トップ 事例を探す 北海道 【事例】北海道紋別市の部活動地域展開 ─ 文化系は認定NPO法人委託・スポーツ系は3校合同拠点校方式で令和8年度本格地域クラブ化
全種目 👥 1~5万人 🏫 小規模校(〜150人) 📍 北海道

【事例】北海道紋別市の部活動地域展開 ─ 文化系は認定NPO法人委託・スポーツ系は3校合同拠点校方式で令和8年度本格地域クラブ化

公開:2026.05.03 更新:2026.05.19
この記事でわかること

・文化系を認定NPO法人紋別文化連盟に令和4年度から先行委託し、スポーツ系より早く地域クラブを安定稼働させた。
・令和6〜7年度は3校合同の拠点校方式を中間形態として採用し、教員・保護者・生徒が合同活動に慣れる期間を設けてから本格移行する設計。
・令和8年度以降、近隣市町の生徒も受け入れる広域クラブへの発展を構想し、地域全体での持続可能な部活動環境の確保を目指す。

自治体名 北海道紋別市
人口規模 約2万人(2024年時点)
中学校数 3校(紋別中学校・潮見中学校・渚滑中学校)
運営形態 文化系:認定NPO法人紋別文化連盟への委託(令和4年度〜)。スポーツ系:拠点校方式(令和6〜7年度)→令和8年度に地域スポーツクラブへ移行
対象競技 野球・サッカー・バスケットボール・バレーボール・卓球・陸上・吹奏楽・美術 など
保護者負担額 不明(調査時点未公表)

取り組みの概要

北海道紋別市はオホーツク海に面した人口約2万人の中規模都市で、市内の公立中学校は紋別中学校・潮見中学校・渚滑中学校の3校である。少子化の進行により各校で部活動の人数が不足し、バスケットボール部は3年生が卒業すると10人を割り込み5対5の練習も成立しない状況が生じていた。こうした背景を受け、紋別市は文化系部活動について令和4年度(2022年度)から認定NPO法人紋別文化連盟に管理運営を委託し、先行的に地域クラブ化を実現した。スポーツ系については令和6〜7年度を「拠点校方式の学校部活動」として実施し、複数校の生徒が指定校に集まって合同で活動する仕組みを整えた上で、令和8年度(2026年度)から「地域スポーツクラブ」および「認定地域クラブ活動」への本格移行を予定している。

特徴的な取り組み

  • 文化系クラブの先行地域化(認定NPO法人への委託): 吹奏楽を中心とした文化系部活動について、令和4年度から市内で実績のある認定NPO法人紋別文化連盟に管理運営を委託し、地域文化クラブとして先行移行した。スポーツ系よりも早く移行することで、地域クラブ運営の知見を蓄積しながらスポーツ系への展開準備を進めることができた。
  • 拠点校方式による3校合同活動: 令和6〜7年度においては、3つの中学校の生徒が指定された拠点校に集まって合同で活動する「拠点校方式」を採用している。単校では人数が足りない種目でも複数校の生徒が合流することで活動継続が可能になり、将来の地域クラブ移行に向けた実質的な準備期間となっている。
  • 令和8年度の本格地域クラブ化と近隣市町への広域展開構想: 令和8年度に地域スポーツクラブを設置し、生徒が複数種目の中から希望する活動を選択できる仕組みを整える計画となっている。将来的には近隣市町の生徒も受け入れる広域クラブへの発展を目指しており、過疎地域における持続可能な部活動環境の確保モデルとして注目されている。

課題と解決策

課題 解決策
生徒数不足による単校での部活動維持困難(バスケ部が3年生卒業後10人以下に) 拠点校方式で3校の生徒を集約し合同活動を実施することで種目の存続を確保
文化系と体育系で地域移行の準備速度が異なる 文化系を認定NPO法人に先行委託し、スポーツ系は拠点校方式で段階的に準備した上で令和8年度に統合移行
小規模市での財政・指導者確保 既存の認定NPO法人紋別文化連盟の活用で設立コストを抑え、スポーツ系は外部運営主体を選定して対応

成果・効果

文化系については認定NPO法人紋別文化連盟への委託により令和4年度から地域クラブ活動として安定運営が続いており、生徒が専門家から指導を受けられる環境が実現している。スポーツ系についても拠点校方式の実施を通じ、3校合同の合同練習・指導者配置の経験を積みながら令和8年度の本格移行準備が進んでいる。令和8年度以降は種目横断型の合同地域クラブとして運営し、生徒が好きな種目・活動を選択できる多様な環境を提供する計画であり、将来的には近隣市町からの生徒受け入れによる広域化も視野に入れている。

出典

→ 原文: 紋別市公式サイト 部活動改革の取組(部活動の地域移行)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

紋別市は人口約2万人のオホーツク海沿岸に位置し、公立中学校3校を抱える。少子化の影響でバスケットボール部は3年生が卒業するたびに部員が10人を下回り、5対5の練習すら成立しない状況が生じていた。この課題を受け、紋別市は文化系と体育系で移行タイムラインを意図的にずらす方針をとった。令和4年度(2022年度)に文化系を先行移行させ、認定NPO法人紋別文化連盟に管理運営を委託。スポーツ系については令和6〜7年度を「拠点校方式の学校部活動」として実施し、3校の生徒が指定校に集まって合同で活動する体制を構築した上で、令和8年度(2026年度)に地域スポーツクラブへの本格移行を予定している。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

この取り組みで際立つのは、文化系と体育系の移行速度を意図的に分けた段階設計である。吹奏楽・美術など文化系の部活動は既存の地域文化団体との親和性が高く、認定NPO法人紋別文化連盟という実績ある組織に委託することで、スポーツ系の準備が整う前に地域クラブとして安定稼働させることができた。同様にNPO法人委託を選択した事例として長崎県長与町がある。スポーツ系については、いきなり学校外の地域クラブへ移行するのではなく、まず「拠点校に集まる学校部活動」という中間形態を設けることで、生徒・保護者・教員が合同活動に慣れてから本格移行できる期間を確保した。人口減少が続く地方小規模市において、混乱を抑えながら着実に移行を進める実務的な設計となっている。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

令和8年度以降、紋別市は種目横断型の地域スポーツクラブを設置し、生徒が複数種目の中から希望する活動を選択できる多様な環境を整える計画を進めている。さらに将来的には近隣市町の生徒も受け入れる広域クラブへの発展を目指しており、単市での維持が難しい小規模自治体にとって、オホーツク地域全体で持続可能な部活動環境を確保するモデルとして注目される。この広域化の構想は、同じ北海道内の北海道留萌市など人口減少が著しい地域における部活動の在り方を考える上で、一つの方向性を示している。

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