トップ 事例を探す 長野県 【事例】長野県塩尻市の部活動地域展開 ─ 種目別地域移行検討会と運営団体への業務委託で進める段階移行モデル
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 長野県

【事例】長野県塩尻市の部活動地域展開 ─ 種目別地域移行検討会と運営団体への業務委託で進める段階移行モデル

公開:2026.05.17 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・長野県塩尻市の部活動地域展開の地域展開で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点

自治体名 長野県塩尻市
人口規模 約6.5万人
中学校数 市立中学校5校
運営形態 市教育委員会主導/部活動地域移行協議会+種目別地域移行検討会。令和7年度から運営団体に業務委託
対象競技 種目別検討会で議論/既存クラブチームを地域クラブとして活用
推進体制 部活動地域移行協議会(令和7年2月時点で第4回)/令和7年度に運営支援を業務委託で外部化

取り組みの概要

塩尻市は、市内中学校の生徒がスポーツおよび文化芸術活動に継続して親しむことができる機会を将来にわたり確保することを目指し、中学校部活動の地域スポーツ団体活動・文化芸術団体活動等への移行および地域連携に向けた課題に総合的に取り組むため、協議会を設置して検討を進めている。令和7年2月14日には第4回協議会が開催されており、ここ数年で複数回の会議を積み重ねている運用実績がある。

第4回協議会では、国・県の動向についての協議に加え、各種目の現状と課題に関する「種目別地域移行検討会」の報告が行われた。国がワーキンググループを設置し、令和7年春頃に示される国の方針を受けて、「塩尻市中学校部活動地域移行計画」の見直しが必要かどうかを判断することが決定された。国の方針改定に対して市の計画を機動的に見直すスタンスが明示されている。

令和7年度からは、運営団体に既存のクラブチームの運営面の支援について業務委託することが提案されている。令和7年4月18日には「塩尻市部活動地域移行支援業務委託」の公告が出されており、実装段階に入っている。

特徴的な取り組み

  • 協議会の継続運用(4回開催実績): 令和7年2月14日に第4回協議会を開催。継続的に会議を重ねて検討を深める運用実績がある。
  • 種目別地域移行検討会の併設: 全体協議会の下に種目別検討会を設け、種目ごとの現状と課題を粒度の高い議論で扱う2層構造。
  • 令和7年度から運営団体に業務委託: 既存のクラブチームの運営支援を運営団体に業務委託し、地域クラブの運営機能を外部リソースで補完する設計。
  • 令和7年4月18日の公告で実装段階: 「塩尻市部活動地域移行支援業務委託」の公告を実施し、計画段階から実装段階へ明確に踏み出している。
  • 国の方針改定への機動的対応: 令和7年春頃に示される国の方針を受け、市計画の見直しの要否を判断する設計。トップダウンの方針変更に追随しやすい構造。

課題と解決策

課題 解決策
協議会の検討事項が多岐にわたり粒度が合わない 全体協議会の下に「種目別地域移行検討会」を設け、種目ごとの実情で議論する2層構造を採用
市職員の事務リソース不足 令和7年度から運営支援を運営団体に業務委託し、地域クラブの運営機能を外部に分散
国の方針改定への対応 令和7年春頃の国方針を受けて市計画の見直し要否を判断する設計を協議会で決議
既存クラブチームと新規地域クラブの整理 既存クラブチームを地域クラブの母体として活用し、新規立ち上げの労力を抑える方針

成果・効果

塩尻市の取り組みは、人口6.5万人・中学校5校という中規模都市が、協議会+種目別検討会の2層構造で議論の粒度を確保しつつ、令和7年度に運営支援を業務委託で外部化するという実装プロセスを公式に進めている点で参照価値が高い。「協議会を立ち上げたあと進まなくなる」自治体が多い中で、令和7年4月18日の公告まで進んでいる事実は、計画段階から実装段階への移行ができている証跡となる。

既存のクラブチームを地域クラブの母体として活用する設計は、塩尻市規模の自治体に現実的な選択肢である。完全新規の地域クラブを立ち上げるよりも、既存団体の運営支援を業務委託で強化する方が、立ち上げコストが低く、指導者・選手・運営ノウハウのつながりを温存できる。国の方針改定への機動的な対応姿勢も含め、計画と実装を継続的に回している事例として位置づけられる。

出典

→ 原文: 部活動の地域移行について/塩尻市公式ホームページ

→ 原文: 令和7年4月18日公告(塩尻市部活動地域移行支援業務委託)/塩尻市公式ホームページ

→ 原文: 学校部活動の地域クラブ活動への移行について/長野県教育委員会

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

塩尻市の事例で参照価値が高いのは、協議会の継続運用(4回開催)から実装段階(令和7年4月公告)へ確実に進んでいる点である。多くの自治体は協議会を立ち上げた後、議論の堂々巡りで実装段階に入れない。塩尻市は「種目別検討会」「運営団体への業務委託」という具体的な打ち手を協議会の出力として用意することで、検討から実装への流れを切らさず進めている。

既存クラブチームを地域クラブの母体として活用する設計は、中規模都市にとって現実的な解の一つである。完全新規の地域クラブを立ち上げる手間と比較して、既存団体の運営支援を業務委託で補強するアプローチは、立ち上げコストが低く、指導者・選手・運営ノウハウの連続性を確保できる。

国の方針改定(令和7年春)への対応姿勢を協議会で決議している点も実務的である。多くの自治体は国の方針改定があると計画見直しに時間を要するが、塩尻市は「方針改定を受けて見直しの要否を判断する」設計を事前に組み込んでおり、機動的な計画修正が可能な構造となっている。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

①協議会+種目別検討会の2層構造は、関係者の参加コストが高い。中規模都市でも種目数が多いと検討会が10種目以上になり、開催管理だけで担当者の業務が圧迫される。塩尻市の事例を参照する場合、種目を一気に並走させるのではなく、先行種目を3〜5に絞り、横展開を段階化する設計が現実的である。

②運営団体への業務委託は、委託先の選定と仕様書作成が成否を分ける。塩尻市の令和7年4月18日公告は仕様書を公開しているため、導入する自治体は「業務委託の範囲」「成果物の定義」「指導者調整の責任分担」を仕様書レベルで参照すると、自市の仕様作成の参考になる。

③既存クラブチームを地域クラブの母体に転用する設計は、クラブ側の運営体制が市の地域クラブ要件に合致しているか確認が必要である。指導者の登録、保険加入、安全管理、引率体制などの要件を満たしていないクラブを安易に母体に選ぶと、後で運営トラブルが発生しやすい。導入時はクラブ側の運営状況をデューデリジェンス的に確認する手順を組み込むのが望ましい。

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