トップ 事例を探す 徳島県 【事例】徳島県徳島市の部活動地域展開 ─ 18校5ブロック制の卓球教室(月2回・100円)とライフル射撃・太極拳など6種目体験教室をスポーツデータバンク委託で運営
全種目 👥 10~30万人 🏫 大規模校(300人以上) 📍 徳島県

【事例】徳島県徳島市の部活動地域展開 ─ 18校5ブロック制の卓球教室(月2回・100円)とライフル射撃・太極拳など6種目体験教室をスポーツデータバンク委託で運営

公開:2026.05.03 更新:2026.05.03
この記事でわかること

・徳島市が18校を5ブロックに分けた卓球教室(月2回・100円)と6種目体験教室で実施した地域クラブ活動の全体像
・スポーツデータバンク委託によるICT管理・eラーニング研修の導入で保護者満足度97%を達成した仕組み
・ライフル射撃・太極拳など学校部活にない種目を競技連盟と連携して提供した体験教室の設計思想

自治体名 徳島県徳島市
人口規模 約24万人(244,959人)
中学校数 15校(実証事業では附属校等含む18校、生徒数5,409名)
運営形態 徳島市教育委員会(スポーツデータバンク株式会社に業務委託)
対象競技 卓球・柔道・軟式野球・ライフル射撃・ボウリング・太極拳(計6種目)
保護者負担額 100〜300円/回(スポーツ安全保険800円/年別途)

取り組みの概要

徳島市は人口約24万人、市立中学校15校に5,409名の生徒が在籍する徳島県の県庁所在地です(令和6年度)。市内中学校では全体の約6割(約3,300名)が運動部に参加しており、142の運動部が活動しています。約55%の教職員が競技経験のない部活動を担当しており、専門性のある指導体制の構築が課題となっていました。

令和4年度から協議会設置・アンケート実施・情報収集等の準備期間を経て、令和5年度から「休日の地域スポーツクラブ活動」を開始。令和6年度はスポーツ庁の実証事業として、鳴門教育大附属中・城ノ内中等学校・佐那河内中を含む18校を対象に6種目のクラブ活動を実施しました。運営はスポーツデータバンク株式会社に業務委託し、ICTを活用した出欠管理・活動報告・指導者研修を一元化した体制で進めています。

最大の特徴は、市内を東西南北中の5つのブロックに分割した「5ブロック制」です。卓球教室を各ブロックの中学校体育館で開催し、18校全ての生徒がアクセスしやすい会場配置を実現。指導は徳島市卓球協会の協力のもと、月2回・100円/回という低価格で5会場・計75回の活動を実施しました。

特徴的な取り組み

  • 18校を5地区ブロックに分割した卓球教室(月2回・100円/回・延べ75回開催):市内を東西南北中の5ブロックに分け、各ブロックの中学校体育館(城西中・富田中・加茂名中・八万中・南部中・川内中・応神中・国府中・附属中等)を会場として設定。徳島市卓球協会から2〜4名の指導者を派遣し、月2回・100円/回で8月〜1月(各会場15回)の安定した活動を提供しました。
  • スポーツデータバンク(株)へのICT管理・研修機能の業務委託:運営事務局をスポーツデータバンク株式会社に委託し、「Bandアプリ」による出欠確認・活動報告・保護者への連絡を一元管理。また、指導者向けeラーニング研修(自然災害対応・一次救命措置・コンプライアンス・子どものメンタルヘルス等7項目)と指導者マニュアルの作成・配布を実施しました。
  • ライフル射撃・ボウリング・太極拳など「学校部活にない種目」の体験教室を5種目追加:部活動には存在しない種目を地域クラブとして提供する「体験教室」を5種目設置。ライフル射撃(10月・徳島市ライフル射撃場・300円/回)、ボウリング(12月・スエヒロボウル・300円/回)、太極拳(11月・とくぎんトモニアリーナ・300円/回)、柔道(9月・徳島県中央武道館・300円/回)、野球(8月・応神中グラウンド・100円/回)を各競技連盟の協力で開催。
  • 生徒の満足度96%・指導者の43%が「所属団体からの依頼」で参加という競技連盟型指導者確保:活動満足度は生徒アンケートで「とても満足」66%・「満足」30%(計96%)。指導者確保は各競技団体との連携によるもので、指導者の43%が「所属団体から依頼された」と回答。競技連盟を軸とした指導者調達システムが有効に機能しました。

