トップ 事例を探す 岐阜県 【事例】岐阜県養老町の部活動地域展開 ─ 町×総合型クラブ共同運営×教員参加月2回制限×要保護世帯参加費免除モデル
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【事例】岐阜県養老町の部活動地域展開 ─ 町×総合型クラブ共同運営×教員参加月2回制限×要保護世帯参加費免除モデル

公開:2026.05.21 更新:2026.05.21
この記事でわかること

・町×総合型クラブ「養老スポーツクラブ」共同運営団体モデル
・教員参加月2回制限による働き方改革(72%が負担軽減実感)
・要保護・準要保護世帯への参加費免除(個人情報配慮フロー設計)

自治体名 岐阜県養老郡養老町
人口規模 26,025人(2024年時点・面積72k㎡)
中学校数 2校(高田中・東部中・生徒数687人・部活動27部)
運営形態 養老町教育委員会×養老スポーツクラブ(総合型)共同運営型
対象競技 野球・サッカー・バドミントン・バスケットボール・卓球・剣道・柔道・バレーボール・ハンドボール(9種目)
保護者負担額 年会費約10,000円+保険料800円(部活動により変動・サッカーは12,000円)

取り組みの概要

岐阜県養老町は、令和5年10月から休日部活動の地域移行を段階的に開始し、令和6年度には15地域クラブ(11部活動移行+スポーツ少年団委託4部活動)まで拡大しました。令和6年度からは、これまで町単独で担っていた運営団体に総合型地域スポーツクラブ「養老スポーツクラブ」が加わり、町と共に運営団体となる二重運営体制を構築。指導者謝金支払い・保険加入・会員管理など支援業務を委託することで、持続可能な運営体制を整備しました。「休日の部活動地域移行推進協議会」(学校運営協議会会長・各中学校校長等で構成)が方針・内容を協議し、移行期間中は顧問の参加を月2回までに制限する独自ルールも導入しています。

特徴的な取り組み

  • 町×総合型クラブの共同運営団体モデル: 令和6年度から養老スポーツクラブを共同運営主体に位置付け、指導者月報確認・謝金書類作成・保護者負担金取扱いを総合型クラブが担当。町は方針・補助金・学校調整を担い、行政と総合型の役割分担を明確化しています。
  • 顧問の参加を月2回までに制限: 移行期間中は教員の休日部活動参加を月2回に制限する独自ルール。72%の部活動顧問が「土日の負担が軽減した」と回答する効果を生んでいます。
  • 要保護・準要保護世帯の参加費用免除: 個人情報配慮型の体制を整備。保護者が中学校に申請書提出→中学校が該当確認→地域クラブが申請書受理→送金、というフローで限られたスタッフのみが個人情報を扱う設計。3中学校で27人が支援を受けています。
  • 収支構造の透明な可視化: 「指導者謝金単価1,600円/Hにした場合、年間受益者負担39,637円(月3,303円)が必要」など、財政負担と受益者負担のトレードオフを公表。月会費1,000円が「適当」とする保護者79%という調査結果も開示しています。
  • 各クラブの消耗品を地域クラブが購入: バスケットボール・バレーボール・ソフトテニスボール・軟式野球ボール・背番号・ラインテープ・テーピングを地域クラブが購入し、部活動加入者と地域クラブ加入者の経済負担を分離する仕組みを構築。

課題と解決策

課題 解決策
町内児童数の急減(R6 1,028人→R12 598人見込み) 2中学校×9種目体制を維持しつつ、移行期間中は教員参加月2回制限で円滑な移行を実現
部活動と地域クラブの二重費用負担 地域クラブが消耗品を購入することで部活動経費と地域クラブ経費を明確に分離
持続可能な指導者謝金財源確保 月会費1,000円の段階的引き上げと自治体財政支援の組み合わせを検討(保護者79%が現状肯定)

成果・効果

令和6年度に15地域クラブが活動し、27名の指導者が休日部活動を担当。生徒アンケートでは「顧問の先生や指導者に努力を認めてもらえた」「クラスや学年を超えた友人・交流ができた」「技術を身につけられた」「スポーツ・文化芸術を楽しめた」がいずれも高評価。教員側も72%が「土日の負担が軽減」と回答し、生徒・教員双方にメリットを実感する結果が出ています。さらに、令和7年度の入学説明会では、保護者代表に向けた説明会を経て、新たに2部活動が休日部活動指導者を確保し移行に繋げています。

出典

→ 原文: スポーツ庁 令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 養老町実証事業報告書

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

養老町モデルの核心は「町と総合型クラブの共同運営団体」という構造で、行政と民間の責任分担を明確化した点です。運営事務(謝金支払い・保険加入・会員管理)は総合型クラブ、方針決定・補助金交付・学校調整は町という分担は、人口2.6万人規模の自治体に最適な役割分担です。「月会費1,000円が適当」とする保護者79%という調査結果を踏まえ、収支試算(指導者謝金1,600円/Hなら月会費3,303円必要)を公表する姿勢は、合意形成のための透明性として高く評価できます。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

町×総合型共同運営モデルは、地域に総合型クラブが存在し、かつ事務局能力を持つことが前提条件です。総合型クラブがない地域では、まずスポーツ協会等を共同運営パートナーに据える代替案が有効です。教員参加月2回制限は強力な働き方改革ツールですが、種目によっては地域指導者だけで運営回しきれない部活動もあるため、種目別の指導者数を実態調査した上で導入すべきです。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

町×総合型共同運営、推進協議会による方針決定、要保護世帯への参加費支援、消耗品の運営側購入、収支構造の透明開示と、ガバナンス要素は揃っています。R6から本格運用に入ったばかりで、持続性の判断は早いですが、指導者数27名と少ない部活動が複数ある点(柔道1名・ハンドボール1名)、運営マニュアル・責任の主体規程が不十分な点を町自身が認めており、R7に向けた整備が鍵となります。

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