トップ 事例を探す 静岡県 【事例】静岡県掛川市の部活動地域展開 ─ 公認地域クラブ制度と「地域クラブサポートセンター」で49クラブ・スポーツ14種目+文化15分野に拡大
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【事例】静岡県掛川市の部活動地域展開 ─ 公認地域クラブ制度と「地域クラブサポートセンター」で49クラブ・スポーツ14種目+文化15分野に拡大

公開:2026.05.03 更新:2026.05.03
この記事でわかること

・掛川市が令和5年度から導入した「公認地域クラブ」制度により49クラブ・スポーツ14種目+文化15分野が誕生するまでの経緯
・地域クラブサポートセンターを拠点に相談・会場調整・広報・研修を一括支援する行政体制の設計
・部活にない女子野球・将棋・農業などの種目創設事例と令和8年夏頃の平日・休日完全移行への道筋

自治体名 静岡県掛川市
人口規模 約11.5万人(114,635人)
中学校数 9校(生徒数3,205人)
運営形態 掛川市教育委員会(公認制度)+掛川市スポーツ協会(NPO法人・管理運営委託)
対象競技・活動 スポーツ14種目・文化芸術15分野(計49クラブ)
保護者負担額 クラブにより異なる(会費無料のクラブもあり)

取り組みの概要

静岡県掛川市は人口約11.5万人、公立中学校9校に3,205名の生徒が在籍し、97部活が活動しています(令和6年度)。令和8年夏頃までに平日と休日の全部活動を地域クラブ活動として展開することを目標に掲げ、「多様な選択肢の拡大」を核心的な課題として取り組んでいます。

令和3年度に子どもたちへのニーズ調査を実施し、部活動にない種目への参加や気軽にスポーツに親しめる環境を確認。令和4・5年度に教育委員会が地域クラブを「公認地域クラブ」として認定する制度を開始し、バドミントンやエアロビックダンス、空手道などの地域クラブが次々と認定を受けて活動を開始しました。

令和6年度には教育委員会事務局内に「地域クラブサポートセンター」を設置し、地域クラブの創設や会場確保の相談を受け付ける窓口を整備。女子野球やハンドボール、将棋、農業など、これまでの部活動にはなかった種目・分野の地域クラブが次々と誕生し、令和7年4月現在で公認地域クラブは49クラブに達しています。

特徴的な取り組み

  • 「公認地域クラブ」認定制度でスポーツ14種目+文化15分野・計49クラブを実現:掛川市教育委員会が地域クラブを公認する制度を設けることで、市内の部活動にはない種目の地域クラブ創設を促進。スポーツ種目に限らず文化芸術活動(将棋・農業等)も対象とし、子どもの多様なニーズに応える選択肢を部活動の枠を超えて大幅に拡大しました。令和7年4月現在、1,000人以上の小中学生・高校生・大学生・一般が参加しています。
  • 「地域クラブサポートセンター」による創設支援と広報・研修:令和6年度に教育委員会事務局内にサポートセンターを設置し、クラブ創設相談・会場調整・広報(子ども向け・保護者向けチラシ作成・HPへの掲載)・指導者研修(コーチデベロッパー派遣研修・公認地域クラブ代表者連絡会)の3機能を一括提供。令和6年度の安全講習会受講者は61名にのぼり、指導者の安全管理能力を組織的に向上させています。
  • 部活にないサッカー・女子野球クラブ創設による「ゼロからのニーズ発掘」:学校にサッカー部がない中学生を対象に、掛川市スポーツ協会及びスポーツ少年団が地域クラブとして活動を開始。女子野球については市内全校に軟式野球部があるものの女子選手が男子選手と共に活動している状況を解消するため、地域の有志が女子野球の地域クラブを設立し、近隣市町からも参加者が集まるクラブに成長しました。
  • 令和8年夏頃の平日・休日完全移行に向け約30クラブの創設準備:令和7年4月現在、掛川市スポーツ協会が軟式野球や卓球など部活動に参加する生徒が移籍できる約30クラブの創設準備を進めており、公認済みの49クラブと合わせて90以上の地域クラブ活動が展開される予定です。

