トップ 事例を探す 新潟県 【事例】新潟県三条市の部活動地域展開 ─ スポーツ協会主導で9種目を3年かけて段階移行
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 新潟県

【事例】新潟県三条市の部活動地域展開 ─ スポーツ協会主導で9種目を3年かけて段階移行

公開:2026.04.29 更新:2026.05.19
この記事でわかること

・スポーツ協会を運営主体として3年間で9種目に段階拡大するロードマップを初年度から公開
・専用HP・note・市公式ページの三本立て情報発信が参加者急増(初回2名→第2回23名)を支えた
・種目数の拡大に伴い、事務局機能の強化とICT活用による負担軽減が今後の課題となる

自治体名 新潟県三条市
人口規模 約95,000人(令和5年時点)
中学校数 複数校(全市内中学校が対象)
運営形態 一般社団法人三条市スポーツ協会が運営主体
対象競技 令和7年度時点で9種目(柔道・軟式野球・陸上競技・バレーボール・剣道・ソフトテニス・バスケットボール・サッカー・卓球)
保護者負担額 不明(調査時点で未公表)

取り組みの概要

新潟県三条市は、一般社団法人三条市スポーツ協会を運営主体として、令和5年度から段階的に中学校の休日部活動を地域クラブ活動へ移行する取り組みを進めています。令和5年度は柔道・軟式野球・陸上競技の3種目でスタートし、令和6年度にはバレーボール・剣道・ソフトテニスを加えて計6種目に拡大。令和7年度はバスケットボール・サッカー・卓球の追加も見込んでおり、3年間で計9種目の地域クラブ活動体制を構築する計画です。専用の「三条市部活動地域展開」ホームページと、三条市スポーツ協会がSNS(note)でも情報を継続発信しています。

特徴的な取り組み

  • スポーツ協会を核とした段階的移行: 一般社団法人三条市スポーツ協会が運営主体となり、既存の競技団体・指導者との連携を活かして段階的に種目を拡大。令和5年度から3年間で9種目体制を目指すロードマップを明示しています。
  • 推進計画を公開し透明性を確保: 「令和7年度 三条市部活動地域展開推進計画(スポーツ)」を公開し、各年度の計画と進捗を市民・保護者に可視化。専用ホームページとnoteによるSNS発信で参加者へのリアルタイム情報提供も実施しています。
  • 競技ごとの個別申込制度: 各競技の開始時期と申込期間を明示し、「継続参加者は新規申込が必要」などの手続きも丁寧に案内。参加者の利便性と運営の確実性を両立しています。
  • 小学生~中学生の一貫したスポーツ支援: 三条市スポーツ協会が小学1年生~中学3年生の対外スポーツ競技大会や遠征時の活動もサポートしており、地域移行後のクラブ活動と一体的なスポーツ支援体制を目指しています。

課題と解決策

課題 解決策
休日部活動から地域クラブ活動への急激な移行による関係者の不安 種目を絞って試行→翌年度に拡大する段階的ロードマップを明示し、関係者が移行を段階的に受け入れられる設計に
参加者への情報伝達の課題 専用HP・note・市教育委員会公式ページの三本立てで情報を継続発信し、中止・変更情報もSNSでリアルタイム提供
各競技団体との連携確保 スポーツ協会が各競技団体の窓口を兼任し、柔道・軟式野球・陸上等の既存競技団体と連携して指導者を確保

成果・効果

令和6年度の陸上競技地域クラブでは、初回(令和6年4月20日)の参加者2名から第2回(5月6日)には23名へと参加者が急増。種目ごとの専門的な指導体制の下で、学校部活動では実現が難しかったアクセスしやすい地域密着型の活動環境が整備されつつあります。令和7年度は軟式野球・陸上競技・柔道が4月継続実施、ソフトテニス・バレー・剣道が5月スタート、バスケットボール・サッカー・卓球も順次開始を検討しており、三条市スポーツ協会による包括的な地域クラブ体制が着実に構築されています。

出典

→ 原文: 三条市教育委員会「三条市部活動の地域移行」公式ページ

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

三条市は、一般社団法人三条市スポーツ協会を運営主体に据え、令和5年度から3年計画で9種目の地域クラブ活動体制を構築するロードマップを初年度から公開した。令和5年度は柔道・軟式野球・陸上競技の3種目でスタートし、令和6年度はバレーボール・剣道・ソフトテニスを加えて計6種目に拡大。令和7年度はバスケットボール・サッカー・卓球の追加が見込まれており、3年間で9種目体制が整う計画となっている。各年度の計画と進捗は「令和7年度 三条市部活動地域展開推進計画(スポーツ)」として公開され、保護者・生徒への透明性が確保されている。スポーツ協会が各競技団体の窓口を一元化することで、既存の競技団体・指導者との連携を活かしながら、縦割りを超えた横断的な情報管理と段階的な運営規模の拡大が可能な体制が整えられている。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

令和6年度の陸上競技地域クラブでは、初回(令和6年4月20日)の参加者2名が第2回(5月6日)には23名へと急増した実績が報告されている。この急増の背景には、専用HP・note・市教育委員会公式ページの三本立てによる継続的な情報発信がある。競技ごとの開始時期と申込期間を明示し、「継続参加者は新規申込が必要」などの手続きを丁寧に案内することで、参加者の「知らなかった」という機会損失を防ぐ設計がなされている。一方、種目数の拡大に伴い、スポーツ協会の事務局機能強化が課題として浮上している。複数種目の参加者管理・会費徴収・指導者謝金支払い・情報発信を一元的に担うには、専任スタッフの配置またはシステム投資が必要であり、ICT活用による事務負担軽減が今後の焦点となる。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

スポーツ協会主導の段階的移行モデルを他自治体が参考にする際は、初年度の対象種目数を絞り、協会の事務局機能が実際に担える規模を確認してから次年度以降に拡大する順序が重要になる。三条市の事例が示すように、3年間の種目拡大計画を初年度から市民に公開し、保護者・競技団体の不安を先行して取り除く設計は、移行初期の混乱を抑制する効果がある。初年度の対象種目数・事務局体制・情報発信手段の三点を設計段階で明確にすることが、このモデルを活用する際の出発点となる。

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