トップ 事例を探す 富山県 【事例】富山県魚津市の部活動地域展開 ─ 2中学校30部活動・総合型クラブ「くうおづスポラ」核に8競技クラブ展開・3競技は平日試行
全種目 👥 1~5万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 富山県

【事例】富山県魚津市の部活動地域展開 ─ 2中学校30部活動・総合型クラブ「くうおづスポラ」核に8競技クラブ展開・3競技は平日試行

公開:2026.05.16 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・富山県魚津市の地域移行で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点

自治体名 富山県魚津市
人口規模 約4万人
中学校数 公立2校(東部中学校・西部中学校)・全生徒数866人・30部活動
運営形態 体育・スポーツ協会運営型(魚津市スポーツ協会くうおづスポラ+魚津市教育委員会)
対象競技 水泳・サッカー・ラグビー・柔道・剣道・バドミントン・陸上競技・バレーボール(8クラブ)
保護者負担額 月2回6,000円/年・週1回12,000円/年・週2.3回18,000円/年

取り組みの概要

富山県魚津市は、令和5年度から民間団体の助成制度を活用して2競技で地域移行を先行実施し、令和6年度から本実証事業により種目数をさらに拡大して地域移行を推進しています。市内2つの中学校(東部中学校・西部中学校)に13種目の運動部があり、令和6年度には8競技の地域クラブによる休日の地域移行に取り組み、うち3競技においては平日の活動も試行しています。

同市の運営主体には、魚津市スポーツ協会が運営する総合型地域スポーツクラブ「くうおづスポラ」が起用されており、そのノウハウを活かして展開。会費は活動頻度別に「月2回6,000円/年」「週1回12,000円/年」「週2.3回18,000円/年」と階層設定し、参加頻度に応じた経済負担となるよう設計しています。令和5年度中から「推進協議会の設立」「ガイドラインの作成」等の準備を進めてきた段階的な体制整備が特徴です。

特徴的な取組

  • 総合型地域スポーツクラブ「くうおづスポラ」を運営主体に: 魚津市スポーツ協会が運営する総合型地域スポーツクラブを地域移行の運営主体として正式に位置付け、既存組織のノウハウを最大限活用。
  • 令和5年度2競技→令和6年度8競技への拡大: 民間団体の助成制度を活用して令和5年度に2競技で先行実施し、令和6年度に8競技へ拡大する段階展開。
  • 3競技は平日も試行: 休日地域移行に加え、8競技のうち3競技で平日活動も試行的に実施。平日地域移行の課題抽出を先取り。
  • 活動頻度別の3階層会費設計: 月2回6,000円/年・週1回12,000円/年・週2.3回18,000円/年と頻度別に明確な料金体系を整備。参加生徒・保護者の選択肢を拡大。
  • 事務局一括管理によるクラブ負担軽減: 指導者謝金の支払い・保護者負担金の徴収等の会計業務、指導者・生徒の登録手続きを事務局が一括で行い、各地域クラブには指導と保護者連絡など必要な枠組みのみを依頼。
  • ICT活用による事務負担軽減: 持続可能な事務局運営となるよう、ICT活用による事務負担軽減の工夫等、ノウハウの研究・蓄積を継続。
  • 5.8回/月という活動頻度: 平均的な活動回数は5.8回/月と比較的多く、競技力向上にも対応できる頻度を確保。

課題と解決策

課題 解決策
2中学校866人で部員不足により単独校でのチーム編成困難 2校間の合同チーム編成を地域クラブで実現し、競技人口を確保
教員数減少による部活動運営負担の増加 体育・スポーツ協会運営型でくうおづスポラに運営を委ね、教員の長時間勤務・競技経験のない顧問という課題を解消
事務局運営の持続性 会計業務・登録手続きを事務局一括化、ICT活用で事務負担を軽減する取組を継続研究
家計負担と参加頻度のミスマッチ 月2回6,000円/年・週1回12,000円/年・週2.3回18,000円/年と頻度別3階層料金で参加機会を保障
平日地域移行の課題抽出 8競技のうち3競技で平日活動も試行し、休日地域移行と並行して平日移行の論点を先行的に検証
地域クラブの組織化 令和5年度中から「推進協議会の設立」「ガイドラインの作成」を進め、運営体制を文書化

成果・効果

令和6年度には8競技の地域クラブで休日の地域移行を実現し、うち3競技は平日活動も試行。総合型地域スポーツクラブ「くうおづスポラ」の運営ノウハウと魚津市教育委員会の連携により、指導者57名を確保し、月平均5.8回の活動頻度を維持。各学年クラブ平均3〜5名の参加生徒数となっており、令和5年度の2競技先行実施から1年で運営規模を4倍に拡大しました。事務局一括管理とICT活用による事務効率化により、地域クラブの実施負担を軽減する持続可能なモデルを構築しています。

出典

→ 原文: スポーツ庁「令和6年度 地域スポーツクラブ活動への移行に向けた実証事業 富山県(成果報告書概要)」

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

魚津市の事例で最も注目すべきは「会費の3階層設計」です。月2回(6,000円/年)・週1回(12,000円/年)・週2.3回(18,000円/年)という頻度別料金設定により、競技力向上を目指す生徒と気軽に体を動かしたい生徒の両方に対応できる柔軟性を確保しています。多くの自治体が「単一料金で全員参加」を採用するなか、頻度別料金は参加層の多様化に直結する重要な設計判断です。

もう一つの特徴は、令和6年度に8競技のうち3競技で平日活動も試行している点です。多くの自治体が「休日先行→平日後追い」の順序で進めるなか、魚津市は休日と平日を並走実証することで、平日地域移行の課題を早期に抽出。事務局一括管理(指導者謝金支払い・保護者負担金徴収・登録手続き)とICT活用ノウハウの蓄積を進めており、事務処理が複雑化しやすい多競技展開モデルにおける運営の持続性を担保しています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

活動頻度別の3階層会費を導入する場合、生徒・保護者にとって料金体系の選択が複雑化するため、選択ガイドラインを明文化することが重要です。週2.3回コース(18,000円/年)を選択した生徒が実際は週1回しか参加できなかった場合の調整ルール等を予め整理しておくと運用がスムーズになります。事務局一括管理の方式は、複数競技を一元的に運営するうえで強力ですが、事務局スタッフの人件費が大きくなるため、ICT導入による省力化を初期段階から計画する必要があります。総合型地域スポーツクラブが存在する自治体では、魚津市のように既存組織を運営主体に据える設計が立ち上げコストを大きく抑える有効な選択肢となります。

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