【事例】神奈川県平塚市の部活動地域展開 ─ 特別地域指導者の派遣と生徒派遣交付金で学校部活動を支える地域連携モデル
・平塚市は学校部活動を維持しつつ、顧問不在時に指導できる特別地域指導者の派遣制度を整備
・県中体連登録の地域クラブで全国大会等に出場する生徒への派遣交付金を制度化
・平成31年策定の部活動方針を3度改定しながら制度を積み増す漸進型の地域連携モデル
| 自治体名 | 神奈川県平塚市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約25.7万人(令和8年7月1日時点・推計人口) |
| 中学校数 | 15中学校区 |
| 運営形態 | 行政主導(市教育委員会。学校部活動を維持しつつ地域人材を派遣) |
| 対象競技 | 全部活動(運動部・文化部の区別なく方針を適用) |
| 保護者負担額 | 調査時点で未公表(公式資料に記載なし) |
取り組みの概要
平塚市は平成30年2月に生徒・保護者・教職員を対象とする市独自アンケートを実施し、その結果を踏まえて平成31年2月に「平塚市立中学校に係る部活動の方針」を策定しました。方針は令和2年3月・令和5年3月・令和6年3月と3度改定され、制度を積み増しながら運用されています。令和8年度施政方針では「部活動の地域展開に向けた取組として、引き続き中学校の部活動指導員を配置するほか、学校運営協議会の活動を通して、学校教育や学校運営の課題解決に向け、地域との連携を強化します」と市長が明言。地域クラブへの一斉移行ではなく、学校部活動を維持しながら地域人材の派遣と地域クラブ活動への支援を並行させる地域連携型を採っています。アンケートでは部活動未加入・無回答を除く81.8%の生徒が部活動を「楽しい」「どちらかといえば楽しい」と回答しており、学校部活動への満足度の高さが方針の土台にあります。
特徴的な取り組み
- 特別地域指導者制度: 「学校からの要請に応じて休日に部活動顧問が不在でも指導できる地域指導者を特別地域指導者として派遣する」と方針に明記。顧問の休日負担を軽減しつつ活動を継続できる仕組みです。
- 研究指定の地域活動への指導者派遣: 市教育委員会が研究推進を目的として指定する「中学生の部活動に準ずる地域での活動」へも地域指導者を派遣し、地域展開の入口となる活動を支えています。
- 地域クラブ活動への生徒派遣交付金: 神奈川県中学校体育連盟に登録市町村を「平塚市」として団体登録している地域クラブ活動から全国大会・関東大会等に出場する市立中学校の生徒を支援。申請は保護者から教育指導課へ直接行う制度設計です。
- 休養日・活動時間の数値基準: 週2日以上の休養日(平日1日・週末1日)、平日2時間程度・休業日3時間程度、朝練習は行わない、長期休業中のオフシーズン設定を明文化しています。
- 学校運営協議会(コミュニティ・スクール)経由の地域連携強化: 令和8年度施政方針で、学校運営協議会の活動を通じた地域との連携強化を地域展開の取り組みとして位置付けています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 市アンケートで生徒の困りごとは「勉強との両立」が最多。疲労や休養不足の声も上位 | 週2日以上の休養日と活動時間上限を方針に明記し、朝練習は行わないと規定 |
| 教員の働き方改革と休日指導の負担 | 部活動指導員の任用・学校派遣に努め、顧問不在時は特別地域指導者を派遣 |
成果・効果
市独自アンケート(平成30年2月)では、部活動未加入・無回答を除く81.8%の生徒が部活動を「楽しい」「どちらかといえば楽しい」と回答しています(取り組み前の実態値)。地域展開に関する定量的な成果はまだ公表されていませんが、方針を3度改定しながら特別地域指導者・生徒派遣交付金といった制度を段階的に整備しており、学校部活動の質を保ちながら地域との接点を広げる段階にあります。
出典
→ 原文: 平塚市立中学校に係る部活動の方針(平成31年2月策定・令和6年3月改定)
→ 参考: 地域クラブ活動に係る生徒派遣交付金(平塚市公式サイト) / 令和8年度施政方針(平塚市公式サイト)
CONSULTING / 専門家に相談
受け皿団体の組織整備・経営について
専門家に相談しませんか?
設立手続きの進め方・行政との調整・資金計画など、
総合型地域スポーツクラブ特化のコンサルティングをご提供しています。