トップ 事例を探す 岐阜県 【事例】岐阜県白川町の部活動地域展開 ─ 人口7千人の山間町が「スポーツリンク白川」でスクールバス移動支援まで整備
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【事例】岐阜県白川町の部活動地域展開 ─ 人口7千人の山間町が「スポーツリンク白川」でスクールバス移動支援まで整備

公開:2026.05.03 更新:2026.05.19
この記事でわかること

・平成29年設立の一般社団法人による7年超の運営実績が早期体制整備を支えている
・佐見地区スポーツリンクバスの運行で山間部の生徒の移動課題を解消している
・川辺中学校との合同チーム編成により単独町では困難な野球の大会参加を実現

自治体名 岐阜県白川町
人口規模 約6,900人(6,927人・令和6年12月1日現在)
中学校数 2校(生徒数137名:白川中106名・黒川中29名)
運営形態 一般社団法人スポーツリンク白川(平成29年設立)
対象競技 野球(軟式)、バスケットボール、バレーボール、剣道、ソフトボール、吹奏楽(7クラブ)
保護者負担額 スポーツリンク年会費(中学生)1,000円+各クラブ30,000〜36,000円程度/年

取り組みの概要

白川町は岐阜県中北部の山間地に位置する人口約6,900人の小さな町です。公立中学校は白川中学校(106名)と黒川中学校(29名)の2校があり、合計137名の生徒が在籍しています(令和6年12月現在)。部活動数は11部活ですが、少子化による部員減少と指導者不足が深刻な課題となっており、令和11年度には黒川中学校を白川中学校に統合する計画が進んでいます。

こうした課題に対し、白川町では平成29年(2017年)3月に「一般社団法人スポーツリンク白川」を設立。学校部活動と連携した地域クラブ活動の運営主体として7年以上の実績を積んできました。令和5年度から段階的移行を進め、令和9年度からは平日・休日ともに地域クラブとして完全実施する計画で取り組んでいます。

令和6年度現在、野球・男子バスケット・女子バレーボール・男子剣道・吹奏楽の5部活移行クラブと、男子バレーボール(NEXUS)・女子ソフトボール(BLAZE)の2新設クラブ合わせて7クラブが活動。指導者20名・運営スタッフ(各クラブ保護者代表)7名体制で、スポーツリンク白川が活動時間・場所・連絡・指導者確保等を一元管理しています。

特徴的な取り組み

  • 平成29年からの早期法人設立による7年間の実績:全国的に地域移行議論が本格化する前の平成29年にスポーツリンク白川を設立。7年以上の運営経験により、学校・保護者・指導者との信頼関係と調整ノウハウが蓄積されています。令和11年度の中学統合を見越した体制整備も先行して進めることができています。
  • 「佐見地区スポーツリンクバス」による移動問題の解決:山間地域特有の移動手段不足に対し、令和6年4月から佐見地区にスポーツリンク専用バスを運行。保護者送迎か町が運行するバスを活用することで、山間部の生徒も活動場所に参加できる環境を整備しました。
  • 他校合同チームによる大会参加の実現:白川町のみでは選手が集まらない野球チームについて、コーディネーターが隣接校(川辺中学校)との合同チームを調整。単独自治体では成立しない大会参加を広域連携で解決しています。
  • 令和11年の中学統合を見越した「新しい学校づくり検討委員会」との連携:令和6年11月の検討委員会(第11回)で、黒川中統合後の部活動・地域クラブのあり方を先行して検討。統合後も生徒の活動環境が維持されるよう体制整備を進めています。

課題と解決策

課題 解決策
単独校・単独自治体では大会に出場できない種目(野球等)の存続 コーディネーターが川辺中学校との合同チームを調整し、白川・川辺合同チームとして大会参加を実現
山間地域での生徒の移動手段が不足 令和6年4月から佐見地区でスポーツリンクバスを運行開始。保護者送迎との組み合わせで移動問題を解消
令和11年度の黒川中統合後の体制変化への対応 「新しい学校づくり検討委員会」で統合後の部活動・地域クラブのあり方を先行検討。ロードマップを整備中
クラブガイドライン・謝金基準・財源確保が未整備 令和7年度予算要求を令和6年12月に実施。スポーツリンク白川の体制強化と財源確保を行政と協議中

成果・効果

令和6年度は7クラブが活動し、白川中学校では野球・男子バスケット・女子バレー・剣道・男子バレーNEXUS・女子ソフトボールBLAZEの各クラブに生徒が参加。指導者20名体制で平日週2回(夜間)・休日週1回(日中)の活動を実施しています。

令和6年7月に開催した部活動地域移行推進会議ワークショップ(29名参加)では「子どもたちのスポーツ環境のあり方」について活発な意見交換が行われ、その成果が11月の学校づくり検討委員会での議論に繋がりました。人口7,000人を下回る山間小規模町で、令和9年度の完全移行に向けた段階的な体制整備が着実に進んでいます。

出典

→ 原文: 令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 実証事業報告書(岐阜県白川町)|スポーツ庁

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

白川町は人口約6,900人の山間町でありながら、平成29年3月という早い時期に一般社団法人スポーツリンク白川を設立し、7年以上にわたり地域クラブ活動を運営してきました。全国的に部活動地域移行の議論が本格化したのは令和3〜4年以降であり、その約5年前から準備を進めてきた点が大きな特徴です。この早期着手によって学校・保護者・指導者との信頼関係と調整ノウハウが蓄積され、令和9年度の完全移行と令和11年度の白川町での中学統合を見据えた段階的な体制整備が可能となっています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

この取り組みでは、令和6年4月から佐見地区にスポーツリンク専用バスを運行し、山間部の生徒も活動場所まで移動できる環境を整えました。山間地域では公共交通機関が乏しく、保護者送迎だけでは活動参加率が大きく制約されるため、町のバスを地域クラブ活動に活用するという発想が解決策となっています。さらに白川町のみでは選手が集まらない野球については、コーディネーターが川辺中学校との合同チームを調整し、単独自治体では成立しない大会参加を広域連携で実現しました。移動と人数という小規模町特有の二つの課題に、それぞれ具体的な仕組みで応えている点が注目されます。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

白川町モデルの導入には、一般社団法人という比較的軽量な法人形態の活用が鍵となります。年会費1,000円と各クラブ30,000〜36,000円程度という保護者負担は決して小さくないため、低所得家庭への補助制度との組み合わせが重要です。移動問題については、既存のスクールバスやコミュニティバスの時間外活用を教育委員会と交通担当部局が連携して検討することで、低コストで効果的な解決策となります。

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