トップ 事例を探す 石川県 【事例】石川県小松市の部活動地域展開 ─ まちづくり市民財団が受け皿、スポーツトレーナー派遣と施設優遇で16種目移行
全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 石川県

【事例】石川県小松市の部活動地域展開 ─ まちづくり市民財団が受け皿、スポーツトレーナー派遣と施設優遇で16種目移行

公開:2026.05.01 更新:2026.05.02
この記事でわかること

・まちづくり市民財団が受け皿づくりの司令塔を担い、スポーツ・文化横断の体制を実現
・学校体育施設の優先利用と利用料減免を組み合わせ、活動場所と費用負担を同時に解決
・令和4年度から5年間の準備期間を経て、運動部16種目を令和7年度秋以降に段階移行

自治体名 石川県小松市
人口規模 約10万5千人(2024年時点)
中学校数 不明
運営形態 まちづくり市民財団による受け皿整備・地域クラブ(市認定団体)
対象競技 既存部活動の16種目(運動部)、文化部は令和8年度秋以降移行予定
保護者負担額 受益者負担(各運営団体の設定による。具体額は各団体に要確認)

取り組みの概要

石川県小松市は令和4年度から部活動の地域移行に向けた準備を開始し、国の実証事業を活用しながらまちづくり市民財団を核とした受け皿づくりを進めてきました。令和7年度夏までは従来の部活動の形を維持しつつ、地域クラブ活動との並走期間として移行準備を進め、令和7年度秋以降は運動部の休日活動を地域クラブ活動へ正式に移行します。文化部については令和7年度にモデル校での休日移行を実施したうえで、令和8年度を目途に市内全域への移行を予定しています。将来的には平日の活動も地域クラブへ移行する方針で、国が令和10年度に平日移行の方針を打ち出す予定に合わせて段階的な対応を進めます。

特徴的な取り組み

  • まちづくり市民財団による受け皿整備: 市の地域移行の中核として「まちづくり市民財団」が受け皿団体の組織化を担当。令和4年度から準備を開始し、国の実証事業を活用しながら地域クラブの基盤整備を進めてきた。
  • 北陸体力科学研究所(ダイナミック)によるスポーツトレーナー派遣: 市内の小中学生が属するスポーツ団体に専門的な知識を持つトレーナーを派遣する「スポーツトレーナー派遣事業」を実施。専門性の高い指導体制の確保につなげている。
  • 学校体育施設の優先利用と利用料減免: 市が認定した地域クラブは体育館・グラウンド・武道場・テニスコートなど学校体育施設を優先的に使用でき、利用料も減免対象となる。施設確保と費用抑制を同時に実現する仕組み。
  • 受益者負担方式の採用: 参加費用については国の方針に沿い「活動の維持・運営に必要な範囲で可能な限り低廉な会費」を設定する受益者負担方式を採用。各運営団体が実態に応じた会費を設定できる柔軟な設計。
  • 運動部16種目から段階的移行・文化部は令和8年度へ: まず既存の部活動がある16種目の運動部から移行を開始。文化部は令和7年度モデル実施を経て令和8年度秋以降に全市展開という、競技ごとの準備状況に応じた段階的スケジュール。

課題と解決策

課題 解決策
地域クラブの指導者確保と質の担保 市が認定した団体に登録された保護者・有志・兼職兼業許可を得た教員を活用。市が定期的に指導者向け研修会を実施してガイドライン遵守を徹底
活動場所の確保と費用負担 学校体育施設の優先利用と利用料減免制度を整備。種目に応じて市内1会場集合型または複数会場分散型を選択できる柔軟な運営方式を採用
大会参加資格の整理 中学校体育連盟主催大会に部活動・地域クラブ両方から出場できる制度を整備。種目ごとの規定を踏まえ「学校」か「地域クラブ等」かを選択のうえ参加できる
けがや安全管理への対応 運営団体にスポーツ安全保険等への加入を義務付け。けが発生時は受け皿団体が応急措置等に対応する体制を整備

成果・効果

令和4年度から国の実証事業を活用して準備を進め、令和7年度秋以降に運動部の休日移行を本格実施するスケジュールが整いました。まちづくり市民財団を核とした受け皿体制と、北陸体力科学研究所によるスポーツトレーナー派遣事業を組み合わせることで、指導の専門性と継続性の両立を図っています。具体的な参加者数や移行率については調査時点で未公表です。

出典

→ 原文: 部活動の地域展開について(小松市公式)

→ 参考: 小松市〜中学校の休日の部活動地域移行について〜(令和7年1月)(小松市公式PDF)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

小松市の地域移行で核となるのは「まちづくり市民財団」という地域コーディネート組織です。令和4年度から国の実証事業を活用しながら準備を進め、受け皿団体の組織化を一手に担っています。スポーツ協会や教育委員会が主導するケースが多い全国の傾向と異なり、まちづくり財団が司令塔を務めることで、スポーツと文化の枠を横断した地域コミュニティ全体としての受け皿整備が可能になっています。加えて北陸体力科学研究所(ダイナミック)によるスポーツトレーナー派遣事業が、地域指導者では補いにくい専門的な指導力を外部機関として補完しており、指導の質確保に現実的な解答を示しています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

小松市は市が認定した地域クラブに対し、学校体育施設の「優先利用」と「利用料減免」という二重の優遇措置を設けています。体育館・グラウンド・武道場・テニスコートを優先的に使用できるうえ、利用料も減免対象となることで、活動場所の確保と費用負担の両面から地域クラブを支援する設計です。費用面では受益者負担方式を採用し、各運営団体が競技ごとの実態に応じた会費を設定できる柔軟な仕組みとなっています。国の方針に沿いつつも各団体の裁量を残すこの設計は、競技の特性(用具費・遠征費等)の違いに対応するための現実的な選択といえます。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

小松市は令和4年度から5年間かけて準備を進め、令和7年度秋以降に運動部16種目の休日移行を本格実施します。文化部は令和7年度のモデル校実施を経て令和8年度秋以降に全市展開という段階的スケジュールで、競技ごとの準備状況に応じた移行を着実に進める設計です。国が令和10年度に平日移行の方針を打ち出す予定に合わせ、将来的な平日移行も視野に入れた中長期的な体制構築が進められています。

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