トップ 事例を探す 岐阜県 【事例】岐阜県山県市の部活動地域展開 ─ NPO法人TSC認定・令和8年4月〜3年間のTSC中学生スクールA運営×市内3中学校584生徒対象モデル
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【事例】岐阜県山県市の部活動地域展開 ─ NPO法人TSC認定・令和8年4月〜3年間のTSC中学生スクールA運営×市内3中学校584生徒対象モデル

公開:2026.07.07 更新:2026.07.07
この記事でわかること

・既存総合型クラブ(TSC)を市が正式認定して地域クラブ活動化する「認定制度」の設計と3年更新サイクル
・市の認定要件7項目(教育的意義・活動時間・参加費・指導体制・安全・運営・学校連携)の具体
・TSC会員1,655名の基盤と中学生スクール参加率66%が示す「既存関係の制度化」戦略の実装データ

自治体名 岐阜県山県市(高富・伊自良・美山の3地区合併町)
人口規模 約2万5千人(令和6年時点)
中学校数 公立3校(高富中414人・伊自良中64人・美山中106人/令和6年度計584人)
運営形態 NPO法人Team-yamagata Sports Club(TSC・総合型地域スポーツクラブ)を市が認定/認定期間 令和8年4月1日〜令和11年3月31日/地域クラブ活動名「TSC中学生スクールA」
対象競技 陸上競技・バレーボール・卓球・剣道・バスケットボール・バドミントン・ソフトテニス・ハンドボール・水泳(TSC全体で9種目確認・「TSC中学生スクールA」の具体種目は市生涯学習課の募集要項参照)
保護者負担額 市認定要件で「低廉な参加費」を規定(TSC入会申込みで種目別料金設定・令和8年度は3月14日より受付開始)

取り組みの概要

岐阜県山県市は、少子化に伴う部活動の停滞や経験のない教員による指導という課題に対応するため、既存の総合型地域スポーツクラブ「NPO法人Team-yamagata Sports Club(TSC)」を市が正式に認定し、令和8年4月1日から令和11年3月31日までの3年間、「TSC中学生スクールA」を地域クラブ活動として位置付けました。TSCは令和6年5月時点でTSCクラブ会員759名・小学生スクール319名・中学生スクール384名・スポーツ広場225名・成人向けスポーツ教室79名・幼小中向けスポーツ教室69名の計約1,655名の会員基盤を持ち、9種目(陸上・バレー・卓球・剣道・バスケ・バドミントン・ソフトテニス・ハンドボール・水泳)を運営する規模の総合型クラブです。市の中学校3校(高富中・伊自良中・美山中)の生徒584名(令和6年度)が対象となり、既存の総合型クラブが「地域クラブ活動の認定団体」へと段階的に発展する事例です。

特徴的な取り組み

  • 既存総合型クラブを市が正式認定して地域クラブ活動化: TSCは長年山県市で活動してきた総合型地域スポーツクラブで、市生涯学習課がこれを認定団体として位置付けることで、地域移行のためにゼロから運営体制を作る必要がなくなった。「認定期間 令和8年4月1日〜令和11年3月31日」の3年サイクルで運営継続を担保する。
  • 市の認定要件7項目を満たす体制構築: 山県市は認定要件として①学校部活動の教育的意義の継承、②適切な活動時間・休養日の設定、③可能な限り低廉な参加費、④適切な指導体制、⑤安全確保、⑥運営体制、⑦学校との連携、の7項目を規定。既存総合型クラブがこれらを満たすことで、地域クラブ活動としての質を担保している。
  • 約1,655名の会員基盤を活用した指導者・活動場所の同時確保: TSCは令和6年5月時点でクラブ会員759名・複数スクール・成人スポーツ教室を運営しており、指導者ネットワークと活動場所を既に保有。中学生スクール384名の運営実績が「TSC中学生スクールA」の地域クラブ活動移行にそのまま活用できる。
  • 「地域指導者人材バンク」制度で不足補充: 市生涯学習課は地域指導者人材バンク制度を運営し、スポーツ・文化芸術活動の指導者を新規募集中。TSC内部の指導者に加えて外部人材を段階的に取り込む二層構造。
  • 合併町3地区の中学校規模格差への対応: 高富中(414人)と伊自良中(64人)・美山中(106人)の規模差は6倍以上あり、単独校での部活動維持は伊自良中・美山中で困難。市全体を対象とするTSC中学生スクールA体制により、規模の小さい2校の生徒も同水準の活動機会が得られる。

