トップ 事例を探す 北海道 【事例】北海道苫小牧市の部活動地域展開 ─ とまこまい型ビジョン・15中学校・アイスホッケー先行民間4団体移行・人材バンク「苫サポ」
全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 北海道

【事例】北海道苫小牧市の部活動地域展開 ─ とまこまい型ビジョン・15中学校・アイスホッケー先行民間4団体移行・人材バンク「苫サポ」

公開:2026.05.11 更新:2026.05.16
この記事でわかること

・苫小牧市の「とまこまい型部活動地域移行ビジョン」と4形態併用設計
・アイスホッケー民間クラブ4団体への先行移行戦略
・人材バンク「苫サポ」+認定地域クラブ活動費補助金で持続性担保

自治体名 北海道苫小牧市
人口規模 約17万人(道央・胆振地方の中心都市)
中学校数 市立中学校15校(光洋・東・和光・明倫・明野・緑陵・凌雲・啓北・開成・啓明・青翔・ウトナイ・沼ノ端・勇払・植苗小中学校)
運営形態 苫小牧市教育委員会主導/「とまこまい型部活動地域移行ビジョン」(令和6年3月策定)/拠点校部活動+地域クラブ活動+合同チームの3形態
対象競技 アイスホッケー(令和7年度から民間クラブ4団体へ先行移行)・ソフトテニス・バレーボールほか
保護者負担額 「認定地域クラブ活動費補助金」制度を整備(具体金額は運営主体ごとに設定)

取り組みの概要

北海道苫小牧市は人口約17万人、道央・胆振地方の中心都市で、市立中学校15校を擁します。市教育委員会は令和6年3月に「とまこまい型部活動地域移行ビジョン」を策定し、令和8年度の完全地域移行を目標とした明確なロードマップを提示しました。実装面では「アイスホッケー部活動を民間クラブ4団体へ令和7年度から移行する」という先行モデルを実施し、令和7年12月には「令和8年度中学校部活動・クラブ活動ガイド」を発行して生徒・保護者の進路選択を支援。さらに「学校部活動/拠点校部活動/地域クラブ活動/合同チーム」の4形態を併用する柔軟な運営設計を採用し、人材バンク「苫サポ」と認定地域クラブ活動費補助金制度を組み合わせて持続性を担保しています。北海道新聞は「中学校の部活 28年度から完全地域移行」と報道し、苫小牧モデルは北海道内の地域移行先進事例として注目を集めています。

特徴的な取り組み

  • 「とまこまい型部活動地域移行ビジョン」を令和6年3月策定: 市独自の名称を冠した移行ビジョンを公式策定。「とまこまい型」というブランディングで他自治体モデルの単純コピーではなく、地域特性に合わせた独自設計を住民に示す。
  • アイスホッケーを民間クラブ4団体へ令和7年度から先行移行: アイスホッケーが盛んな北海道らしい先行種目選定。教育委員会が単独の運営団体に依存せず、民間クラブ4団体に分散委託することで、リスク分散と多様性確保を両立。
  • 4形態併用設計(学校部活動・拠点校部活動・地域クラブ活動・合同チーム): 一律の運営形態を強制せず、種目特性・地域実態・指導者確保状況に応じて4形態から選択可能。15中学校という比較的多い対象校数に対応する柔軟設計。
  • 人材バンク「苫サポ」の整備: 地域指導者確保のため市が一元的に人材バンクを運営。個別運営団体に依存せず、市が指導者プールを管理することで運営団体間の指導者偏在を防止。
  • 「令和8年度中学校部活動・クラブ活動ガイド」を令和7年12月に発行: 移行年度の事前に、生徒・保護者向けに「どの部活動がどの形態で運営されるか」を一覧化したガイドを発行。進路選択・参加判断を支援する透明性設計。
  • 「認定地域クラブ活動費補助金」制度の整備: 地域クラブが活動できるよう市が補助金を整備。家庭の経済状況による参加格差を抑える設計を実装。

課題と解決策

課題 解決策
15中学校という対象校数の多さで一律設計が困難 4形態併用設計(学校部活動・拠点校・地域クラブ・合同チーム)で種目別・地域別の最適形態を選択可能に
単一運営主体依存はリスクが大きい アイスホッケーを民間クラブ4団体に分散委託。リスク分散と多様性確保を両立
地域指導者の確保と偏在 人材バンク「苫サポ」で市が一元的に指導者プールを管理
家庭経済状況による参加格差 「認定地域クラブ活動費補助金」で運営団体への補助を制度化
令和8年度完全移行までに保護者・生徒への情報共有不足 令和7年12月に「令和8年度中学校部活動・クラブ活動ガイド」を発行し進路選択を支援

成果・効果

苫小牧市は令和6年3月の「とまこまい型部活動地域移行ビジョン」策定から令和7年度アイスホッケー先行移行、令和7年12月のクラブ活動ガイド発行を経て、令和8年度完全地域移行という明確な目標スケジュールに沿って実装を進めています。15中学校という対象校数の多さに対し、4形態併用設計・民間4団体分散委託・人材バンク「苫サポ」・認定地域クラブ活動費補助金という多層的な制度設計で、北海道内の中核都市規模での地域展開モデルを構築。北海道新聞での報道を含め、道内先進事例として位置づけられています。

出典

→ 原文: 苫小牧市立中学校の部活動について(苫小牧市公式)
→ 関連: 中学校の部活 28年度から完全地域移行 苫小牧市教委(苫小牧民報)
→ 関連: 中学アイスホッケー部活、民間クラブに移行 苫小牧市教委が25年度から(北海道新聞デジタル)

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

苫小牧市の事例で最も注目すべきは、「4形態併用設計」という柔軟な制度設計です。多くの自治体は「全種目を地域クラブ化」「全種目を拠点校方式」など一律の運営形態を選びがちですが、これは種目特性・地域実態・指導者確保状況の違いを無視した強制設計に陥ります。苫小牧市は「学校部活動/拠点校部活動/地域クラブ活動/合同チーム」の4形態を併用し、種目ごとに最適な運営形態を選択可能にしました。15中学校という対象範囲の広さに対応する現実主義設計は、中核都市規模での地域展開の参考価値が極めて高いといえます。

もう一つ注目すべきは、アイスホッケーという地域特性が顕著な種目を先行移行した戦略です。北海道苫小牧市はアイスホッケーが盛んな地域で、民間クラブ・指導者・施設・大会運営の体制が既に存在します。地域に強い種目を先行することで、運営団体・指導者確保のハードルが相対的に低く、成功体験を積み重ねながら他種目へ拡大する堅実なロードマップが組めます。さらに、単一団体への依存を避けて4団体に分散委託することで、運営リスクを抑える設計判断も模範的です。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

「4形態併用設計」を再現する際の最大のハードルは、形態判定基準の明確化と運用一貫性です。種目ごとに異なる形態を採用すると、「なぜこの種目だけ地域クラブで、あの種目は学校部活動なのか」という不公平感が生徒・保護者から生じやすくなります。導入を検討する自治体は、形態選定基準(指導者確保状況・施設利用可能性・受け皿団体の有無・生徒数)を明文化し、年次レビューで形態変更を検討する仕組みを整えることを推奨します。また、人材バンク「苫サポ」は登録するだけで終わらず、指導者の活動マッチング機会・研修会・年次更新を組み込むことが運用継続の鍵です。地域に強い種目の先行移行戦略は有効ですが、地域に弱い種目(受け皿不足の種目)が永遠に学校部活動として残るリスクがあるため、弱い種目の受け皿育成も並行して進める設計が必要です。

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