課題と解決策

課題 解決策
18校を個別に対応すると運営効率が低下する 市内を5ブロックに分割し、各ブロック1会場で複数校の生徒をまとめて受け入れる方式を採用。1会場2〜4名の指導者体制で効率的に運営
指導者の資質担保と安全管理への保護者の不安 スポーツデータバンクとのeラーニング研修(7項目)・指導者マニュアルで質を担保。Bandアプリによる出欠・活動報告の即時共有で保護者の安心感向上。保護者の97%が「地域クラブの運営について良かった」と評価
当初予定の弓道教室が競技団体側の事情で実施中止 弓道は競技団体が独自の練習会・講習会を既に実施しており、学校内でも合同練習が行われているため、本事業での追加は競技団体への負担増と判断し中止。地域移行が既に進んでいる種目はあえて事業に組み込まない柔軟な判断を行った
体験教室は参加者確保・活動場所の調整が個別に必要 各競技連盟と事前に協議し、年1回・1日完結の体験教室として開催。保護者同意文書・「地域クラブ活動参加募集パンフレット」を全校配布し、各家庭が直接申し込む方式を採用

成果・効果

令和6年度は18校対象に6種目・6クラブが稼働しました。卓球教室は5ブロック・5会場で計75回の活動を実施。生徒アンケートでは「専門的な指導を受けることができた」72%、「技術が向上した」78%、「楽しく活動できた」85%、「指導者の接し方が良かった」70%という高い評価を得ました。安全安心な活動に関しては「できた」が100%でした。

指導者研修のeラーニングについては、「思春期の子どもとの接し方や思春期の子どもの心理」の内容が指導に有効だったという声が多く、指導者からは「生徒がとても前向きで活き活きと活動してくれた」という感想が寄せられました。スポーツデータバンクとの連携で構築したICT管理体制は、保護者の満足度向上に大きく貢献しました。

出典

→ 原文: 令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 実証事業報告書(徳島県・徳島市)|スポーツ庁

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

徳島市の最も参考になる設計は「5ブロック制による会場配置」です。中学校が15〜18校あると、全校に均等にアクセスできる会場を設定するのが難しくなります。徳島市は市内を5エリアに分け、それぞれのエリアに1会場を設置することで、生徒が遠くまで移動せずに参加できる体制を作りました。この「ブロック分け→集約会場」のアプローチは、複数校を抱える都市規模の自治体が地域クラブを効率的に運営する際の有効なモデルです。

スポーツデータバンクへの業務委託で「ICT管理・研修・マニュアル」を一括して外部調達した点も評価できます。自治体が自前でICTシステム・研修プログラム・マニュアルを整備しようとすると膨大なコストと時間がかかります。これをパッケージで提供できる民間事業者に委託することで、短期間で高品質な運営体制を構築できました。保護者満足度97%という結果は、ICT活用による安心感の提供が大きく寄与しています。

ライフル射撃・ボウリング・太極拳という学校部活では提供できない種目を体験教室として組み込んだ設計は、地域クラブの価値を「学校部活の代替」から「新しいスポーツ体験の場」へと広げる試みです。特にライフル射撃は安全管理の面でハードルが高い種目ですが、競技連盟の協力と専門指導者の確保で実現しています。「学校では体験できない種目に出会える場」として地域クラブを位置づけることで、参加の動機を多様化できます。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

スポーツデータバンクのような統合管理ツールを提供する民間事業者は複数存在しますが、自治体規模によってはコストが課題になる場合があります。その場合は、まずLINEグループやGoogleフォームなどの無料ツールで出欠・連絡管理を代替し、参加者規模が拡大したタイミングで専用ツールへの移行を検討するという段階的なアプローチが現実的です。また、体験教室の種目選定では「地域にどんな競技連盟があるか」から逆算するのが効率的です。徳島市のようにライフル射撃連盟が地域に存在していれば、学校では体験できない種目を提供できます。地域の競技団体を棚卸しし、体験教室を提供できる団体を探すところから始めましょう。

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