【事例】北海道留萌市の部活動地域展開 ─ スポーツ協会職員コーディネーターで学校連携を円滑化
この記事でわかること
・市スポーツ協会職員を学校区専属コーディネーターとして配置し、部活動顧問との密な連絡調整で現場レベルの課題を解消した。
・参加費を設けず保険料のみの負担とすることで、地域移行初期段階における参加のハードルを下げ、合意形成を優先した。
・令和5年度の3種目スモールスタートから令和6年度の7種目拡大へ、実績を積みながら段階的に対象競技を広げている。
| 自治体名 | 北海道留萌市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約1万9千人(令和5年度時点) |
| 中学校数 | 2校(留萌中学校・港南中学校、生徒数365人) |
| 運営形態 | 市から業務委託を受けたNPO法人留萌スポーツ協会 |
| 対象競技 | バレーボール・陸上競技・卓球(令和5年度実施、令和6年度以降7種目に拡大予定) |
| 保護者負担額 | 参加費徴収なし(保険料のみ:生徒800円/年、保護者1,850円/年) |
取り組みの概要
北海道留萌市は人口約1万9千人の小規模市であり、地域クラブ活動への移行に向けて参加生徒と指導者人材の両方を確保することが大きな課題となっていました。令和4年度に生徒・保護者・教員に対するアンケートを実施し、部活動の在り方検討委員会を設置。令和5年度には市の広報やHPで情報発信を行いながら、NPO法人留萌スポーツ協会に業務委託契約を締結し、バレーボール・陸上競技・卓球の3種目で地域移行の活動を開始しました。参加費は徴収せず、保険料のみの負担とすることで経済的なハードルを取り除きました。令和6年度は7種目への拡大を予定しています。
特徴的な取り組み
- 中学校区ごとのコーディネーター配置:市スポーツ協会の職員を総括コーディネーターに加え、中学校区専属のコーディネーターとしても配置。留萌中学校区と港南中学校区それぞれに専属コーディネーターを置き、各学校の部活動顧問との連絡調整や会場確保をきめ細かく実施しました。
- NPO法人による運営主体の確立:NPO法人留萌スポーツ協会が運営主体として指導者への報酬支払い・練習場所確保・学校や保護者との連絡調整・スポーツ安全保険の加入を一括して担い、行政の事務負担を軽減しました。
- 参加費無料モデルの採用:参加費を徴収せず保険料のみとすることで、経済的困難世帯を含む全ての生徒が参加しやすい環境を整備しました。指導者謝金は時給1,600円で設定しています。
- 広域連携の視野:隣接自治体でも同様の課題を抱えているため、市外の団体との連携も視野に入れ、令和8年度以降の地域移行に向けた広域連携体制の構築も検討しています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 小規模市での参加生徒・指導者人材の確保 | 市スポーツ協会職員をコーディネーターに登用し、各中学校の部活顧問との密な情報共有で解決 |
| 団体競技の合同チーム組成の困難 | 近隣の町村との合同チームを編成(令和6年度は野球・サッカー等で既に実施済み) |
| 地域移行の活動が不足している種目 | 種目別の関係機関との会議を実施し、各種目の課題に応じた地域移行を段階的に推進 |
成果・効果
中学校ごとにコーディネーターを配置することで、スポーツ協会と学校間の密な連携が可能となり、協議や調整がスムーズに行われるようになりました。地域クラブ活動として1か月あたり平均3回の活動を実施し、各活動1回あたり約10名の生徒が参加しています。市外の団体との連携も視野に、令和8年度以降の地域移行に向けた取り組みを着実に進めています。参加費無料という設計により経済的困難世帯の生徒も参加しやすく、スポーツ機会の均等化にも貢献しています。
出典
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