【事例】宮崎県延岡市の部活動地域展開 ─ 合同部活動6競技9チームと認定地域クラブ制度で令和14年度の休日展開へ
・延岡市は令和14年度からの休日地域展開を協議会で決定し、認定地域クラブ活動制度を準備中
・令和7年度に6競技9チームの合同部活動を編成し、実働の受け皿づくりを先行
・九州で2番目に広い市域を踏まえた「全面移行を前提としない」選択型設計が特徴
| 自治体名 | 宮崎県延岡市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約10.8万人(令和8年7月1日時点) |
| 中学校数 | 市立中学校15校+義務教育学校1校(2022年4月時点) |
| 運営形態 | 行政主導(延岡市部活動改革推進協議会・事務局は市教育委員会学校教育課) |
| 対象競技 | 全部活動(運動部・文化部)。合同部活動は6競技9チーム(令和7年度) |
| 保護者負担額 | 未定(認定地域クラブ活動の要件に「可能な限り低廉な参加費等」を明記) |
取り組みの概要
延岡市は令和5年度に「延岡市部活動の在り方検討会」を設置し、実態把握・アンケート調査を踏まえて長期プラン「延岡市総ぐるみスポーツ・文化芸術活動改革プラン」を作成しました。少子化による人数不足で特にチームスポーツが成立しにくくなっていること、教員が専門外の競技を指導する負担や休日を含む長時間活動の負担が背景にあります。令和8年度には検討会を「延岡市部活動改革推進協議会」に改組して「検討から推進へ」と段階を進め、令和8年6月3日の協議会で「令和14年度から、延岡市内の公立中学校は、休日の部活動を地域展開します」という方針を承認しました。同6月30日には協議会第1回作業部会を開き、市独自の「認定地域クラブ活動」制度の準備(認定要件・申請方法の整理)に着手。保護者向けには令和7年12月創刊の「延岡市中学校部活動改革だより」で広報を続けています。
特徴的な取り組み
- 「地域移行」から「地域展開」への先行言い換え: 市は令和7年度から「地域移行」を「地域展開」と言い換えており、国の総合的ガイドラインによる改称(令和7年12月)に先んじた運用です。
- 地域連携の3本柱: 「部活動指導員の配置」「延岡ならではの合同部活動制度の実施」「拠点校部活動のモデル実施」を柱に、学校部活動を支えながら段階的に体制を整えています。
- 認定地域クラブ活動制度の準備: 教育的意義の継承・生徒の主体的参加・競技力向上を主目的とした活動ではないことなどを要件とする市独自の認定制度を準備中。改革だよりでは「認定地域クラブ活動が地域展開の鍵です!」と位置付けています。
- 全面移行を前提としない選択型設計: 延岡市は面積868.02km²と九州で2番目に広く、「部活動全てが地域展開するわけではないと考えている」ことを明言。学校・地域・家庭・子どもが選択できる体制づくりを掲げています。
- 保護者向け広報紙の定期発行: 「延岡市中学校部活動改革だより」を発行し、改革の進捗と制度の考え方を家庭へ直接届けています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 少子化によるチームスポーツの人数不足・希望する活動が成立しない | 合同部活動(令和7年度は6競技9チーム)と拠点校部活動のモデル実施 |
| 教員の専門外指導と休日を含む長時間活動の負担 | 部活動指導員の配置を段階的に拡大 |
| 九州で2番目に広い市域による地域差 | 全面移行を前提とせず、学校・地域・家庭・子どもが選択できる体制と認定制度で受け皿の質を担保 |
成果・効果
令和7年度にはサッカー、男子バスケットボール2、男子ハンドボール、ソフトボール2、女子バレーボール2、軟式野球の合同部活動6競技9チームが編成され活動しています。市の推計では中学生数は令和6年度の2,875人から令和15年度には2,482人へ減少する見込みで、合同部活動はその受け止めの実働策です。県レベルでは、宮崎県が令和9年度から地域クラブの各地区中体連大会参加を可能とする方針で準備を進めており、指導者人材バンク「クラサポひなた」も運営されています。なお、延岡市はスポーツ庁の県内実証事業(宮崎市・小林市等が参加)には加わらず、市独自に段階整備を進めてきました。
出典
→ 原文: 延岡市中学校部活動改革だより 第2号(令和8年7月24日・延岡市教育委員会)
→ 参考: 延岡市中学校部活動改革だより 第1号(令和7年12月1日) / 発行案内ページ(延岡市公式サイト)
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