【事例】熊本県南関町の部活動地域展開 ─ 中学生主体ワークショップで次世代の地域クラブを構想
この記事でわかること
・年3回のワークショップに代表20数名が参加し、3段階の構成で思考を深める
・教員不在の場で久留米大学がファシリテーションを担い、生徒の本音を引き出す
・3年生卒業時に2年生へ議論を引き継ぐ仕組みで取り組みの継続性を担保する
| 自治体名 | 熊本県南関町 |
|---|---|
| 人口規模 | 約8,636人(令和6年度時点) |
| 中学校数 | 1校(公立中学校生徒数178人、部活動9部活) |
| 運営形態 | 学校・大学(久留米大学)連携による生徒主体ワークショップ |
| 対象競技 | 全種目 |
| 保護者負担額 | 不明(調査時点で未公表) |
取り組みの概要
熊本県南関町では、令和2年度に部活動改革に関する検討委員会を立ち上げ、持続可能な活動のあり方について話し合いを重ねてきました。この過程で、部活動改革の主役である中学生の声を直接聞く機会が必要と判断し、令和5年度からワークショップを開始しました。ワークショップは年3回(5月・8月・11月)開催され、生徒会役員・各委員会委員長・各部キャプテン・部長・学級委員等の代表20数名が参加します。久留米大学の教員がファシリテーターを務めることで、生徒が本音で話し合える環境を整えています。令和6年度には、それまで中心メンバーだった3年生が卒業するにあたり、2年生に引き継ぎの場を設け、継続的な取り組みとしての仕組みづくりにも着手しました。
特徴的な取り組み
- 3段階のワークショップ設計:「部活動の本質を知る」→「新しい部活動を創造する」→「新しい部活動を評価する」という段階的な構成で、生徒が深く思考できる設計になっています。
- 外部ファシリテーターの活用:教員が同席せず生徒だけの空間とし、久留米大学の教員がファシリテーションを担うことで、生徒が本音で議論できる環境を構築しました。
- スチューデント・センタード(Student-centered)の実践:「地域学校共働本部」を核とした地域移行の観点から、生徒を取り巻く関係者全員が互いに認め合い成長するために、生徒自身が考えることを大切にしています。
- 世代間引き継ぎの仕組み:3年生が卒業するタイミングで2年生に議論の蓄積を引き継ぐ仕組みを構築し、ワークショップの継続性を担保しています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 卒業による議論の継続性の断絶 | 年度末に3年生と2年生が合同参加し、議論の積み重ねを後輩へ引き継ぐ仕組みを構築 |
| 少子化によるチーム組成の困難 | 近隣自治体との広域連携体制を視野に入れ、将来的に広域で実施できる地域クラブ活動の構築を検討 |
| 競技力志向と楽しむ志向の両立 | 楽しく取り組む人と競技力向上を目指す人に分けて練習する案など、生徒自身のアイデアをワークショップで収集 |
成果・効果
ワークショップを通じて、生徒自らのアイデアで新たなスポーツを「つくる」環境整備の可能性を見出すことができました。部活動は学校の教員が主体という固定概念から脱し、子供が「自分たちが自分たちで決めることができる」という気づきを得ることができました。令和7年度以降もワークショップを継続する予定であり、将来的にはレクリエーション的な地域クラブ活動の設立を視野に入れ、仲間同士で集まって自分たちがやりたいスポーツに取り組む新たな地域クラブ活動の創設を検討しています。
出典
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