トップ 事例を探す 山口県 【事例】山口県山口市の部活動地域展開 ─ 専門推進室と会費収納管理システムで令和8年9月全市移行
全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 山口県

【事例】山口県山口市の部活動地域展開 ─ 専門推進室と会費収納管理システムで令和8年9月全市移行

公開:2026.04.29 更新:2026.05.02
この記事でわかること

・市が地域クラブを直接設置・運営する「直営型」を採用し、受託先確保が難しい種目でも活動機会を保障
・専任の「部活動地域移行推進室」が学校・教育委員会・スポーツ部門を横断して一元推進する体制を構築
・会費収納管理システムを移行前にプロポーザルで調達し、複数クラブの実務基盤をDXで先行整備

自治体名 山口県山口市
人口規模 約193,000人(令和5年時点)
中学校数 複数校(市立中学校が対象)
運営形態 市主導型(市が地域クラブを設置・運営する直営型)
対象競技 スポーツ・文化芸術活動全般
保護者負担額 不明(調査時点で未公表)

取り組みの概要

山口県山口市は、令和6年4月1日に「山口市中学校部活動の地域クラブ活動への移行に関する推進方針」を策定し、専門組織として「部活動地域移行推進室」を設置しました。「すべての生徒が、さまざまなスポーツ・文化芸術活動に親しめる環境を整える」ことを基本目標に掲げ、市が地域クラブを設置・運営する形で令和8年(2026年)9月の地域クラブ活動開始を目指しています。推進協議会を複数回開催(令和7年6月・8月に第5・6回開催)して関係者との合意形成を進めながら、会費収納管理システムの導入(公募型プロポーザルを実施済み)など実務基盤の整備も並行して進めています。

特徴的な取り組み

  • 「部活動地域移行推進室」という専門組織の設置: 部活動の地域移行を専任で担う「部活動地域移行推進室」を市に設置。縦割りの弊害を避け、学校・教育委員会・スポーツ担当課を横断して一元的に推進する体制を確立しました。
  • 市が地域クラブを直接設置・運営する「直営型」: 多くの自治体が民間団体・スポーツ協会への委託を選択する中、山口市は「市が地域クラブを設置・運営する」直営型モデルを採用。行政がクラブの品質管理と持続性を直接担保する体制を構築しています。
  • 会費収納管理システムの専用導入: 市が各地域クラブの管理業務を統括的に行う「運営本部」において会費収納事務を担うための専用システムを公募型プロポーザルで選定・導入。職員の業務負担軽減と会員(保護者)の利便性向上を両立するDX投資を実施しています。
  • 推進協議会の継続開催による合意形成: 令和6年度から令和7年度にかけて計6回の推進協議会を開催。学校・保護者・地域スポーツ団体など多様な関係者の意見を継続的に反映させながら計画を精緻化しています。

課題と解決策

課題 解決策
部活動地域移行という縦割りをまたぐ複雑な業務の一元的推進 専門の「部活動地域移行推進室」を設置し、学校・教育委員会・スポーツ部門を横断した一元管理体制を構築
複数クラブの会費収納・管理に係る事務負担の増大 専用の会費収納管理システムを公募型プロポーザルで調達・導入し、DXで業務効率化
令和8年9月という具体的な期限に向けた合意形成の時間確保 令和6年4月の推進方針策定から1年以上かけて6回の協議会を開催し、段階的な合意形成を実施

成果・効果

令和6年4月の推進方針策定以来、専門推進室が中心となって6回の推進協議会を開催し、関係者との合意形成が着実に進んでいます。会費収納管理システムの選定・導入も完了しており、令和8年9月のスムーズな地域クラブ開始に向けた実務基盤が整いつつあります。市が直接設置・運営する直営型モデルを採用することで、地域団体への委託が難しい種目や地域でも一定の活動機会を確保できる体制の構築が期待されています。

出典

→ 原文: 山口市「部活動地域移行推進室」公式ページ

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

山口市は令和6年4月1日に「山口市中学校部活動の地域クラブ活動への移行に関する推進方針」を策定し、学校・教育委員会・スポーツ担当課を横断して一元推進する専門組織「部活動地域移行推進室」を設置しました。この取り組みで際立つのは、市が地域クラブを直接設置・運営する「直営型」モデルの採用です。多くの自治体がスポーツ協会や民間事業者への委託を選択する中、山口市は行政が直接責任を担うことで、受託先を確保しにくい種目・地域でも活動機会を保障できる体制を構築しています。令和6年度から令和7年度にかけて計6回の推進協議会を開催し、保護者・学校・地域スポーツ団体など多様な関係者との段階的な合意形成を進めながら、令和8年9月の地域クラブ活動開始を目指しています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

直営型モデルの先例として、茨城県神栖市も市が直接クラブを設置・運営するアプローチをとっており、全国でも数少ない事例の一つです。専門推進組織の設置という点では、新潟県長岡市山形県山形市でも同様の体制整備が進んでおり、縦割りの弊害を横断組織で解消するアプローチは複数の自治体に共通します。会費収納管理システムの移行前整備は、地域クラブ活動が本格化すると複数クラブ・複数種目の会費徴収や未納管理が大量発生するため、実務負荷を軽減する先行的な取り組みとして位置づけられます。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

この取り組みで特に着目すべき点は、地域クラブ活動の開始前に会費収納管理システムを公募型プロポーザルで調達・整備したことです。複数クラブ・複数種目の会費徴収・未納管理・指導者謝金精算は移行後に大量発生する実務であり、これを人力で対応すると運営担当者の疲弊につながります。山口市はこの業務基盤を移行前に整備する設計を選択しており、実務面の先行事例として注目されます。直営型モデルの長期的な持続に向け、会費水準の設定と財源の多様化も今後の課題となります。

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