トップ 事例を探す 秋田県 【事例】秋田県大館市の部活動地域展開 ─ スポーツ協会主導で5種目4校から始めるモデル移行
全種目 👥 5~10万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 秋田県

【事例】秋田県大館市の部活動地域展開 ─ スポーツ協会主導で5種目4校から始めるモデル移行

公開:2026.05.04 更新:2026.05.10
この記事でわかること

・スポーツ協会を運営主体として5種目を横断管理する一元的運営体制を構築
・大学准教授と元県中体連会長の退職校長が理論と実務の両面から総括コーディネートを担う
・県の広域指導者登録システムを活用し市外からも指導者を確保する二層構造モデル

自治体名 秋田県大館市
人口規模 約6.9万人(2020年国勢調査)
中学校数 8校
運営形態 大館市スポーツ協会(委託運営)
対象競技 柔道、水泳、陸上競技、男子卓球、男子バレーボール
保護者負担額 調査時点で未公表

取り組みの概要

秋田県の実証事業モデル地域3市町(能代市・大館市・羽後町)のひとつに選定された大館市は、令和5年度から休日部活動の地域移行に取り組んでいます。大館市スポーツ協会を運営主体として、市内8校のうち4校・5部活(柔道部・水泳部・陸上競技部・男子卓球部・男子バレーボール部)でモデル実施を開始しました。秋田県が整備した広域指導者登録システムを活用しながら、段階的な拡大を見据えた実証を進めています。

特徴的な取り組み

  • スポーツ協会による一元的運営: 大館市スポーツ協会が地域クラブとして機能し、5種目を横断的に管理・調整する体制を構築しました。
  • 複層的なコーディネーター体制: 総括コーディネーターとして大学准教授(研究・理論面)と元県中体連会長の退職校長(現場・行政面)の2名を配置し、理論と実務の両面から取り組みを支援しています。
  • 広域指導者登録システムの活用: 秋田県全体で整備した広域指導者登録システムに参加し、市外を含む広域から指導者を確保できる仕組みを取り入れています。
  • スモールスタート・段階拡大: 全8校中4校・5種目からパイロット実施を開始し、成果と課題を検証しながら他校・他種目への展開を図る慎重なアプローチを採用しています。

課題と解決策

課題 解決策
地方都市における指導者確保の困難 秋田県の広域指導者登録システムへの参加により、市外からも指導者を招聘できる広域的な確保体制を整備
運営ノウハウと現場経験の両立 大学准教授と元県中体連会長(退職校長)の2名体制で、研究知見と現場経験の双方を活かした実践的な運営支援を実現
全校・全種目への一斉展開リスク 4校・5種目からのモデル実施でノウハウを蓄積し、段階的に拡大することでリスクを分散

成果・効果

秋田県のモデル地域3市町のひとつとして、能代市・羽後町とともに先進的な実証を推進しています。スポーツ協会が組織的に地域移行を担う体制を構築したことで、学校の教員が休日に部活動を引率・指導する負担の軽減が期待されます。また、大学准教授によるコーディネート支援が入ることで、実証データの収集・分析が組織的に行われており、県全体への横展開に向けた知見の蓄積が進められています。

出典

→ 原文: スポーツ庁「令和5年度 学校部活動の地域連携・地域移行に関する実態調査(秋田県)」

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

大館市の取り組みの核心は、大館市スポーツ協会が5種目を横断的に管理する一元的運営体制にある。柔道・水泳・陸上競技・男子卓球・男子バレーボールという異なる競技を一つの組織が担うことで、競技団体ごとに対応が分断される縦割りの弊害を避けている。さらに、総括コーディネーターとして大学准教授(研究・理論面)と元県中体連会長の退職校長(現場・行政面)の2名体制を整えた。研究知見と現場経験の双方を同時に活用できるこの構成は、地域移行の初期段階で生じやすい理論と実務の乖離を縮める実践的な工夫である。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

大館市が直面した課題のひとつは、人口規模約6.9万人の地方都市における指導者確保の困難さである。大館市はこの課題に対し、秋田県全体で整備した広域指導者登録システムへの参加により、市外からも指導者を招聘できる体制を構築した。市単独での確保に依存せず県レベルのプラットフォームを活用するこの二層構造は、人口減少が進む地方都市に適した持続可能なモデルといえる。加えて、全8校のうち4校・5種目からモデル実施を開始する段階的拡大方針により、ノウハウの蓄積とリスク分散を同時に図っている。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

大館市モデルを参考にする際の鍵は、スポーツ協会が複数種目を一括して受け入れられる体制が整っているかどうかにある。既存の競技団体が縦割りで統合が難しい地域では、この受け皿機能の整備が先決となる。大学准教授との連携については、近隣に体育系・スポーツ科学系の大学が存在しない地域では代替策の検討が必要になる点も考慮しておきたい。

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