【事例】岐阜県郡上市の部活動地域展開 ─ 指導者主体協議会×平日小中合同×休日市内統一団体の中山間地モデル
この記事でわかること
・指導者主体組織を意思決定中核に据えた中山間地自治体モデル
・面積1,030k㎡8中学校での平日地域分散×休日市内集約の2モデル
・19種目58団体131名指導者を統括する推進協議会の構造
| 自治体名 | 岐阜県郡上市 |
|---|---|
| 人口規模 | 37,780人(2024年時点・面積1,030k㎡) |
| 中学校数 | 8校(生徒数1,001人・部活動54部) |
| 運営形態 | 郡上市少年スポーツ団体連絡協議会×郡上市地域クラブ活動推進協議会(指導者主体型) |
| 対象競技 | サッカー・軟式野球・男女バレーボール・男女バスケットボール・剣道・卓球・ソフトテニス・硬式テニス・体操・相撲・柔道・バドミントン・陸上・ビームライフル・スキー・空手・水泳(19種目) |
| 保護者負担額 | クラブにより異なる(年6,000〜108,240円・平均22,800円) |
取り組みの概要
岐阜県郡上市は、南北に長い面積1,030k㎡・8中学校・54部活動という地理的条件下で「郡上はひとつ」の理念を掲げ、指導者が主体となった「郡上市地域クラブ活動推進協議会」(実施主体代表者60名)を中心に地域移行を推進しています。スポーツ少年団・体育協会・総合型クラブ等80団体が所属する既存組織「郡上市少年スポーツ団体連絡協議会」の指導者部会に地域クラブ活動推進協議会を位置づけ、19種目58団体・131名指導者・人材バンク登録268名という大規模体制を構築。令和5年度19%→6年度49%→7年度96%→8年度100%という登録ロードマップで段階的に進めています。
特徴的な取り組み
- 指導者主体型ガバナンス: 行政や校長会主導ではなく「指導者が中心となる協議会」を意思決定の核に据えた構造。各種目団体の代表者60名が直接協議に参加し、競技現場の実情を制度に反映する仕組みです。
- 平日小中合同活動の推奨: 南北に長い地形と公共交通の制約から、平日は地域ごとに小学生と中学生が一緒に活動。スクールバスが使えない平日に「地域の子は地域で育てる」体制を構築しています。
- 休日「市内統一団体」モデル: 休日は市内中学生が一堂に集まり統一チーム(郡上市剣道クラブ・郡上バレーボールクラブ・郡上スイミングクラブ・郡上ソフトテニスクラブ等)として活動。平日地域分散・休日全市集約の二層モデルです。
- 市の5つの支援策と国実証事業の組み合わせ: 国事業の指導者謝金(時給1,000円・3時間以内・年800万円規模)に加え、市交付金(団員1人5,500円×総額900万円)、施設100%減免、夜間照明100%減免、指導者資格取得支援、大会参加補助(スクールバス無料)を実施。
- 郡上市地域クラブ活動ガイドライン(ガバナンス・コード): 指導者の質保障のためR4までに各団体50〜100円程度だった謝金を実証事業活用で時給1,000円に大幅増額。さらにJSPO・スポーツ協会主催のライセンス取得を支援し、R6.12時点で県地域クラブ指導者ライセンス79名取得。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 面積1,030k㎡・南北に長い中山間地での移動制約 | 平日は小中合同で地域単位活動・休日は市内統一チームに集約する2モデル併用 |
| 4年間で35団体減少(115→80団体)の少子化対応 | 「郡上はひとつ」理念で全種目統合を志向。種目団体間の調整は推進協議会が一元化 |
| 指導者報酬の継続財源 | 国実証事業終了後の市単独財源確保が最大の課題。スポーツ協会組織への将来的移管も検討 |
成果・効果
令和7年4月の県中体連登録では、地域クラブ登録が22団体まで拡大予定。本年度新たに八幡VC・高鷲男女バレーボール3団体が移行し、郡南バレー・白鳥大和バレー・郡上Jrテニスなど4団体が準備中。指導者ライセンス取得者は3年で大幅増加し、JSPOコーチ1・2が49名、スタートコーチ37名、各団体資格78名へ。「地域クラブ活動推進協議会」が指導者主体組織として機能することで、種目団体間の調整と保護者・地域への説明を一元的に進めている点が他自治体への示唆となります。
出典
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