【事例】大分県由布市の部活動地域展開 ─ ニーズ調査134名の声を起点に総合型クラブHASAMAから3校区拡大計画
この記事でわかること
・小学生134名のニーズ調査を起点に地域クラブを選択肢拡大として位置づけた設計
・挾間中・総合型クラブHASAMAから3校区へ段階拡大する時間差ロードマップ
・総括+地域コーディネーター2層体制と年2回の合同研修会で指導者の質を担保
| 自治体名 | 大分県由布市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約3.4万人(33,565人) |
| 中学校数 | 3校(挾間中、庄内中、湯布院中/生徒858人) |
| 運営形態 | 地域スポーツ団体等運営型(総合型地域スポーツクラブ運営型)/総合型スポーツクラブHASAMA |
| 対象競技 | 令和6年度はバドミントン部から先行(拠点:挾間中)/文化部は令和6年度から協議 |
| 保護者負担額 | 年額29,600円(令和6年度予定/別途スポーツ安全保険:生徒800円・指導者1,850円) |
取り組みの概要
大分県由布市は人口約3.4万人、中学校3校(挾間・庄内・湯布院)の自治体です。市は令和3年度設置の検討委員会を経て、令和5年度に「由布市学校部活動の地域移行へ向けた連携協議会」を年3回(8/30、12/18、2/28)開催し、市基本方針を策定しました。令和6年度からは挾間中学校区において総合型スポーツクラブHASAMAが受け皿となり、バドミントン部から地域クラブ活動を先行スタート。令和8年度からの休日における全市地域移行に向け、3校区へ段階的に拡大する計画です。総括コーディネーター(元教師・令和5年4月委嘱)が学校・スポーツクラブ・指導者間の調整役を担います。
特徴的な取り組み
- 小学生アンケートで「校区外でも入りたい部活がある」134名を可視化: 小学校4〜6年生アンケートで「入りたい部活動がない」と235名が回答。さらに「校区外の中学校に希望する種目の部活動があったら入りたいか」の問いには134名が「入りたい」と答え、地域クラブのニーズを定量的に提示。中学1・2年生アンケートでも93名が校区外参加を希望し、地域移行の必要性を関係者で共有。
- 総括コーディネーター+地域コーディネーター2層体制: 令和5年度は元教師1名を総括コーディネーターとして配置。指導者への複数回訪問で地域移行の土台となる関係性を構築。令和6年度からは地域コーディネーターを追加配置し、各中学校区ごとに連絡体制を構築する2層体制へ進化。
- 「由布市部活動指導員・外部指導者合同研修会」を年2回実施: 令和5年5月1日と令和6年3月9日の2回開催。部活動指導員・外部指導者の在り方、熱中症対策、心肺蘇生法等の研修を実施。研修受講を地域クラブ認定の前提にすることで、指導者の質を担保。
- 挾間モデルから3校区へ段階拡大: 庄内町・湯布院町は受け皿未定の状態だが、令和6年度のHASAMAの取組を参考に「指導者の確保」「指導者派遣・管理」「活動場所の確保・支払い」のシステムを構築し、令和7年度以降に庄内・湯布院へ拡大する流れを設計。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 校区外の中学校に希望部活がない児童・生徒が多数(小学生134名・中学生93名) | 連携協議会で「校区を越えた地域クラブ参加」を方針化。挾間中拠点で先行開始 |
| 庄内町・湯布院町は受け皿となる総合型クラブが未整備 | HASAMAの令和6年度実績を参考に令和7年度以降へ段階拡大。総括+地域コーディネーターで連絡体制構築 |
| 地域移行した際の月謝(年29,600円)と送迎の保護者負担 | 家庭の経済状況に応じた予算措置の必要性を協議会で議論。令和6年度以降に検討継続 |
| 指導者の質保証と継続的な確保 | 合同研修会を年2回義務化(熱中症・心肺蘇生・指導者の在り方)。指導継続意向は「可能」4名・「条件次第」5名と確認 |
成果・効果
令和5年度の連携協議会3回開催で由布市基本方針を策定し、令和6年4月からのバドミントン部地域クラブ移行が確定しました。当初見込みより移行クラブ数は減少したものの、総合型スポーツクラブHASAMAという受け皿が確定したことで、令和8年度からの全市地域移行へのロードマップが明確化。指導者アンケートでは現指導者9名のうち4名が「地域移行後も継続指導が可能」、5名が「条件次第で可能」と回答し、人材確保の継続性に一定の見通しを得ました。
出典
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