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【事例】大分県豊後大野市の部活動地域展開 ─ 3校合同部活動を朝地フレンドクラブが受託・タクシー協会連携で平日移動課題を突破

公開:2026.05.18 更新:2026.05.19
この記事でわかること

・緒方中・清川中・朝地中の3校合同部活動を朝地フレンドクラブが業務委託で受託
・中山間地域で地元タクシー協会と連携し平日活動の移動手段を確保
・28団体で構成するアクティブ豊後大野クラブを2026年4月に設立

自治体名 大分県豊後大野市
人口規模 約3.2万人(2025年時点)
中学校数 市内中学校複数のうち緒方中・清川中・朝地中の3校が合同部活動に参加
運営形態 合同部活動/総合型地域スポーツクラブへの業務委託型
対象競技 軟式野球、女子バレーボール(令和5年度実証時点)
保護者負担額 年会費800円/年(別途保険料:生徒800円・指導者1,850円)

取り組みの概要

豊後大野市は、部活動に入る生徒数の減少により単独校での部活動運営が困難になっている中山間地域の課題に対し、合同部活動による運動機会の保障を進めてきました。令和5年度(2023年度)にはスポーツ庁の地域スポーツクラブ活動体制整備事業の枠組みで「合同部活動の推進に向けた実証事業」を実施。緒方中学校・清川中学校・朝地中学校の3校が、総合型地域スポーツクラブ「朝地フレンドクラブ」を受け皿として軟式野球・女子バレーボールの合同部活動を展開しています。2026年4月14日には、中学生の受け皿となる新団体「アクティブ豊後大野クラブ(ABC)」が28のスポーツ・文化団体で構成され、市スポーツ協会加盟のもと正式に発足しました。

特徴的な取り組み

  • 業務委託型の運営構造: 豊後大野市教育委員会が朝地フレンドクラブに業務委託し、競技別専門委員会が学校・指導者との連絡調整、保険加入、活動管理を一括で担う仕組みを構築。
  • 休日合同部活動から平日合同部活動への拡大: もともと休日に限定されていた合同部活動を、実証事業で平日にも広げ、合同活動の実施頻度を向上させた。
  • タクシー協会との移動手段連携: 公共交通機関や民間バス会社が乏しい地域特性を踏まえ、保護者送迎が難しい平日の活動では地元タクシー協会と連携してタクシー運用を導入し、生徒の移動を確保。
  • アクティブ豊後大野クラブ(ABC)の設立: 2026年4月、28団体で構成する受け皿団体を立ち上げ、スポーツ協会加盟のもと中学生のスポーツ・文化活動を一元的に支える体制へ移行。

課題と解決策

課題 解決策
単独校の部員数減少で部活動運営が困難 緒方中・清川中・朝地中の3校による合同部活動で運動機会を保障
単独校の部活動をそのまま地域移行すると指導者確保が困難 合同部活動で活動単位数を集約してから地域移行へつなげる二段階アプローチ
公共交通機関・民間バスが少なく生徒の移動手段が不足 地元タクシー協会と連携し、保護者送迎が難しい平日にタクシー運用を実施
市全体の受け皿団体が未整備 2026年4月、28団体で構成する「アクティブ豊後大野クラブ(ABC)」を設立しスポーツ協会加盟

成果・効果

令和5年度の実証事業では、それまで休日に限定されていた合同部活動を平日にも展開でき、合同部活動の実施回数が増加しました。朝地フレンドクラブとタクシー協会の連携によって生徒の移動はスムーズに行われ、保護者送迎の負担を増やさずに平日活動が成立した点が評価されています。さらに2026年4月に設立された「アクティブ豊後大野クラブ」では28団体が結集し、スポーツ・文化を横断する受け皿として地域移行の次段階を担う体制が整いました。

出典

→ 原文1: 令和5年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 合同部活動の推進に向けた実証事業 成果報告書(概要)大分県豊後大野市(スポーツ庁)

→ 原文2: 4月14日 アクティブ豊後大野クラブ設立総会(豊後大野市公式サイト)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

豊後大野市の取り組みでは、3校合同部活動を朝地フレンドクラブに業務委託する構造を構築しています。緒方中・清川中・朝地中の3校を対象に、競技別専門委員会が学校・指導者との連絡調整、保険加入、活動管理を一括で担う仕組みを整え、休日のみだった合同部活動を平日にも拡大しました。単独校の部活動をそのまま地域クラブに置き換えるのではなく、合同部活動で活動単位を集約したうえで業務委託に進む二段階の手順を踏んでいる点が、生徒数の少ない自治体にとって参考になります。受け皿団体の設立は、この段階的プロセスの最終局面に位置づけられています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

平日活動を支える移動手段の確保が、この事例のもう一つの軸です。豊後大野市は公共交通機関や民間バス会社が乏しい中山間地域であり、保護者送迎が難しい平日には地元タクシー協会と連携してタクシー運用を導入し、生徒の移動を確保しました。中山間地域における「やりたいが移動手段がない」という壁に対し、地元事業者との業務連携で正面から取り組んだ点が特徴です。同様に中山間地域での移動・活動拠点課題に向き合った事例として高知県土佐町長野県南佐久郡があり、地域条件に応じた移動・拠点設計が地域移行の前提条件となります。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

2026年4月に発足した「アクティブ豊後大野クラブ(ABC)」は、28のスポーツ・文化団体を市スポーツ協会加盟のもとで束ねた受け皿団体です。種目別の運営委員会が並立していた状態から、統合団体を立ち上げることで、市内中学生のスポーツ・文化活動を一元的に支える体制へと移行しました。種目を横断する受け皿づくりは、活動の継続性と運営効率の両立に向けた次段階の枠組みといえます。

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