課題と解決策

課題 解決策
合併町3地区の中学校規模格差(高富414人 vs 伊自良64人・美山106人)と単独校での部活動維持困難 市全域を対象とするTSC中学生スクールAに一元化し、小規模2校の生徒も高富中と同水準の種目選択・指導者アクセスを確保。
指導者不足(少子化に加え、経験のない教員による指導という課題) TSCの既存指導者ネットワーク+市生涯学習課の「地域指導者人材バンク」の二層構造で確保。指導者・文化芸術活動指導者を新規募集中。
実証事業から本格運用への移行と持続性の確保 令和5・6・7年度に実証事業を実施し、令和8年4月1日からTSC中学生スクールAとして正式認定運営を開始。3年サイクル(令和8.4.1〜令和11.3.31)で認定更新の仕組みを組み込み、質と持続性を継続担保。
参加費と保護者負担の合意形成 市認定要件で「可能な限り低廉な参加費」を明示し、TSC入会申込みで種目別料金を設定。令和8年度会員募集は3月14日から受付開始し、事前告知で合意形成期間を確保。

成果・効果

TSCの令和6年5月時点の会員構成はクラブ会員759名・小学生スクール319名・中学生スクール384名・スポーツ広場225名・成人スポーツ教室79名・幼小中スポーツ教室69名の計約1,655名で、既に山県市の子ども・成人スポーツ環境の中核として機能しています。特に中学生スクール384名は市内3中学校生徒584名の66%に相当し、「TSC中学生スクールA」への正式認定は既存の運営実績を制度化するもので、令和8年度以降の地域クラブ活動へのスムーズな移行が見込まれます。実証事業3年間(令和5・6・7年度)の成果報告書は市公式サイトで概要版・詳細版が公開されており、実装データの継続的な透明性が確保されています。

出典

→ 原文: 山県市生涯学習課「部活動の地域展開」山県市「Team-yamagata Sports Club(TSC)入会について」NPO法人Team-yamagata Sports Club 公式サイト

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

山県市モデルの本質は、地域クラブ活動を「新設」ではなく「既存の総合型クラブに正式認定を与える」設計にした点です。TSCは既に約1,655名の会員基盤を持ち、9種目・指導者ネットワーク・活動場所を保有していたため、市がゼロから体制を作る必要がなく、令和8.4.1の本格運用へ最短ルートで到達しました。3中学校の生徒584名のうち中学生スクール参加者384名(66%)が既にTSC会員である事実は、正式認定が「新規移行」ではなく「既存関係の制度化」であることを示しています。既存総合型クラブがある市区町村にとって最も参考になる導入パターンです。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

最大のハードルは「認定要件7項目を満たすガバナンス体制の整備」です。山県市の認定要件は①教育的意義の継承、②活動時間、③低廉な参加費、④指導体制、⑤安全確保、⑥運営体制、⑦学校連携で、既存クラブの規模と実績があってもこの7項目の書面化・監査体制構築は労力を要します。導入時は①既存総合型クラブの「地域クラブ活動化」に必要な7項目のチェックリスト作成、②3年更新の認定サイクル設計、③市の生涯学習課と学校教育課の連携協議、を先に整理する必要があります。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

3年サイクル(令和8.4.1〜令和11.3.31)の認定制度は、質担保と継続性の両立に有効。TSCの1,655名会員基盤・9種目・賛助企業スポンサー体制は、認定期間切れリスクを大きく下げます。市生涯学習課の「地域指導者人材バンク」との二層構造が指導者確保の持続性を補強。実証事業3年間の成果報告書公開は透明性の面で評価できます。

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