トップ 事例を探す 北海道 【事例】北海道帯広市の部活動地域展開 ─ 部活動指導員配置の段階拡大と拠点校方式合同部活動を検討する十勝の中核市モデル
全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 北海道

【事例】北海道帯広市の部活動地域展開 ─ 部活動指導員配置の段階拡大と拠点校方式合同部活動を検討する十勝の中核市モデル

公開:2026.05.10 更新:2026.05.10
この記事でわかること

・部活動指導員を令和7年度6校4人に配置し、追加2校で段階拡大を予定する
・拠点校方式の合同部活動を検討、冬場の生徒移動手段確保が併走課題となる
・「地域移行」から「地域展開」への名称転換を踏まえた説明姿勢を採用している

自治体名 北海道帯広市
人口規模 約16万人(2025年時点)
中学校数 市立中学校14校(うち義務教育学校1校を含む)
運営形態 市教育委員会主導/部活動指導員の段階配置・拠点校方式による合同部活動を検討
対象競技 令和7年度以降に「可能な種目・活動」から休日地域展開を順次実施
保護者負担額 現状の部活動部費は年間1〜2万円程度(第八中学校長発言/道費)。地域クラブ化後の額は調整中

取り組みの概要

帯広市教育委員会は、北海道教育委員会が令和5年度から策定した「北海道部活動の地域移行に関する推進計画」(令和7年度末で改革推進期間が終了)に基づき、部活動の地域展開(北海道は令和7年度より「地域移行」から「地域展開」へ名称変更)を段階的に進めている。市教委は、令和7年度以降に「可能な種目・活動」から休日の地域展開を順次進める方針を示し、合わせて拠点校方式による合同部活動の導入も検討している。

並行して、教員の負担軽減と将来の地域展開接続を見据えて部活動指導員(外部指導者)の配置を拡大している。令和7年度は市内6校で4人を配置済みで、さらに2校への配置拡大を予定する。指導者には1時間あたり約1,600円が支払われており、これは将来地域クラブ活動の指導者報酬を設計する上での参考水準となる見込みである。

特徴的な取り組み

  • 「地域移行」から「地域展開」への名称転換に対応: 北海道は令和8年度以降の改革実行期間に向けて、計画名称を「地域移行」から「地域展開」に変更する素案を策定。帯広市はこの方針を踏まえ、部活動を「廃止」するのではなく「学校から地域へ広く開いて支える」考え方で説明を進めている。
  • 拠点校方式による合同部活動の検討: 単一校での維持が難しい部活動について、複数校の生徒が拠点校に集まって活動する合同部活動の導入を検討。中核市規模であっても、冬場は自転車移動が困難になるという十勝特有の地理条件から、移動手段の確保が併走課題として議論されている。
  • 部活動指導員の段階配置: 令和7年度時点で6校4人を配置し、各校の意向確認の上で受け入れ可能な学校に追加2校で配置拡大予定。報酬は1時間1,600円。地域移行時の指導者報酬設計につなげる狙い。
  • 北海道の支援基盤を活用: 北海道教育庁が運営する「ほっかいどう部活動・地域クラブ活動サポーターバンク」(令和7年10月時点で実人数523名・延べ1,490名登録)や「Do-START」官民連携促進事業など、道レベルの人材・財源支援基盤を活用できる環境にある。

課題と解決策

課題 解決策
指導者確保(北海道全体で9割以上の市町村が課題と回答) 市内では部活動指導員を令和7年度6校4人→2校追加で段階配置。あわせて道教委「サポーターバンク」(実人数523名)の活用を視野
冬場の移動手段確保(拠点校方式では公共交通機関での移動が困難) 北海道全体の課題として、スクールバス・既存送迎車両の有効活用、オンデマンドバス等の検討を道が事例提供
保護者・生徒への地域展開の理解不足(「無料感覚」の修正) 従来は教員ボランティアで成り立ってきた経緯を説明し、指導者報酬・運営費・移動手段確保のため一定の保護者負担に理解を求める段階。北海道全体では月額3,000円程度を上限の目安とする方向で道教委が検討中
競技人口減少と中体連大会維持の両立 令和9年度から、地域クラブ活動が盛んな種目・部活動が設置されていない種目について、中体連の全道・全国大会開催を中止する方向で議論

成果・効果

令和7年度時点では、帯広市単独での具体的な地域クラブ活動立ち上げ実績はまだ限定的で、拠点校方式や指導員配置の整備段階にある。北海道全体では、道内で「休日の地域クラブ活動の実施」に至った市町村数が、スポーツ系で前回調査から5市町村増の81市町村、文化系で8市町村増の29市町村と着実に増加しており、帯広市もこの流れに合わせて令和8年度以降の改革実行期間に本格移行を目指している。

第八中学校長(道中体連代表)は、地域移行の現状について「帯広市で言えば、まだまだ具体的な動きまでは進んでいない」と率直に発言する一方、年間1〜2万円の部費負担と引き換えに学校に残って活動できる現行の良さも指摘しており、「簡単に参加できた子どもが地域クラブには参加しなくなる」リスクへの目配りも論点となっている。

出典

→ 原文: 帯広市立学校に係る部活動の方針(帯広市教育委員会公式)

→ 原文: 令和7年第13回帯広市教育委員会会議録(令和7年8月29日)

→ 原文: 令和7年度第2回部活動・地域クラブ活動関係者会議議事録(北海道教育庁)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

帯広市は、北海道全体の改革推進期間に沿って、部活動指導員の段階配置と拠点校方式の検討から着実に整備を進める「等身大」のアプローチを取っている。令和7年度は市内6校に4人を配置し、さらに2校への配置拡大を予定する。指導者には1時間あたり約1,600円が支払われており、これは地域クラブ活動の指導者報酬を設計する上での参考水準となる見込みである。北海道が令和8年度以降に向けて「地域移行」から「地域展開」へ名称転換することを踏まえ、帯広市は部活動を廃止するのではなく「学校から地域へ広く開いて支える」という建付けで説明を進めている点が特徴である。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

この取り組みでは、十勝特有の地理条件が大きな宿題として残っている。中核市規模であっても冬場は自転車移動が困難になるため、拠点校方式を導入する際には生徒の移動手段確保が併走課題となる。スクールバス・既存送迎車両・オンデマンド交通の組み合わせで設計する必要があり、拠点校側の体育館・グラウンド利用調整や教員負担の緩和も欠かせない。あわせて、これまで「無料」感覚で支えられてきた部活動が、地域クラブ化により指導者報酬・運営費・移動費の負担を伴うことを正面から説明する段階に入っている。北海道全体では月額3,000円程度を上限の目安とする方向で道教委が検討中である。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

帯広市の事例は、派手なロードマップを掲げず、各校の意向確認に基づき配置可能な学校から拡大するアプローチを示している。同じく北海道全体の枠組みで進む北海道旭川市と共通する道のサポーターバンク等の基盤を活用しつつ、保護者負担の目安提示を早期に行う段階的設計は、寒冷地・中核市に共通する論点として参照価値が高い。

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