トップ 事例を探す 秋田県 【事例】秋田県潟上市の部活動地域展開 ─ 3中学校で合同練習型・保護者会型・地域クラブ型の3形態並行・令和11年完全移行
全種目 👥 1~5万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 秋田県

【事例】秋田県潟上市の部活動地域展開 ─ 3中学校で合同練習型・保護者会型・地域クラブ型の3形態並行・令和11年完全移行

公開:2026.05.13 更新:2026.05.13
この記事でわかること

・秋田県潟上市の地域移行で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点

自治体名 秋田県潟上市
人口規模 約3万人
中学校数 3校(公立中学校生徒数 約700人台と減少傾向)
運営形態 市教育委員会主導・3形態並行型(合同練習型/保護者会型/地域クラブ型)
対象競技 剣道・陸上競技から先行・順次拡大予定
保護者負担額 事例: 潟上陸上チーム年会費3,000円+都度500円/潟上剣道クラブは別途設定

取り組みの概要

秋田県潟上市は、令和5年度から中学校部活動地域移行へ向けた準備を開始し、令和5年9月に「潟上市中学校部活動地域移行推進計画」を策定。令和6年度から休日の部活動を段階的に移行し、令和11年の完全移行を目標に取組を進めています。市内3つの中学校を対象に、将来的には種目ごとに1つのクラブで活動できる体制を目指しています。

同市の特徴は、画一的な移行方式に縛らず「合同練習型」「保護者会型」「地域クラブ型」の3形態を並行で運用すること。種目・学校・地域の実情に応じて最適な形態を選択する柔軟設計を採用しています。

特徴的な取組

  • 3形態並行の柔軟設計:
    ①合同練習型(市内2校以上による合同練習。部活動指導員・外部指導者等による指導)
    ②保護者会型(保護者会の責任の下、外部指導者による指導)
    ③地域クラブ型(地域クラブでの活動に参加・今後立ち上げを検討)
    種目特性と関係者の体制に応じて選択できる。
  • 市剣道連盟発足による「潟上剣道クラブ」: 市剣道連盟が発足し、土曜日定期練習を実施。市内外の中学生を募集することで生徒数減少にも対応。
  • 「潟上陸上チーム(KAT)」の低廉な会費設計: 年会費3,000円+都度500円という参加しやすい料金設定。日曜午前の活動で平日学習・週末活動の両立を意識した時間設計。
  • R5.9に推進計画を早期策定: 令和5年9月という早い段階で「潟上市中学校部活動地域移行推進計画」を策定し、計画ベースで段階移行を進める明文化アプローチ。
  • 令和8年度以降の中体連大会参加: 地域クラブで活動する生徒も令和8年度以降は中体連主催大会への参加が予定されており、大会出場の連続性を担保。

課題と解決策

課題 解決策
市内3中学校という小規模で各校単独活動が困難な競技がある 合同練習型を選択肢に明示。市内2校以上での合同活動を可能化し、競技人口を確保
地域クラブ団体が十分に存在しない 「地域クラブ型」を3形態のひとつとして位置付け、立ち上げ検討を継続。剣道は市剣道連盟、陸上は陸上チームKATが先行立ち上げ
家庭の経済的負担 陸上チームKATは年会費3,000円+都度500円という低廉設定。種目団体が運営することで経費を最小化
大会出場機会の確保 令和8年度以降は中体連主催大会への地域クラブ参加を予定し、活動成果を披露する場を制度的に保証
移行スケジュールの中長期管理 令和5~7年度を改革推進期間と位置付け、令和11年の完全移行をゴールに段階的に進行

成果・効果

令和6年度には剣道・陸上競技の2種目で先行的に地域クラブを立ち上げ、土曜・日曜の定期活動を開始しました。市剣道連盟による潟上剣道クラブは市内外の中学生を募集し、競技人口の確保に貢献。潟上陸上チーム(KAT)は低廉な会費設定により参加のハードルを下げ、令和11年の完全移行に向けた具体的なモデルケースとなっています。

出典

→ 原文: 潟上市公式ホームページ「潟上市中学校部活動地域移行について」

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

潟上市の事例の核心は、「移行形態を1つに決め打ちしない」3形態並行型の設計です。多くの自治体が「総合型クラブ運営型」「民間委託型」など特定モデルに集約するなか、潟上市は合同練習型・保護者会型・地域クラブ型の3つを正式な選択肢として提示。種目特性や立ち上げ余力に応じて柔軟に選べる仕組みを作っています。

特に注目すべきは「保護者会型」の明確な位置付けです。多くの自治体では保護者会主導の活動が「正規ルート」として認められず曖昧な扱いになりがちですが、潟上市は3形態のひとつとして位置付け、保護者会が責任主体となる活動を制度内に取り込んでいます。これにより、地域クラブが立ち上がっていない種目でも、生徒の活動機会を途切れさせない実用的な設計となっています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

3中学校規模の小規模自治体では、競技人口の確保が最大の壁となります。潟上市のように「市剣道連盟」「陸上チームKAT」など競技団体や任意団体に運営を委ね、市内外の生徒を募集する設計が有効です。会費設計は「年会費+都度参加費」の二段構造にすると、参加頻度に応じた負担で済むため、家庭にも団体にも継続しやすい仕組みになります。中体連大会への参加可否は早めに整理し、生徒・保護者の不安を解消することが推進力を左右します。

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