トップ 事例を探す 富山県 【事例】富山県小矢部市の部活動地域展開 ─ 4中学校29部活中20部活地域移行済・NPO法人おやべスポーツクラブ核・4校統合野球サッカークラブ
全種目 👥 1~5万人 🏫 小規模校(〜150人) 📍 富山県

【事例】富山県小矢部市の部活動地域展開 ─ 4中学校29部活中20部活地域移行済・NPO法人おやべスポーツクラブ核・4校統合野球サッカークラブ

公開:2026.05.16 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・富山県小矢部市の地域移行で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点

自治体名 富山県小矢部市
人口規模 約2.7万人
中学校数 公立4校・全生徒数606人・29部活動
運営形態 総合型地域スポーツクラブ運営型(NPO法人おやべスポーツクラブ)
対象競技 サッカー・野球・柔道・女子バレーボール・ホッケー(11クラブ)
保護者負担額 年会費7,000円

取り組みの概要

富山県小矢部市は、NPO法人おやべスポーツクラブをコーディネーターとして委託し、市教育委員会・学校・競技団体間で連携をとりながら地域移行を推進しています。市内4つの公立中学校・606人の生徒を対象に、29部活動のうち20部活動を地域移行済とする全国的にも先進的な状況に達しています(全部活動の約69%が移行完了)。

同市の特徴は、4中学校の野球部とサッカー部がともに1つの地域クラブとしての活動を開始したこと。少子化により単独校でチーム編成が困難となっていた団体競技を、4校統合の地域クラブに集約することで競技人口を確保しています。柔道部については年度当初は石動中学校のみが地域移行として活動していましたが、年度途中で津沢中学校も地域クラブとして加わるなど、柔軟な拡大運用も特徴です。

特徴的な取組

  • NPO法人おやべスポーツクラブをコーディネーターに委託: 総合型地域スポーツクラブをコーディネーター役として委託することで、市教育委員会・学校・競技団体間の連携を一元化。
  • 4中学校の野球部・サッカー部を1つの地域クラブに統合: 小矢部市内4中学校の野球部とサッカー部がともに1つの地域クラブとして活動を開始。少子化下のチーム編成困難を一気に解消。
  • 令和5年5月: 女子バレーボール部が新規地域移行: 令和5年5月から新たに女子バレーボール部が地域移行となり、対象種目を継続的に拡大。
  • 柔道部の段階拡大: 年度当初は石動中学校のみで地域移行していた柔道部に、津沢中学校が年度途中で加わる柔軟な拡大運用。
  • 29部活中20部活地域移行済(約69%): 市内運動部29部活のうち20部活が地域移行済となり、全国的にも高い移行率を達成。
  • 定期的な打ち合わせによる課題早期解決: NPO法人おやべスポーツクラブが定期的な打ち合わせの中で現状の把握や問題提起・解決に向けて取り組む体制。
  • 競技団体6団体の関係連携: 体育協会・市内競技団体(ホッケー協会・野球連盟・柔道協会・サッカー協会・女子バレーボール)の関係連携で指導者派遣の枠組みを構築。

課題と解決策

課題 解決策
生徒数減少で部員数も減り、団体競技でのチーム編成が困難・廃止される部活動もある 4中学校の野球部・サッカー部を1つの地域クラブに統合。少子化下でも競技継続を確保
個人競技でも練習相手が確保できず、思うように活動できない状況 地域クラブで複数校の生徒が合同活動する機会を確保し、競技性と社交性を両立
小規模中学校では希望する部活動がない 4校統合の地域クラブ化で、各中学校では設置できない種目も含めて参加可能化
教員のボランティア状態では継続した指導者の確保が困難 NPO法人おやべスポーツクラブをコーディネーターとし、競技団体の指導者派遣を制度化
市教委・学校・競技団体の連携不足 NPO法人おやべスポーツクラブが業務委託を受け、定期的な打ち合わせで現状把握・問題解決を実施
家計の経済負担 年会費7,000円という比較的低廉な料金設定で参加機会を保障

成果・効果

令和6年度には市内運動部29部活中20部活が地域移行済となり、約69%という全国的に高い移行率を達成。指導者49名・運営スタッフ20名の体制で月平均3〜4回の活動を実施しています。年間平均参加生徒実数は各学年クラブ平均9〜11名と充実した参加を確保。令和5年5月から女子バレーボール部が新規地域移行となり、柔道部も津沢中学校が年度途中で加わるなど、地域クラブが継続的に拡大しています。NPO法人おやべスポーツクラブをコーディネーターとした業務委託モデルは、人口2.7万人規模の地方都市における持続可能な地域移行の先進事例といえます。

出典

→ 原文: スポーツ庁「令和6年度 地域スポーツクラブ活動への移行に向けた実証事業 富山県(成果報告書概要)」

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

小矢部市の事例で最も注目すべきは、29部活動中20部活動を地域移行済(約69%)という高い移行率と、「4中学校の野球部・サッカー部を1つの地域クラブに統合」した思い切った設計です。多くの自治体では「中学校ごとに地域クラブを作る」発想にとらわれがちですが、小矢部市は団体競技を最初から「市内統合クラブ」として運営することで、少子化下の競技人口を効率的に確保しています。

もう一つの特徴は、NPO法人おやべスポーツクラブを業務委託先のコーディネーターに据えた運営設計です。市教委直営でもなく、競技団体に丸投げでもなく、中間組織としてNPO法人を介在させることで、「定期的な打ち合わせで現状把握や問題提起・解決」を継続的に回す仕組みを作っています。柔道部が年度途中で津沢中学校に拡大するような柔軟な運用は、こうした中間組織が機能しているからこそ可能になります。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

「複数中学校の同種目部活を統合する」モデルを採用する場合、活動場所と移動手段が大きな課題になります。小矢部市は人口2.7万人規模の比較的近接した4中学校だからこそ統合運営が成立しますが、広域自治体では交通整理が不可欠です。NPO法人を業務委託先のコーディネーターに据える方式は、行政の予算措置と中間組織の機動性を両立できる優れた手法ですが、委託契約の更新条件・年間業務内容・成果指標を明確にしておかないと、契約更新時に交渉が難航する可能性があります。年会費7,000円は他自治体と比べて低廉ですが、これは20部活動の規模で運営コストを分散できているからこそ実現できる金額であり、移行率を上げることが料金設計の前提となります。

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