【事例】栃木県小山市の部活動地域展開 ─ 大規模校23部vs小規模校6部の格差を踏まえモデル校6校で段階移行・運営団体1団体から立ち上げ
・小山市の段階移行設計(令和5年度2校→令和6年度6校→令和7年度全11校1部活動以上)
・運営団体1団体のみの厳しい現状を直視した三本柱アプローチ(モデル校・推進協議会・人材バンク)
・大規模校23部vs小規模校6部の校間格差を踏まえた中規模都市16万人の移行モデル
| 自治体名 | 栃木県小山市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約16万6千人(2024年時点) |
| 中学校数 | 中学校・義務教育学校 計11校(大規模校2・適正規模校5・小規模校4) |
| 運営形態 | 市教育委員会主導・小山市地域クラブ活動推進協議会(委員13名)/小山市スポーツ協会・小山市文化協会と連携 |
| 対象競技 | 柔道・剣道・弓道ほか(モデル校6校で実証) |
| 保護者負担額 | 受益者負担原則(指導者謝金・傷害保険加入料は国補助金対象、生徒傷害保険は半額補助で一部受益者負担) |
取り組みの概要
小山市は令和6(2024)年9月に「小山市学校部活動の地域移行基本方針」を策定し、令和5年度から令和7年度末までを期間として休日の部活動を段階的に地域クラブ活動へ移行する取組を進めています。スポーツ庁の「地域スポーツクラブ活動への移行に向けた実証事業」の指定を受け、令和5年10月に小山第三中学校の柔道部、12月に絹義務教育学校の剣道部でスタートし、令和6年4月からは小山中・小山城南中・乙女中・桑中の4校を追加して計6校で実証活動を進めています。栃木県教委が示した「とちぎ部活動移行プラン」を踏まえ、令和7年度末までに市内全中学校・義務教育学校で休日の部活動を1つ以上地域クラブ活動へ移行することを活動目標としています。
特徴的な取り組み
- 学校規模に応じた段階移行設計: 大規模校最多23部 vs 小規模校最少6部と部活動数の校間格差が大きい現状を踏まえ、大規模校・適正規模校・小規模校ごとに学校長ヒアリングを実施し、各校の実情に応じた地域移行を進める。
- 三層の推進体制: 13名構成の「小山市地域クラブ活動推進協議会」、教育委員会内の「部活動地域クラブ活動移行推進会議」(5課長級)、実務担当の「企画調整チーム」の三層構造で進捗管理と関係機関調整を分担。
- 三本柱アプローチ: ①モデル校での実証活動 ②推進協議会による意見助言 ③「小山市人材バンク」構築—の3つを柱に体制整備を進める。
- 全関係者アンケートの実施: 令和5年7月に生徒3,455人・保護者1,256人・教職員270名から意見聴取し、保護者の地域移行賛成51%、教職員の改革必要性88%、教職員の兼職兼業従事意向「必ず+可能性高い」35%等のデータを政策設計に反映。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 運営団体の確保困難(現状、運営団体としての協力は小山市弓道会1団体のみ) | 小山市スポーツ協会・小山市文化協会と連携し、複数学校区または市全体を1つの地域として地域的支援を担ってもらう体制を構築 |
| 地域指導者の確保(運動部で部活動指導員8人+外部指導員9人+地域クラブ指導者6人、文化部で部活動指導員1人と不足) | 「小山市人材バンク」の構築・指導者講習会の実施、教職員の兼職兼業希望者の募集 |
| 活動場所確保(地域クラブ活動は社会教育に位置付けられるため学校施設利用の調整が必要) | 学校施設管理の考え方・利用ルール・使用料等を検討し、安定的・継続的に運営できる利用環境を整備 |
| 参加費負担への保護者の理解 | 受益者負担原則のもと低廉な会費設定を運営団体に呼びかけ、国補助金で指導者謝金・傷害保険加入料を支援、生活困窮世帯への支援方策を検討 |
成果・効果
令和5年度に2校(小山第三中・絹義務教育学校)から始まった実証活動は、令和6年度に4校を追加して6校体制へ拡大しました。市内中学校・義務教育学校全11校に対する6校実証は、令和7年度末までに全校で1つ以上の地域クラブ活動移行を目指す目標達成に向けた半数超のカバレッジとなっています。一方で部活動加入率86%(3,727人)に対して地域クラブ活動加入率は3%(137人)にとどまり、運営団体の整備充実と活動主体の確保が引き続き最大の課題です。生徒の地域移行参加意向は「参加したい+参加したい寄り」が55%、保護者の地域移行方向性への賛成は51%と過半数の理解を得ており、段階的な合意形成と実証検証を並行する慎重なアプローチで令和7年度末までの目標達成を目指しています。
出典
→ 原文: 小山市公式ホームページ「部活動地域移行の推進」/小山市学校部活動の地域移行基本方針(令和6年9月策定・小山市教育委員会)
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