【事例】茨城県桜川市の部活動地域展開 ─ 教委認定の地域クラブ制度で既存4団体を認定・バレーボールは中体連大会に地域クラブとして出場
・既存団体アンケートで受け皿不足の原因を特定し認定地域クラブ制度を設計した桜川市の手順
・月会費500円〜7,000円まで頻度と費用の異なる4クラブを並べた選択肢設計と中体連出場の実例
・推進委員会×教委3課の分担体制とスポーツ少年団の中学生受け入れ拡大という次の一手
| 自治体名 | 茨城県桜川市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約3.6万人(令和6年度成果報告書時点:36,023人) |
| 中学校数 | 5校(中学校4校・義務教育学校1校、全生徒870人・34部活動)※令和7年度に計4校へ再編 |
| 運営形態 | 任意団体運営型(市教育委員会認定地域クラブ制度により既存4団体を認定。事務局は桜川市部活動地域展開推進委員会・市教育委員会) |
| 対象競技 | バレーボール、軟式野球、サッカー、空手道 |
| 保護者負担額 | クラブごとに月会費500円〜7,000円(別途スポーツ安全保険:生徒1人あたり年額800円) |
取り組みの概要
桜川市は中学校の部活動加入率88%(1年89%・2年90%・3年86%)と部活動への教育的効果の期待が高い地域ですが、少子化により部員数が減少し、合同チームや拠点校として中体連大会に出場する部が出ています。令和5年度に市内の既存スポーツ団体・文化団体へ中学生の受け入れについてアンケート調査を行ったところ、受け入れた場合の責任・場所・用具等への不安から受け皿となる団体が少ないことが判明。そこで市は令和5年12月に地域のスポーツ団体・文化団体・学校・保護者の関係者で構成する「桜川市部活動地域展開推進委員会」(事務局・市教育委員会)を発足させ、市教育委員会認定地域クラブ取扱要綱を整備。要件を満たした既存の任意団体4クラブ(バレーボール・軟式野球・サッカー・空手道)に認定資格を付与し、令和6年度から制度の運用を開始しました。
特徴的な取り組み
- 市教委による認定地域クラブ制度: 新たにクラブを作るのではなく、既存の任意団体を認定する方式。VC.WISE(バレーボール・週5回・月会費7,000円)、桜川市野球塾(軟式野球・週1回・月会費2,000円)、East&West FC(サッカー・週1回・月会費500円)、岩瀬空手道スポーツ少年団(空手道・週3回・月会費3,000円)と、活動頻度に応じた多様な選択肢が生まれています。
- 中体連大会への「地域クラブとして」の出場: バレーボールのVC.WISEは中体連大会に地域クラブとして参加。JSPO公認指導者(コーチ1)が指導し、クラブ代表・事務局・監督・コーチによる指導者会議で方針や練習計画を決定する組織運営を行っています。
- 推進委員会を年5回開催する合意形成: 文化協会13団体・スポーツ少年団27団体・スポーツ協会23団体・PTA・コミュニティスクール・校長会・中学校体育連盟の代表が参加する推進委員会で仕組みと方針を協議。地域説明会も年2回開催し、中学校入学説明会で教育委員会が今後の部活動を説明する場を設けて認知度を高めました。
- スポーツ少年団への働きかけ: 既存のスポーツ少年団に中学生受け入れを働きかけ、2単位団(ソフトテニス・ドッジボール)が令和7年度から中学生の受け入れを開始することになりました。
- 総合型クラブの体験会で新種目に接点: 総合型地域スポーツクラブ「桜川スマイルクラブ」がビームライフル・ビームピストル体験会とダンス体験会を各3回開催(参加費100円)し、部活動にない種目への入り口を用意しています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 既存団体が中学生受け入れの責任・場所・用具等に不安を持ち、受け皿が少ない | 認定地域クラブ制度で申請書様式・保険・会費・指導者報酬などの手続きを明確化し、既存団体が参入しやすい枠組みを整備。スポーツ少年団への個別の働きかけも実施 |
| 認定地域クラブ制度がまだ十分に知られていない | 地域説明会を年2回開催し、中学校入学説明会でも教育委員会が説明。制度の周知と既存団体への協力依頼を今後の課題として継続 |
| 指導の質の保証 | 令和7年2月に指導者講習会(リスクマネジメント)を開催し、指導にあたってのリスク管理を学習。茨城県の指導者バンク活用や市スポーツ指導者協議会との連携による人材発掘を目指す |
成果・効果
認定制度の運用開始により、市内で中学生が参加できる地域クラブが増えました。4クラブには通年でバレーボール18人(1年8人・2年10人)、軟式野球16人(1年11人・2年5人)、空手道3人などが参加し、教育指導課(学校連携)・スポーツ振興課(スポーツ団体連携)・生涯学習課(文化団体連携)が分担して支える体制が機能しています。各学校の部活動顧問会議や市中学校体育連盟連絡協議会に教育委員会が参加して進捗状況と学校の現状を互いに共有し、連携強化につながったことも成果として報告されています。令和7年度にはスポーツ少年団2単位団の中学生受け入れが始まり、受け皿は段階的に拡大していく見込みです。
出典
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