トップ 事例を探す 茨城県 【事例】茨城県かすみがうら市の部活動地域展開 ─ 任意団体「NEXUSかすみがうら」×市地域クラブ活動推進協会の2層設計・3中学校39部活動
全種目 👥 1~5万人 🏫 小規模校(〜150人) 📍 茨城県

【事例】茨城県かすみがうら市の部活動地域展開 ─ 任意団体「NEXUSかすみがうら」×市地域クラブ活動推進協会の2層設計・3中学校39部活動

公開:2026.05.16 更新:2026.05.19
この記事でわかること

・実施主体と体制整備機関を分離する2層設計で責任分界を制度化
・地域クラブ活動専用の新団体「NEXUSかすみがうら」を新設
・5月〜12月に4段階で説明会を展開し1月に3者アンケート実施

自治体名 茨城県かすみがうら市
人口規模 約4万人(39,893人)
中学校数 公立3校・生徒数933人・39部活動
運営形態 任意団体「NEXUSかすみがうら」実施主体型/「かすみがうら市地域クラブ活動推進協会」が体制整備
対象競技 全種目(39部活動を対象に段階展開)
保護者負担額 団体ごとに設定(実証期間中に検証)

取り組みの概要

茨城県かすみがうら市は、令和6年度のスポーツ庁地域スポーツクラブ活動への移行に向けた実証事業に採択され、3つの公立中学校(生徒数933人)の39部活動を対象に段階的な地域移行を進めています。同市の特徴は、新たに設立した任意団体「NEXUSかすみがうら」を実施主体に据え、自治体側に「かすみがうら市地域クラブ活動推進協会」を設置して体制整備を担う2層設計を採用した点です。

市内児童生徒数は平成24年の3,615人から令和4年の2,457人へと10年で約32%減少しており、少子化と教員定数減少により学校単位での部活動運営が困難になっています。指導者不足による専門的技術指導の限界、教職員の長時間労働の原因にもなっているため、地域クラブ活動への移行が急務となっていました。

特徴的な取組

  • 2層構造の運営設計: 実施主体は任意団体「NEXUSかすみがうら」(地域クラブ運営)、体制整備は「かすみがうら市地域クラブ活動推進協会」(令和6年10月設立)が担う2層分担。役割を明確化し責任分界を整理。
  • NEXUSかすみがうら新団体の設立: 既存団体に依存せず、地域クラブ活動の実施主体として新たに任意団体を設立。活動場所・日程調整、指導者複数配置、事務局運営を一体的に担う。
  • 市地域クラブ活動推進協会の設立: 令和6年10月に設立。協議会等での検討・行政支援・連絡調整・指導助言・広報を担う体制整備機関。教育委員会スポーツ振興課が事務局を担当。
  • 4段階の説明会展開: ①各学校への説明(R6.5)、②教職員向け説明会(R6.7-8)、③保護者向け説明会(R6.9)、④新入生保護者向け説明会(R6.12) という階層的な情報発信。
  • 指導者研修会の早期実施: 令和6年9月時点で指導者研修会を開催し、令和7年4月にも継続実施。実施主体立ち上げと同時に指導者の質確保を進める。
  • 3者アンケート調査: 令和7年1月に生徒・保護者・教職員の3者を対象とした地域展開アンケート調査を実施し、関係者の意向を多角的に把握。

課題と解決策

課題 解決策
少子化進行(平成24年比で32%減・3,615→2,457人)による学校単位部活動運営の困難化 3中学校39部活動を地域クラブに統合・再編する方針を令和6年度から段階的に展開
指導者不足による専門的技術指導の限界 NEXUSかすみがうらに「指導者複数配置」体制を構築し、令和6年9月から指導者研修会を継続開催
実施主体と体制整備機関の役割重複 「NEXUSかすみがうら」(実施)と「市地域クラブ活動推進協会」(体制整備)に役割を明確分担する2層設計を採用
関係者(生徒・保護者・教職員)の理解促進 令和6年5月~12月の間に4段階の説明会を階層的に実施し、令和7年1月に3者アンケート調査で意向を把握
予算と運営体制の整合性 教育委員会スポーツ振興課が事務局、首長部局会計課が予算措置と組織横断で連携

成果・効果

令和6年10月に「かすみがうら市地域クラブ活動推進協会」の設立総会を実施し、体制整備の枠組みを確立。実施主体「NEXUSかすみがうら」と並ぶ2層運営体制を構築しました。令和6年度内に検討協議会を4回(第3回~第6回相当)開催し、生徒・保護者・教職員への説明会と指導者研修会を計画通り展開。令和7年1月の3者アンケート調査結果を踏まえて令和7年4月以降の本格展開に進む段階に入っています。

出典

→ 原文: スポーツ庁「令和6年度 地域スポーツクラブ活動への移行に向けた実証事業 茨城県かすみがうら市」

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

茨城県かすみがうら市は、令和6年度のスポーツ庁実証事業に採択され、3つの公立中学校・生徒数933人・39部活動を対象に段階的な地域移行を進めています。最大の特徴は、実施主体である任意団体「NEXUSかすみがうら」と、体制整備を担う「かすみがうら市地域クラブ活動推進協会」を別組織として設置した2層設計です。協会は令和6年10月に設立総会を開き、教育委員会スポーツ振興課が事務局を務めます。実施と体制整備を分離することで、立ち上げ期に1団体へタスクが集中する事態を避け、責任分界を制度として明確化しています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

既存のスポーツ協会や総合型クラブを実施主体に据える自治体が多い中、かすみがうら市は地域クラブ活動専用の新団体「NEXUSかすみがうら」を立ち上げました。活動場所・日程調整、指導者の複数配置、事務局運営を一体で担い、既存団体の従来事業とのリソース競合を回避できる構造です。説明会は令和6年5月の各学校説明から始まり、教職員(7〜8月)、保護者(9月)、新入生保護者(12月)と4段階で展開し、令和6年9月から指導者研修会を継続実施。令和7年1月には生徒・保護者・教職員の3者アンケート調査を行い、令和7年4月以降の本格展開へつなげています。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

2層設計では、合議制の協議会と機動的な実施主体の意思決定スピード差が課題になります。かすみがうら市は教育委員会スポーツ振興課が両組織の事務局を兼任し、情報共有を担保しています。任意団体は機動性が高い一方、法人格がないため契約・賠償・税務上の制約が生じうるため、一般社団法人化等の将来計画を初期段階で検討しておくと安心です。

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