【事例】富山県射水市の部活動地域展開 ─ R7休日完全移行・スポーツ24種目+文化11種目・令和13年学校部活動廃止予定
・富山県射水市の地域移行で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点
| 自治体名 | 富山県射水市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約9万人 |
| 中学校数 | 市内中学校(市教委生涯学習・スポーツ課が一括管理) |
| 運営形態 | 市教育委員会主導・実施団体登録制・地域クラブ展開型/「射水市学校部活動在り方検討会」設置 |
| 対象競技 | スポーツ24種目(バスケ・剣道・柔道・ハンドボール・卓球・ソフトテニス・バレー6チーム・ソフトボール2チーム・軟式野球3チーム・サッカー・陸上2地域別・ヨット・バドミントン・体操ほか)/文化芸術11種目(美術6校・吹奏楽5校ほか) |
| 保護者負担額 | スポーツ安全保険(区分A1)は市教委が加入。実施団体ごとに参加費を設定 |
取り組みの概要
富山県射水市は、令和4年度から中学校の休日部活動の地域展開を開始し、令和7年度に休日部活動の地域展開を完了しました。令和8年度から平日の地域展開を検討する段階に入り、令和13年度には学校部活動の廃止を予定しています。富山県内では先行的な取組として、スポーツ庁の重点地域実証事業にも位置付けられています。
令和7年11月1日現在、スポーツ24種目・文化芸術11種目の地域クラブが活動中。剣道は4地域別、バレーボールは6チーム、軟式野球は3チームと、種目内で複数の受け皿が並走する大規模展開を実現しています。市教育委員会生涯学習・スポーツ課が一元的に運営し、実施団体への登録・参加申請をオンライン申請システムで受け付けています。
特徴的な取組
- 令和7年度に休日部活動の地域展開完了: 令和4年度開始から3年で休日活動の完全展開を達成。全国的にも先行する完了スピード。
- スポーツ24種目+文化11種目の大規模展開: 種目内に複数チーム(バレー6・ソフトボール2・軟式野球3など)を擁し、地域別運営(剣道4地域・陸上2地域)で生徒の活動拠点を確保。
- 市教委による安全保険一括加入: スポーツ安全保険(区分A1)に市教育委員会が加入し、実施団体・保護者の事務負担を軽減。安全網を制度的に担保。
- オンライン申請システムの本格運用: 参加申請をURLからのオンライン申請で受け付け、紙書類のやり取りを削減。実施団体との連絡もシステム化。
- 射水市学校部活動在り方検討会の設置: 持続的な部活動環境を検討する常設の協議機関を設置。学校の働き方改革を踏まえた長期計画を策定。
- 令和13年度に学校部活動廃止を明示: 「いずれ完全移行」ではなく令和13年度という具体的な廃止予定年度を市民に提示し、関係者の計画策定を促進。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 多種目・多チームの一元管理 | 市教委生涯学習・スポーツ課が窓口を一元化。実施団体登録・参加申請をオンライン申請システム化し、事務処理を効率化 |
| 保険加入の実施団体ごとの煩雑さ | スポーツ安全保険(区分A1)に市教委が一括加入。実施団体は本来の指導活動に集中できる体制を構築 |
| 競技人口の偏りによる単独活動の困難 | 剣道4地域別、陸上2地域別、バレー6チーム、軟式野球3チームなど、種目内に複数受け皿を整備 |
| 文化芸術活動の受け皿確保 | 美術6校・吹奏楽5校など文化芸術11種目を運動部と並列で整備。文化部活動の地域展開を実現 |
| 平日活動の継続性 | 令和8年度から平日地域展開の検討を開始し、令和13年度の学校部活動廃止に向けて段階的に準備 |
成果・効果
令和4年度から開始した休日部活動地域展開は令和7年度に完了。スポーツ24種目・文化芸術11種目で地域クラブが稼働しています。市教育委員会のオンライン申請システムと安全保険一括加入により、実施団体・保護者・教育委員会の三者にメリットがある運営モデルを確立。富山県内における先行モデルとして、令和13年度の学校部活動廃止に向けた長期ロードマップを公表しています。
出典
→ 原文: 射水市公式ホームページ「部活動の地域移行等に向けた実証事業について」
→ 原文: 射水市公式ホームページ「射水市学校部活動在り方検討会」
→ 原文: 射水市公式ホームページ「令和6年度 部長の政策宣言」
💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント
射水市の事例で最も注目すべきは「令和7年度に休日完全展開完了」という達成スピードと、「令和13年度学校部活動廃止」という具体的なゴールイヤーの明示です。多くの自治体が「段階的に進める」とのみ示すなか、射水市は廃止予定年度を市民に提示することで関係者の準備期間を逆算可能にしています。
運営面では「スポーツ安全保険を市教委が一括加入」「オンライン申請システムで参加受付」という事務基盤の整備が大きな差別化要因です。多種目(24種目)・多チーム(剣道4・陸上2・バレー6・軟式野球3)という規模を一元管理できているのは、こうしたバックオフィスの仕組み化があってこそ。文化芸術活動も11種目(美術6校・吹奏楽5校)を運動部と同様に整備しており、「文化部の地域展開は後回し」になりがちな他自治体への参考事例となります。
📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策
射水市モデルを採用する際の最大のハードルは「市教委の業務量増加」です。多種目・多チームを市教委生涯学習・スポーツ課で一元管理するには、オンライン申請システム導入や保険一括加入の予算確保が前提となります。中規模都市(人口5〜10万人)では生涯学習・スポーツ課に専任スタッフを配置する設計が現実的です。安全保険一括加入は実施団体側のハードルを大きく下げるため、市教委が予算化する効果は大きく、初期投資として優先度を高めるべき施策といえます。
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