トップ 事例を探す 神奈川県 【事例】神奈川県横須賀市の部活動地域展開 ─ 「横須賀モデル」フェーズ制と6地区合同部活動・教員兼業報酬制度を組み合わせた段階移行
全種目 👥 30万人以上 🏫 大規模校(300人以上) 📍 神奈川県

【事例】神奈川県横須賀市の部活動地域展開 ─ 「横須賀モデル」フェーズ制と6地区合同部活動・教員兼業報酬制度を組み合わせた段階移行

公開:2026.05.17 更新:2026.05.19
この記事でわかること

・フェーズ制の中間形態「地区合同部活動」を方針文書で明示している
・市スポーツ協会を地域側ハブとし指導者ネットワークを一元化している
・教員兼業報酬制度を方針文書に位置づけ過渡期の関与を制度で支える

自治体名 神奈川県横須賀市
人口規模 約37万人(中核市)
中学校数 市立中学校23校
運営形態 市教育委員会主導/市スポーツ協会との連携で「横須賀モデル」を構築。6地区分割の地区合同部活動を経由してフェーズ制で段階移行
対象競技 運動4競技(柔道・ソフトボール・水泳・バドミントン)で先行モデル事業/文化部活動も併せて検討
移行スケジュール 令和7年3月「部活動方針」全面改定。改革推進期間〜改革実行期間でフェーズ1〜3を段階的に進行

取り組みの概要

横須賀市教育委員会は、市スポーツ協会との連携で部活動の地域展開を進める方針を打ち出している。柱となるのは「学校部活動を存続しながら、休日の活動を段階的に地域へ移行する」考え方で、平日はこれまでどおり学校単位、休日は市を6つの地区に分けて「地区合同部活動」を実施する設計が採られている。

段階移行は「フェーズ制」で進める。フェーズ1は学校単位の活動、フェーズ2は顧問教員が地区の生徒をまとめて指導する「合同部活動」、フェーズ3は地域の指導者が主体となる「地域クラブ活動」への完全移行を想定している。先行モデル事業として、運動部では柔道・ソフトボール・水泳・バドミントンの4競技から実証を開始した。令和7年3月には「横須賀市が設置する学校に係る部活動の方針」と「横須賀市における今後の学校部活動の在り方について」を全面改定し、これらの設計を公式文書として位置づけている。

特徴的な取り組み

  • 「横須賀モデル」フェーズ制: 学校単位→地区合同→地域クラブの3段階で段階移行。「いきなり地域クラブに切り替える」のではなく、地区合同という中間形態を必ず経由する点が特徴。
  • 6地区分割の地区合同部活動: 市内を6地区に分け、休日は地区単位で合同活動。23校を一律に動かすのではなく、地区ごとの実情で進度を調整する設計。
  • 運動4競技で先行モデル事業: 柔道・ソフトボール・水泳・バドミントンの4競技で先行実証。「全種目一斉」ではなく合意形成しやすい種目から始め、知見を他種目に展開する戦略。
  • 市スポーツ協会との連携: 市スポーツ協会が指導者バンク・運営支援を担い、地域指導者の発掘と委嘱を一元化。
  • 教員の兼業報酬制度: 過渡期に教員が地域団体の構成員として加わる場合、給与とは別に報酬を受け取れる仕組みを整備。学校と地域の橋渡し役を制度的に支える。

課題と解決策

課題 解決策
地域クラブの受け皿が種目によって不均一 市スポーツ協会と連携した先行4競技から実証し、知見・指導者ネットワークを他種目に水平展開
23校・6地区にまたがる広域での合意形成 地区単位で進度を調整するフェーズ制を採用。一律スケジュールに縛らない
過渡期の教員稼働への配慮 兼業として給与外の報酬を受け取れる仕組みを整備し、希望する教員が地域団体に関わりやすくする
休日と平日の二層構造の運用負荷 当面は休日のみを地域側に移し、平日は学校部活動を維持する設計で混乱を抑える

成果・効果

横須賀市は、令和7年3月の方針全面改定により、「フェーズ制」「地区合同部活動」「教員兼業報酬」といった構成要素を一体の公式文書として整えた点が大きい。中核市規模で23校・6地区の広域を一律ではなく段階的に動かす仕組みは、政令市未満〜中核市規模の自治体が参照しやすい構造になっている。

先行4競技(柔道・ソフトボール・水泳・バドミントン)の実証では、市スポーツ協会の指導者ネットワークを軸に休日活動が動き始めており、フェーズ2の「地区合同部活動」として継続実施されている。「学校部活動を存続させながら段階移行する」設計を、ガイドライン上の段階区分と地域実装の両面で具体化した先行事例として参照価値が高い。

出典

→ 原文: 横須賀市における今後の学校部活動の在り方について(令和7年3月/横須賀市教育委員会)

→ 原文: 横須賀市が設置する学校に係る部活動の方針(令和7年3月/横須賀市教育委員会)

→ 原文: 横須賀市が設置する学校に係る部活動の方針(横須賀市公式)

→ 原文: 部活動地域移行 「横須賀モデル」構築へ スポーツ協会と連携、休日主体に(タウンニュース 2025年1月24日)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

横須賀市の取り組みで参照価値が高いのは、「学校単位→地区合同→地域クラブ」というフェーズ制を令和7年3月の方針文書で明示している点である。多くの自治体が将来的な地域移行の方針を示すにとどまる中、横須賀市は中間形態である地区合同部活動を制度として位置づけ、23校・6地区という広域で進度差を吸収する設計を採っている。同じく段階移行を採る神奈川県藤沢市と比較しても、フェーズ間の構造を文書化している点が際立つ。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

この取り組みでは、市スポーツ協会を地域側のハブに据え、競技団体の指導者ネットワークを束ねる方式が採られている。教育委員会が個別競技団体と直接調整するのではなく、市スポーツ協会というワンクッションを置くことで、指導者バンク・委嘱・研修の窓口を集約できる構造になっており、政令市未満から中核市規模の自治体にとって現実的な設計といえる。先行モデル事業として柔道・ソフトボール・水泳・バドミントンの運動4競技から実証を開始し、合意形成しやすい種目で得た知見を他種目に水平展開する戦略を採っている点も、同規模自治体が参照しやすい。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

教員の兼業報酬制度を方針文書に明記している点も大きい。過渡期に教員が地域団体の構成員として動く局面は避けられないが、ボランティアではなく対価のある関わり方を制度として支えることで、教員側の心理的負担と労務管理上の懸念を同時に抑えている。学校長の服務監督との整合を整えたうえで運用に踏み出している点は、他自治体が制度設計を進める際の参考になる。

CONSULTING / 専門家に相談

受け皿団体の組織整備・経営について
専門家に相談しませんか?

設立手続きの進め方・行政との調整・資金計画など、
総合型地域スポーツクラブ特化のコンサルティングをご提供しています。

🏢 クラブ立ち上げ
🤝 行政調整・仲介
📊 事業計画策定

HOW TO START

3ステップで
相談を始められます

  • 01フォームから状況を送信
  • 02オンラインで初回ヒアリング
  • 03最適な支援プランを提示
専門家に相談する →