【事例】秋田県潟上市の部活動地域展開 ─ 3中学校で合同練習型・保護者会型・地域クラブ型の3形態並行・令和11年完全移行
この記事でわかること
・合同・保護者会・地域クラブの3形態を正式選択肢として並行運用する柔軟設計
・年会費3,000円+都度500円の二段構造で家庭負担を抑え参加ハードルを下げた
・令和5年9月計画策定で令和11年完全移行へ向けた段階移行を明文化した
| 自治体名 | 秋田県潟上市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約3万人 |
| 中学校数 | 3校(公立中学校生徒数 約700人台と減少傾向) |
| 運営形態 | 市教育委員会主導・3形態並行型(合同練習型/保護者会型/地域クラブ型) |
| 対象競技 | 剣道・陸上競技から先行・順次拡大予定 |
| 保護者負担額 | 事例: 潟上陸上チーム年会費3,000円+都度500円/潟上剣道クラブは別途設定 |
取り組みの概要
秋田県潟上市は、令和5年度から中学校部活動地域移行へ向けた準備を開始し、令和5年9月に「潟上市中学校部活動地域移行推進計画」を策定。令和6年度から休日の部活動を段階的に移行し、令和11年の完全移行を目標に取組を進めています。市内3つの中学校を対象に、将来的には種目ごとに1つのクラブで活動できる体制を目指しています。
同市の特徴は、画一的な移行方式に縛らず「合同練習型」「保護者会型」「地域クラブ型」の3形態を並行で運用すること。種目・学校・地域の実情に応じて最適な形態を選択する柔軟設計を採用しています。
特徴的な取組
- 3形態並行の柔軟設計:
①合同練習型(市内2校以上による合同練習。部活動指導員・外部指導者等による指導)
②保護者会型(保護者会の責任の下、外部指導者による指導)
③地域クラブ型(地域クラブでの活動に参加・今後立ち上げを検討)
種目特性と関係者の体制に応じて選択できる。 - 市剣道連盟発足による「潟上剣道クラブ」: 市剣道連盟が発足し、土曜日定期練習を実施。市内外の中学生を募集することで生徒数減少にも対応。
- 「潟上陸上チーム(KAT)」の低廉な会費設計: 年会費3,000円+都度500円という参加しやすい料金設定。日曜午前の活動で平日学習・週末活動の両立を意識した時間設計。
- R5.9に推進計画を早期策定: 令和5年9月という早い段階で「潟上市中学校部活動地域移行推進計画」を策定し、計画ベースで段階移行を進める明文化アプローチ。
- 令和8年度以降の中体連大会参加: 地域クラブで活動する生徒も令和8年度以降は中体連主催大会への参加が予定されており、大会出場の連続性を担保。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 市内3中学校という小規模で各校単独活動が困難な競技がある | 合同練習型を選択肢に明示。市内2校以上での合同活動を可能化し、競技人口を確保 |
| 地域クラブ団体が十分に存在しない | 「地域クラブ型」を3形態のひとつとして位置付け、立ち上げ検討を継続。剣道は市剣道連盟、陸上は陸上チームKATが先行立ち上げ |
| 家庭の経済的負担 | 陸上チームKATは年会費3,000円+都度500円という低廉設定。種目団体が運営することで経費を最小化 |
| 大会出場機会の確保 | 令和8年度以降は中体連主催大会への地域クラブ参加を予定し、活動成果を披露する場を制度的に保証 |
| 移行スケジュールの中長期管理 | 令和5~7年度を改革推進期間と位置付け、令和11年の完全移行をゴールに段階的に進行 |
成果・効果
令和6年度には剣道・陸上競技の2種目で先行的に地域クラブを立ち上げ、土曜・日曜の定期活動を開始しました。市剣道連盟による潟上剣道クラブは市内外の中学生を募集し、競技人口の確保に貢献。潟上陸上チーム(KAT)は低廉な会費設定により参加のハードルを下げ、令和11年の完全移行に向けた具体的なモデルケースとなっています。
出典
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