【事例】静岡県富士宮市の部活動地域展開 ─ 会計年度任用職員の部活動指導員が担う10のモデル部試行・陸上競技はセントラル方式を導入
・富士宮市が部活動指導員を市の会計年度任用職員として任用し10のモデル部で試行する仕組み
・陸上競技のセントラル方式・レベル別実施など競技特性に応じた実施形態の工夫
・指導経験5年以上の要件を課しつつ人材を確保したスモールスタートの進め方
| 自治体名 | 静岡県富士宮市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約12万人(2026年7月時点) |
| 中学校数 | 市立13校 |
| 運営形態 | 行政直営(市教育委員会主導・部活動指導員を市の会計年度任用職員として任用) |
| 対象競技 | 複数種目(10のモデル部で試行・陸上競技はセントラル方式) |
| 保護者負担額 | 調査時点で未公表 |
取り組みの概要
富士宮市教育委員会は、国・県の補助金事業を活用した部活動の地域連携・地域移行に係るモデル部の試行を進めています。令和7年1月の教育委員会定例会で示された計画では、実施期間を令和7年4月1日から令和8年3月31日とし、令和6年度に実施した4つのモデル部を継続しつつ、令和7年度から新たに6つを加えた計10のモデル部で試行を拡大。活動は月2回・1回3時間以内で、土曜日または日曜日に実施します。指導を担う部活動指導員は教員以外の人材を市の会計年度任用職員として任用する方式で、「指導を行う種目に精通し、おおむね5年以上の教育現場での部活動指導経験のある」ことを要件としています。市中心部だけでなく芝川地区への試行拡大、複数会場で同一種目を実施する場合のレベル別実施、陸上競技のセントラル方式(複数校の生徒が1会場に集まって活動する方式)の導入など、市域の実情に合わせた実施形態の工夫が特徴です。
特徴的な取り組み
- 部活動指導員を市の会計年度任用職員として任用: 謝金ベースの外部指導者ではなく、市の会計年度任用職員(報酬は時給1,000円余り)として任用することで、身分・服務・責任の所在を明確化しています。
- 経験要件による指導の質の担保: 指導種目に精通し、おおむね5年以上の教育現場での部活動指導経験を任用要件とし、教育的な配慮のできる指導者を確保。令和7年1月時点で必要な人員は確保できていると報告されています。
- 陸上競技のセントラル方式: 学校ごとに指導者を置くのではなく、複数校の生徒が1つの会場に集まって専門指導を受ける方式を陸上競技で試行。指導者不足と施設確保の両課題に対応する形です。
- レベル別実施と周辺地区への拡大: 複数会場で同一種目を実施する場合はレベル別の活動とし、競技志向・レクリエーション志向双方のニーズに対応。令和7年度からは山間部の芝川地区にも試行を広げています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 指導者の身分・責任の所在が曖昧になりがち | 部活動指導員を市の会計年度任用職員として任用し、服務・報酬を制度化 |
| 学校単位では種目ごとの指導者・会場を確保しきれない | 陸上競技でセントラル方式を試行し、複数校の生徒を1会場に集約 |
| 生徒の競技レベル・志向の差への対応 | 複数会場で同一種目を実施する際にレベル別の活動を導入 |
成果・効果
令和6年度に4つのモデル部で開始した試行は、令和7年度に10のモデル部へと2.5倍に拡大しました。教育委員会定例会では、新規種目を含めて指導に当たる人員が確保できていることが報告されており、経験要件を課した上でも担い手を集められている点は、同規模の自治体にとって参考になる実績です。土日いずれか・月2回・1回3時間以内という活動量は国のガイドラインが示す休養日・活動時間基準に収まる設計で、教員の休日指導負担の軽減と生徒の活動機会確保を両立させています。
出典
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