課題と解決策

課題 解決策
部活動の枠にとらわれない多様なスポーツ・文化活動環境の構築 「公認地域クラブ」認定制度を設けて市民による自発的な地域クラブ創設を促進。認定要件として安全・安心な運営(複数スタッフ・保険加入等)を確認することで質を担保しつつ、多様な活動への参加機会を大幅に拡大
公認地域クラブ数の増加により学校体育施設の会場調整が困難化 地域クラブサポートセンターが施設担当に優先度を検討して調整。学校外施設の有効活用も推進し、効率的な施設利用を模索中
地域クラブの創設にチャレンジする市民への支援と持続的な安全・安心な運営 サポートセンターを窓口に行政や学校と協力しながら伴走支援。会費を無料で実施しようとする代表者には指導者への適切な報酬と安全な活動体制の構築のために受益者負担を含む持続的な収支計画を検討するよう働きかけ
多世代参加を想定した認定要件の設計 中学生だけでなく小学生・高校生・大学生も参加する卒業という概念のない多世代型の地域クラブとして設計。大学生が小・中学生の指導に関わり、多世代ならではの魅力が生まれる仕組みを構築

成果・効果

令和7年4月現在、公認地域クラブはスポーツ14種目・文化15分野の計49クラブに達し、1,000人以上の小中学生・高校生・大学生・一般が参加しています。令和7年4月時点で350人以上の指導者や運営スタッフが地域クラブ活動に参画しており、市民による地域スポーツ・文化環境の担い手として機能しています。

部活動の認定制度を通じて、これまで部活動になかった種目・分野のクラブが創設されるなど、子どもたちの選択肢が大きく広がりました。エアロビックダンス・バドミントン・空手道のように週1回から気軽にスポーツに親しめる「エンジョイ型」の地域クラブも誕生し、勝利志向の部活動とは異なる参加形態を求めていた生徒の需要を取り込んでいます。

出典

→ 原文: 令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 事例集|スポーツ庁・文部科学省

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

掛川市の「公認地域クラブ」制度の最大の特徴は、「行政が公認する」という仕組みによって市民の自発的な地域クラブ創設を促進している点です。多くの自治体が「どう指導者を集めるか」「どう運営体制を整えるか」という行政主導の視点で動くのに対し、掛川市は「認定要件を明確にして基準を公開することで、市民・団体が自発的にチャレンジしやすい環境を整える」という側面を重視しています。その結果、行政が直接企画・運営しなくても49クラブ・1,000人以上の参加という規模が実現しています。

「文化芸術15分野」を含む点も注目です。部活動の地域移行というと「スポーツ系の移行」を思い浮かべがちですが、掛川市は将棋・農業・文化活動も含めた包括的な地域クラブ活動の場として設計しています。吹奏楽・美術・演劇などの文化部系の活動を地域クラブとして位置づけることで、スポーツに限らず幅広い子どもたちの活動機会を守ることができます。文化系部活動への対応に悩む自治体にとって、掛川市の「文化芸術も含めた一体設計」は参考になります。

「地域クラブサポートセンター」という窓口の一本化も重要な設計です。地域クラブを創設したい市民が「どこに相談すればいいかわからない」という状況を解消し、会場調整・広報・研修まで一括支援することで、クラブ創設のハードルを大幅に下げています。他自治体でも教育委員会の一部署にサポート機能を集約することで、同様の効果が期待できます。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

掛川型の最大のハードルは「公認制度を運用する行政側の審査・サポート体制の整備」です。49クラブの申請と認定を処理し、会場調整や研修まで担うサポートセンターには一定の人員と予算が必要です。クラブ数が増えるほど会場の奪い合いも発生するため、学校施設だけでなく公民館・社会体育施設・大学施設なども含めた施設台帳の整備が必要になります。また、「会費無料で活動したい」という代表者への財源設計の指導・助言も継続的な課題です。持続可能な運営には受益者負担の考え方を丁寧に説明する必要があります。

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