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全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 三重県

【事例】三重県津市の部活動地域展開 ─ 総合型クラブ「あのうスポーツクラブ」の経ヶ峰クラブプロジェクトが安濃地域で拓く新たな地域移行モデル

公開:2026.04.28 更新:2026.04.28
この記事でわかること

・NPO法人「あのうスポーツクラブ」が津市安濃地域で進める「経ヶ峰クラブプロジェクト」の概要
・市議会での議論を通じた行政支援強化への働きかけというボトムアップ型の政策化プロセス
・三重県のスタートアップ補助事業との連携と「NPO主導型」地域移行モデルの可能性

自治体名 三重県津市
人口規模 約27万8千人(令和5年国勢調査)
中学校数 約20校(市立)
運営形態 総合型地域スポーツクラブ「あのうスポーツクラブ」主導型
対象競技 全種目(安濃地域を中心に展開)
保護者負担額 調査時点で未公表

取り組みの概要

津市では三重県が令和4年12月に策定した「三重県部活動ガイドラインおよび新たな地域クラブ活動方針」を踏まえ、地域の総合型スポーツクラブを軸とした部活動地域展開を進めています。特定非営利活動法人「あのうスポーツクラブ」は市内安濃地域を中心に「経ヶ峰クラブプロジェクト」を立ち上げ、地域の中学生が学校の枠を超えて活動できる場の整備に取り組んでいます。同クラブの取り組みは津市議会でも取り上げられており、地域主導による部活動地域展開の先進事例として注目されています。

特徴的な取り組み

  • NPO主導の「経ヶ峰クラブプロジェクト」: 地域に根ざしたNPO法人「あのうスポーツクラブ」が主体となり、地域の自然環境(経ヶ峰周辺)を活用したアウトドア・体験型の活動プログラムを企画・運営。行政主導でない「草の根型」の地域移行モデルとして機能。
  • 市議会での議論を通じた政策化: 地域クラブの取り組みが津市議会の一般質問で取り上げられることで、行政の支援拡充に向けた政策議論が促進。現場の取り組みが制度化につながるボトムアップのプロセス。
  • 三重県ガイドラインとの連携: 令和4年12月策定の「三重県部活動ガイドラインおよび新たな地域クラブ活動方針」を踏まえた取り組みで、県の方針との整合性を保ちながら地域固有の実情に対応。

課題と解決策

課題 解決策
NPO主導では財源・指導者確保が不安定 市議会での議論を通じて行政の支援制度整備を働きかけ、NPOと行政の協働体制を段階的に強化
安濃地域に限定された展開(市全体への普及) 経ヶ峰クラブプロジェクトを「モデル地区」として位置づけ、成果を他地域に横展開する計画を策定中
三重県内での市町間の進捗格差 三重県が令和7年度に「部活動地域移行スタートアップ補助事業」を設け、津市を含む市町の取り組みを財政支援

成果・効果

あのうスポーツクラブの「経ヶ峰クラブプロジェクト」は地域の自然資源を活用した独自の活動プログラムとして始動しており、地域住民・学校・行政をつなぐ架け橋としての機能を果たしています。津市議会での議論によって行政の関心が高まり、三重県の補助制度との連携も視野に入れた本格展開の準備が整いつつあります。三重県が令和7年度に設置した「スタートアップ補助事業」は伊勢市・桑名市等が先行して活用しており、津市も今後の活用が期待されています。

出典

→ 原文: 三重県|中学校部活動の地域連携・地域移行(三重県公式ホームページ)

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

「あのうスポーツクラブ」の取り組みが示す「NPO主導の地域移行」というモデルは、行政主導型とは異なる強みを持っています。NPOは地域コミュニティとの接続が強く、住民の自発的な参加を引き出しやすい特徴があります。また、経ヶ峰という地域固有の自然資源を活動の場として活用することで、他の地域では実現できない独自の体験価値を提供できる点も大きな強みです。

一方、NPO主導モデルの持続可能性は組織の財政力と人材力に依存します。「市議会での議論→行政の支援強化」というボトムアップのプロセスは時間がかかりますが、行政が正式に支援する体制が整えば、このモデルは他の自治体でも再現可能な「地域密着型NPO活用モデル」として普及する潜在力があります。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

津市のモデルを参考に「地域のNPOを活用した部活動地域展開」を進める場合、まず「対象NPOの財務・運営能力の評価」から始めることが重要です。スポーツへの熱意だけでなく、助成金申請・会計管理・広報・子どもの安全管理といった運営能力が求められます。行政は伴走型の支援(専門家派遣・補助金・施設の優先提供)を行い、NPOの能力向上を同時に支援することが、モデルを持続可能にする鍵です。三重県のスタートアップ補助事業のような「立ち上げ期の財政支援制度」の存在が、地域移行を推進する大きな後押しになります。