【事例】三重県志摩市の部活動地域展開 ─ 廃部危機から生まれた「クラブ志摩」合同練習モデル
・三重県志摩市の地域移行で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点
| 自治体名 | 三重県志摩市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約4.5万人(令和5年度時点) |
| 中学校数 | 6校 |
| 運営形態 | 一般社団法人クラブ志摩 |
| 対象競技 | サッカー(月3回) |
| 保護者負担額 | 年額39,000円(月換算3,250円)+保険料800円/年 |
取り組みの概要
三重県志摩市では、部員不足によりサッカー部が廃部の危機を迎えたことが地域移行の直接的な契機となりました。一般社団法人「クラブ志摩」が設立され、廃部となった文岡中学校のサッカー部員が地域クラブとして活動を継続できる受け皿が整備されました。月3回の活動を年会費39,000円(保険料別途800円/年)で提供し、指導者謝金は2,000円/時間に設定されています。廃部校のサッカー部と地域クラブの合同練習を行う形式が特徴です。
特徴的な取り組み
- 廃部危機を契機とした地域クラブ設立:部員不足によるサッカー部廃部という現実的な課題が、「クラブ志摩」設立の動機となった。危機をチャンスに転換した事例。
- 廃部校との合同練習体制:文岡中学校のサッカー部と地域クラブが合同で練習を行うことで、活動の質を維持しながら部員不足を補完。
- 一般社団法人による専門的運営:法人格を持つ「クラブ志摩」が財務・保険・指導者管理を一元化し、保護者の不安を軽減。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 部員不足でサッカー部が廃部の危機 | 一般社団法人「クラブ志摩」を設立し、複数校の生徒が合同で参加できる地域クラブを組成 |
| 高めの参加費(年39,000円)と保護者の理解 | 指導者謝金2,000円/時間という専門性の高い指導体制を明示し、参加費に見合う価値を提示 |
成果・効果
部員不足という喫緊の問題を地域クラブ化によって解決した志摩市のモデルは、廃部危機を迎えている他の自治体・他の競技にも応用可能な事例です。文岡中学校サッカー部との合同練習体制は、学校部活動と地域クラブの連携モデルとしても機能しており、完全移行前の「共存期間」の設計として参考になります。
出典
→ 原文: スポーツ庁「運動部活動の地域移行に関する実証事業事例集」(令和5年度)
💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント
志摩市の事例が示す最大の教訓は「部員不足こそ地域移行の最強の推進力になる」という点です。「なぜ今やらなければならないのか」という問いに対して、廃部という現実が明確な答えを与えます。合意形成に時間がかかりがちな地域移行を、現実の課題が後押しする形で加速させた好例です。
年会費39,000円という参加費は他市と比べて高めですが、指導者謝金2,000円/時間という専門性の高い体制を維持するには一定の財源が必要です。「無料だからとりあえず参加」ではなく「費用に見合う価値ある活動」として設計することで、参加者の主体性を高める効果も期待できます。
📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策
年会費39,000円という水準は保護者にとって高く感じられる場合があります。補助金や就学支援制度との連携で実質負担を下げる仕組みを整備することが、参加率向上の鍵になります。また、廃部が起きていない学校では移行の必要性が感じにくいため、将来の部員不足予測データを示して危機感を共有することが有効です。
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