【事例】岡山県浅口市の部活動地域展開 ─ 教育委員会が1回100円の4クラブでスモールスタート
・教育委員会直営の4種目スモールスタートで受け皿不足を打開
・1回100円・月100円の超低負担モデルで参加障壁を最小化
・おかやま山陽高校の体育館活用で施設確保の課題を解消
| 自治体名 | 岡山県浅口市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約3.3万人(32,706人) |
| 中学校数 | 3校(生徒数738名) |
| 運営形態 | 浅口市教育委員会(市町村運営型・ひとづくり推進課が主管) |
| 対象競技 | バレーボール、ソフトテニス、陸上競技、体づくり運動(体幹トレーニング等) |
| 保護者負担額 | 1回100円(バレーボール・ソフトテニス・体づくり)、陸上は月100円(保険料:生徒800円/年) |
取り組みの概要
浅口市は岡山県西部に位置する人口約3.3万人の市で、平成18年(2006年)に浅口郡鴨方町・金光町・寄島町が合併して発足しました。公立中学校3校に738名の生徒が在籍していますが(令和7年1月時点)、少子化により生徒数は緩やかに減少を続けています。部活動数は26部活ありますが、部員停止・廃部が生じており、希望する部活動がないことを理由に他校へ転校する生徒も出始めていました。
こうした課題への対応として、令和6年6月に部活動地域移行検討委員会を設置。教育委員会内の「ひとづくり推進課」が中核となり、令和6年11月にバレーボールとソフトテニスの地域クラブ活動を、同年12月に陸上と体づくり運動(体幹トレーニング等)を順次開始しました。スポーツ庁の令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業(実証事業)として取り組み、4クラブ・計9名の指導者体制で活動を開始しています。
受け皿となる既存の総合型地域スポーツクラブが日程・条件面で合わなかったため、教育委員会が自ら4種目のクラブを立ち上げるスモールスタート方式を選択。将来的には地域の独立クラブへ移行させる設計で、ロードマップを策定しながら運営しています。
特徴的な取り組み
- 教育委員会直営による4クラブのスモールスタート:既存の総合型地域スポーツクラブとの連携が条件面で折り合わなかったため、浅口市教育委員会が主体となりバレーボール・ソフトテニス・陸上・体づくり運動の4種目を新設。将来的に外部の独立クラブへ移行するロードマップを描きながら、まず実績を積む段階的アプローチを採用しました。
- 部活動地域移行コーディネーターの配置と分科会運営:専任コーディネーターを配置し、学校・競技協会・保護者との連絡調整を一手に担いました。令和6年7月には種目別分科会(バレー・吹奏楽・野球・組織)を開催し、各競技のニーズと課題を把握。他市との広域連携に向けた協議も並行して進めました。
- 高校施設を活用した体づくり運動の実施:体づくり運動(体幹トレーニング等)は「おかやま山陽高校体育館」を会場として実施。小学5年生から中学3年生を対象とし、高校施設の有効活用により施設確保の課題を解決しています。
- 1回100円・月100円という超低負担モデル:参加費をバレーボール・ソフトテニス・体づくり運動は1回100円、陸上は月100円と設定。スポーツ安全保険料(生徒800円/年)を加えても年間の経済的負担は極めて低く、参加障壁を最小限に抑えています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 受け皿となる既存の総合型地域スポーツクラブが日程・条件面で合わず連携が困難 | 教育委員会が直営型で4クラブを新設。将来的な外部移行を見据えたロードマップを策定しながらスモールスタート |
| 指導者の量的確保(人材バンク登録者が数名と少ない) | 部活動顧問や地域スポーツ少年団関係者を個別訪問して声がけ。元教員・地域指導者・保護者を指導者として9名を確保 |
| 部活動しか受け皿がない種目が多く、地域クラブ化が困難 | 令和6年7月に種目別分科会を開催し、需要の高い4種目から段階的に開始。他競技は順次拡充する方針 |
| 持続可能な運営主体の確立が課題 | 将来的に地域の独立クラブへ移行する組織設計を行い、教育委員会が事務局として過渡期を支える2段階移行方式を採用 |
成果・効果
令和6年11月〜12月にかけて4クラブが順次開始し、バレーボール約20名・ソフトテニス約15名・陸上約20名・体づくり運動約15名の計70名程度が参加しています。指導者9名(バレーボール2名・ソフトテニス3名・体づくり運動2名・陸上2名)を確保し、元教員・地域指導者が中心となって活動を支えています。
部活動地域移行検討委員会を年3回実施し、学校・関係団体・地域の声を反映しながら地域クラブの立ち上げを進めました。指導者との個別面談や活動後の話し合いの場を設け、コンプライアンス・熱中症対策・教育的な配慮について研修を実施。県の地域移行支援アドバイザーの助言を参考にしたロードマップも作成し、持続可能な移行への道筋を整えています。
出典
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