動的な対応姿勢も含め、計画と実装を継続的に回している事例として位置づけられる。
出典
→ 原文: 部活動の地域移行について/塩尻市公式ホームページ
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