トップ 事例を探す 大分県 【事例】大分県佐伯市の部活動地域展開 ─ サッカー協会スクール連携と少人数部活動のジャンボタクシー移動支援で部員数3名以下の合同練習を実現
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 大分県

【事例】大分県佐伯市の部活動地域展開 ─ サッカー協会スクール連携と少人数部活動のジャンボタクシー移動支援で部員数3名以下の合同練習を実現

公開:2026.05.17 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・大分県佐伯市の部活動地域展開の地域展開で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点

自治体名 大分県佐伯市
人口規模 約6.5万人(広域市)
中学校数 市立中学校
運営形態 市教育委員会主導/サッカー協会スクールなど競技団体との連携/ジャンボタクシー移動支援で広域合同練習を実現
対象競技 サッカー(協会スクール先行)/合同チーム・部員数3名以下の少人数部活動全般
推進体制 大分県内地域移行実施8市町(豊後高田・杵築・日出・別府・佐伯・竹田・豊後大野・玖珠)の一つ

取り組みの概要

佐伯市は、市立中学校における休日の部活動の段階的地域移行を実施している。先行する取り組みとして、サッカー協会がスクールを開校し、受け皿となるクラブに移行する形での地域展開が進められている。市内では合同チームや部員数3名以下の少人数部活動の生徒がジャンボタクシー等で移動し、専門性のある指導者の下で合同練習ができるよう、財政的支援が行われている点が大きな特徴である。

大分県内では、豊後高田市・杵築市・日出町・別府市・佐伯市・竹田市・豊後大野市・玖珠町の8市町で部活動地域移行が実施済みとなっており、佐伯市はそのうちの一つとして県全体の地域移行モデルの一翼を担っている。広域市の特性(市域が広く中学校間の距離が大きい)に対応した移動支援を制度として組み込んでいる点が、佐伯市の取り組みの実務的な核となっている。

特徴的な取り組み

  • サッカー協会スクール連携モデル: 市サッカー協会がスクールを開校し、受け皿クラブへの移行を進める形での先行展開。競技団体との連携を明確に組み込んだ設計。
  • ジャンボタクシー等での移動支援: 合同チームや部員数3名以下の少人数部活動の生徒の移動を市が財政支援。広域市の地理的課題に対応。
  • 合同練習を可能にする物理的環境整備: 物理的な移動の壁を市が支援することで、複数校の生徒が一つの場所で専門指導者の下に集まれる仕組み。
  • 大分県内8市町地域移行モデルの一員: 大分県内で地域移行が実施済みの8市町の一つとして、県全体のモデル拡大に貢献。
  • 「休日の段階的地域移行」を明示: 公式ページで「休日の部活動の段階的な地域移行」を明示し、市の方針として公開。

課題と解決策

課題 解決策
少人数部活動(3名以下)の維持困難 ジャンボタクシー等で複数校生徒を一つの拠点に集約し、専門指導者の下で合同練習を実現
広域市の地理的制約 市が移動を財政支援することで、生徒・保護者の送迎負担を軽減
競技団体との連携不足 サッカー協会がスクールを開校する連携モデルで、競技団体を地域クラブの主要主体に位置づけ
専門指導者の不足 少人数部活動の生徒を集約することで、限られた専門指導者の指導機会を最大化

成果・効果

佐伯市の取り組みは、人口6.5万人・市域の広い広域市が、ジャンボタクシー等での生徒移動支援を市の財政支援として制度化している点で参照価値が高い。広域市・合併市町村では中学校間の距離が大きく、合同練習・拠点校活動を進めようとしても保護者送迎の負担が制度の障壁になりがちだが、佐伯市は移動コストを市が直接負担することで、この障壁を構造的に取り除いている。

サッカー協会スクール連携モデルは、競技団体を地域クラブの主要主体に位置づける設計として実務的である。市が独自に地域クラブを立ち上げるのではなく、既存の競技団体(サッカー協会)にスクール運営を委ねることで、競技団体の指導者・運営ノウハウを活用できる。大分県内8市町(豊後高田・杵築・日出・別府・佐伯・竹田・豊後大野・玖珠)で地域移行が実施済みという広がりは、県主導の取り組みと市町の実装が連動している好例である。

出典

→ 原文: 部活動の地域移行 / 佐伯市

→ 原文: 【大分県】令和5年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業(運動部活動の地域移行に向けた実証事業)

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

佐伯市の事例で最も参照価値が高いのは、ジャンボタクシー等での生徒移動支援を市の財政支援として制度化している点である。広域市・合併市町村が地域移行を進める際の最大のボトルネックは保護者送迎の負担で、これを「家庭の責任」のまま放置すると、生徒の参加機会に格差が生まれる。市が移動コストを直接負担する設計は、教育機会の平等を確保する上で重要な打ち手である。

サッカー協会スクール連携モデルは、既存の競技団体を地域クラブの主要主体に位置づける現実的な選択である。市が独自に地域クラブを立ち上げる労力は大きく、競技団体に運営を委ねれば、競技団体の指導者・運営ノウハウ・大会参加ルートを一括で活用できる。種目別に既存の競技団体を母体にする設計は、人口規模が中小の自治体に有効な手法である。

大分県内8市町(豊後高田・杵築・日出・別府・佐伯・竹田・豊後大野・玖珠)での地域移行実施は、県主導の取り組みと市町実装の連動の好例である。県が方針を策定するだけでは市町の動きは出ないが、県が実証事業の機会を提供し、市町が手を挙げて実装する循環が成立すると、県全体の進度が上がる。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

①ジャンボタクシー移動支援は、財政負担が大きい施策である。佐伯市が継続できる体制は、市の財政事情・送迎対象生徒数・1回あたりの移動距離・年間活動回数の組み合わせで決まる。導入する自治体は、年間予算の試算(移動距離×頻度×参加人数×単価)を事前に行い、財政負担の持続可能性を確認する必要がある。

②サッカー協会スクール連携は、競技団体側の運営体制が市の地域クラブ要件に合致しているか確認が必要である。協会が任意団体か法人格を持つかで、契約・財務・税務の扱いが大きく変わる。導入時は競技団体側の法的形態・財務状況・指導者登録状況を最初に確認する手順が必要である。

③大分県内8市町での実装連動は、県主導の補助金・実証事業がベースとなっている。県の支援が継続しない場合、市町単独での継続性が課題になる。導入する自治体は、県主導の支援期間が終わった後の自主財源・指導者調達ルートを最初から設計しておくのが望ましい。

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