トップ 事例を探す 三重県 【事例】三重県津市の部活動地域展開 ─ 総合型クラブ「あのうスポーツクラブ」の経ヶ峰クラブプロジェクトが安濃地域で拓く新たな地域移行モデル
全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 三重県

【事例】三重県津市の部活動地域展開 ─ 総合型クラブ「あのうスポーツクラブ」の経ヶ峰クラブプロジェクトが安濃地域で拓く新たな地域移行モデル

公開:2026.04.28 更新:2026.05.17
この記事でわかること

・NPO法人が地域固有の自然資源を活かした体験型プログラムで活動の場を整備
・市議会での議論が行政支援強化につながるボトムアップ型の政策化プロセスを採用
・県のスタートアップ補助との連携でNPO主導モデルの財政的な持続性を模索

自治体名 三重県津市
人口規模 約27万8千人(令和5年国勢調査)
中学校数 約20校(市立)
運営形態 総合型地域スポーツクラブ「あのうスポーツクラブ」主導型
対象競技 全種目(安濃地域を中心に展開)
保護者負担額 調査時点で未公表

取り組みの概要

津市では三重県が令和4年12月に策定した「三重県部活動ガイドラインおよび新たな地域クラブ活動方針」を踏まえ、地域の総合型スポーツクラブを軸とした部活動地域展開を進めています。特定非営利活動法人「あのうスポーツクラブ」は市内安濃地域を中心に「経ヶ峰クラブプロジェクト」を立ち上げ、地域の中学生が学校の枠を超えて活動できる場の整備に取り組んでいます。同クラブの取り組みは津市議会でも取り上げられており、地域主導による部活動地域展開の先進事例として注目されています。

特徴的な取り組み

  • NPO主導の「経ヶ峰クラブプロジェクト」: 地域に根ざしたNPO法人「あのうスポーツクラブ」が主体となり、地域の自然環境(経ヶ峰周辺)を活用したアウトドア・体験型の活動プログラムを企画・運営。行政主導でない「草の根型」の地域移行モデルとして機能。
  • 市議会での議論を通じた政策化: 地域クラブの取り組みが津市議会の一般質問で取り上げられることで、行政の支援拡充に向けた政策議論が促進。現場の取り組みが制度化につながるボトムアップのプロセス。
  • 三重県ガイドラインとの連携: 令和4年12月策定の「三重県部活動ガイドラインおよび新たな地域クラブ活動方針」を踏まえた取り組みで、県の方針との整合性を保ちながら地域固有の実情に対応。

課題と解決策

課題 解決策
NPO主導では財源・指導者確保が不安定 市議会での議論を通じて行政の支援制度整備を働きかけ、NPOと行政の協働体制を段階的に強化
安濃地域に限定された展開(市全体への普及) 経ヶ峰クラブプロジェクトを「モデル地区」として位置づけ、成果を他地域に横展開する計画を策定中
三重県内での市町間の進捗格差 三重県が令和7年度に「部活動地域移行スタートアップ補助事業」を設け、津市を含む市町の取り組みを財政支援

成果・効果

あのうスポーツクラブの「経ヶ峰クラブプロジェクト」は地域の自然資源を活用した独自の活動プログラムとして始動しており、地域住民・学校・行政をつなぐ架け橋としての機能を果たしています。津市議会での議論によって行政の関心が高まり、三重県の補助制度との連携も視野に入れた本格展開の準備が整いつつあります。三重県が令和7年度に設置した「スタートアップ補助事業」は伊勢市・桑名市等が先行して活用しており、津市も今後の活用が期待されています。

出典

→ 原文: 三重県|中学校部活動の地域連携・地域移行(三重県公式ホームページ)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

津市の取り組みでは、特定非営利活動法人「あのうスポーツクラブ」が主体となり、市内安濃地域で「経ヶ峰クラブプロジェクト」を立ち上げた。行政主導ではなく、地域に根ざしたNPOが経ヶ峰周辺の自然環境を活用したアウトドア・体験型の活動プログラムを企画・運営し、学校の枠を超えた活動の場を整備している。三重県が令和4年12月に策定したガイドラインとの整合性を保ちながら、地域固有の実情に応じた「草の根型」の地域移行モデルを実現している点が特徴的であり、この取り組みは津市議会の一般質問でも取り上げられ、地域主導による部活動地域展開の先進事例として注目されている。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

この取り組みでは、NPO主導ならではの財源・指導者確保の不安定さという課題に対し、市議会での議論を通じて行政の支援拡充を働きかけるボトムアップのプロセスを採用している。現場の取り組みが政策化につながるこのプロセスは時間を要するが、三重県が令和7年度に設けた「部活動地域移行スタートアップ補助事業」との連携も視野に入れた本格展開の準備が整いつつある。また、安濃地域を「モデル地区」として位置づけ、成果を市内他地域へ横展開する計画も策定中であり、NPOと行政の協働体制を段階的に強化する方針が示されている。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

津市のモデルを参考にNPOを活用した地域移行を進める場合、対象NPOの財務・運営能力の評価が出発点となる。行政による補助金・施設の優先提供・専門家派遣といった伴走型支援を通じてNPOの組織力を同時に高めることが、モデルの持続可能性を左右する。三重県のスタートアップ補助事業のような立ち上げ期の財政支援制度の存在が、地域移行を加速させる重要な条件である。

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