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【事例】大分県国東市の部活動地域展開 ─ 市部活動コーディネーター×FC.KUNISAKI認定で中体連県総体出場権も確保

公開:2026.05.21 更新:2026.05.21
この記事でわかること

・国東市が市部活動コーディネーター配置と受け皿団体への業務委託を組み合わせた地域移行モデル
・FC.KUNISAKI(MAKK笑人クラブ運営)が国東中サッカー部を受け皿化し、中体連県総体出場権も確保した認定プロセス
・人口2.6万人・中学校4校の中山間自治体が校長中心の作業部会で進める段階的拡大戦略

自治体名 大分県国東市
人口規模 約25,773人(2023年時点)
中学校数 4校(国見中・国東中・志成学園・安岐中/中学生520人・25部活動)
運営形態 市教委(学校教育課・社会教育課)×国東市部活動コーディネーター×MAKK笑人クラブ(受け皿団体)
対象競技 サッカー(FC.KUNISAKI)・剣道(翌年度展開予定)
保護者負担額 年会費24,000円+JSCC保険料1,200円/年

取り組みの概要

大分県国東市は、市内中学生520人・25部活動の活動環境を守るため、令和5年度から大分県の地域スポーツクラブ活動体制整備事業(実証事業)の受託市として、市部活動コーディネーター配置と受け皿団体への業務委託を組み合わせた地域クラブ活動への移行を推進している。入部率がR3年度80.9%からR5年度71.7%に低下するなか、合同チームや少人数(3名以下)部活動のジャンボタクシー移動など財政支援も併用しつつ、サッカー部から地域移行をスタート。令和5年度時点で国東中学校サッカー部が「FC.KUNISAKI」(運営主体:MAKK笑人クラブ)に移行し、中体連主催の県総体への出場権も維持した。

特徴的な取り組み

  • 市部活動コーディネーター配置: 市が部活動コーディネーターを配置し、市教委・各中学校・地域スポーツ団体・受け皿クラブ間の連絡調整、指導者発掘、移行協議を一元的に担当。県の補助事業(県1/2・市1/2)を活用して人件費を確保。
  • FC.KUNISAKI(MAKK笑人クラブ)への業務委託: 地域クラブ活動の受け皿となる団体に運営を委託。サッカー部の地域移行を希望する国東中学校生徒は、平日・休日問わず月16回程度の活動を継続できる体制を構築。
  • 校長中心の作業部会で合意形成: 市内中学校・義務教育学校の校長と市教委が中心となる作業部会を年4回開催(7月・9月・10月・12月)。各学校の部活動の方向性を協議し、現状把握・情報共有を進めた。
  • 市教委内の二層連携: 学校教育課が部活動コーディネーター連携・作業部会運営・学校との連絡を担当し、社会教育課がスポーツ少年団・地域スポーツ団体との連携を担当する役割分担で、教育と地域の橋渡しを実現。
  • 少人数部活への財政支援: 合同チームや部員3名以下の部活動については、ジャンボタクシー等の移動費用を市が財政支援し、専門性のある指導者の下で合同練習ができる体制を整備。

課題と解決策

課題 解決策
入部率の継続的低下(R3 80.9%→R5 71.7%)と部活動の持続可能性 サッカー部から段階的に地域クラブ化。受け皿となる地域団体(MAKK笑人クラブ)に業務委託し、月16回の活動回数を維持
地域の指導者不足 市部活動コーディネーターが地域指導者を発掘。地域スポーツ団体からの紹介協力で指導者ネットワークを構築
競技歴のない教師のみの指導体制と専門指導不足 地域クラブ指導者が専門的指導を担当(FC.KUNISAKIは月16回・安岐多目的グランドで実施)
中体連大会への出場資格喪失への保護者・生徒の不安 FC.KUNISAKIを「地域クラブ活動」として正式認定。中体連主催の県総体への出場権を確保

成果・効果

令和5年度の実証で、国東中学校サッカー部が地域クラブ活動として正式認定されたFC.KUNISAKIに移行し、中体連主催の県総体出場を実現。次年度(R6)には国東中学校剣道部も地域の剣道団体が受け皿となり、地域クラブ活動として展開する見込み。市部活動コーディネーターによる連絡調整が機能したことで、学校・スポーツ団体間の合意形成が進み、ガイドラインも策定済となった。大分県のロードマップでは令和8年度から県内全公立中学校で休日部活動の地域移行を実施する計画で、国東市はその先行モデルとして位置付けられている。

出典

→ 原文: 国東市公式サイト「国東市における部活動の地域移行・地域展開の取り組みについて」

→ 実証事業報告書: スポーツ庁「大分県令和5年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業」報告書(PDF)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

国東市のモデルは「市部活動コーディネーター×受け皿団体認定」という最小構成で地域クラブ活動を立ち上げた点が秀逸。サッカー1部活から始めて段階的に剣道へ拡大する保守的なスケーリング戦略は、人口2.6万人規模の中山間自治体にとって現実的な選択肢である。特にFC.KUNISAKI(MAKK笑人クラブ)の認定により、地域クラブ活動でありながら中体連県総体への出場権を確保した点は、大会出場資格を不安視する保護者・生徒への説得材料として強力で、他自治体でも参考にできる。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

同規模の中山間自治体で導入する場合の最大課題は受け皿団体の確保。国東市はMAKK笑人クラブという既存の地域スポーツ団体が運営主体になれたが、地域団体が無い自治体ではコーディネーターによる指導者発掘から始める必要がある。また、年会費24,000円という参加費は学校部活動との差が大きく、要保護世帯への助成設計とセットで進めないと格差問題に発展する。市教委2課(学校教育課・社会教育課)の連携体制は他自治体でも再現しやすい仕組み。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

校長中心の作業部会を年4回開催する仕組みは、学校現場の合意形成を確実にする上で重要。県補助事業(県1/2・市1/2)でコーディネーター人件費を確保している点は当面の財源確保には有効だが、R8以降の県全体地域移行実施段階では「生徒からの会費+市町村補助」での自走が求められる。サッカー1部活・1拠点校での実証から始めて段階的に拡大する漸進的アプローチは、過剰投資のリスクを抑え持続可能性を高めている。

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