【事例】秋田県北秋田市の部活動地域展開 ─ 既存の外部指導者を地域クラブ指導員に委任し24部活の半数をクラブ化・12クラブ中10クラブが平日も活動
・既存の外部指導者15名を地域クラブ指導員に委任し24部活の半数を一斉クラブ化した北秋田市の方式
・12クラブ中10クラブが平日も活動する「平日込み」地域クラブの実現方法と月4回上限の予算構造
・10年後の市長部局移管まで明記した推進ロードマップと統括・調整2コーディネーターの分担
| 自治体名 | 秋田県北秋田市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約2.8万人(令和6年度成果報告書時点:27,834人) |
| 中学校数 | 4校(鷹巣中・合川中・森吉中・阿仁学園、全生徒553人〔令和7年2月〕・運動部24部活) |
| 運営形態 | 行政直営(教育委員会学校教育課が事務主管。市の推進計画では10年後に市長部局・文化スポーツ課へ移管予定) |
| 対象競技 | バレーボール、バスケットボール、ソフトテニス、卓球、剣道、柔道、陸上競技 |
| 保護者負担額 | 会費なし(傷害保険料として年額800円のみ) |
取り組みの概要
北秋田市は面積1,152.76km²と広大な市域に中学校4校・生徒553人を抱え、10年後の令和15年には生徒数が305人(約45%減、阿仁学園は73.1%減)まで減ると推測されています。単独校で活動できない部活動も多く、他校との合同チームでどうにか活動を維持している状況で、市は「地域で展開するスポーツ活動」への転換を唯一の解決方法と位置付け、令和5年度に検討委員会の設置と、向こう10年間の推進ロードマップ・短期中期長期目標を含む推進計画を策定しました。令和6年度はスポーツ庁「地域スポーツクラブ活動体制整備事業」を活用し、既存の部活動外部指導者15名をそのまま「地域クラブ指導員」として市が委任する方式で、4校中3校・全24部活動の半数にあたる12部活動を地域スポーツクラブ化。平日・休日の一部(月4回以内)をクラブ活動として実施しました。
特徴的な取り組み
- 外部指導者の「委任」による一斉クラブ化: 既存の部活動外部指導者を地域クラブ指導員として市が委任することで、指導体制を変えずに12部活動(バレー・バスケ・ソフトテニス・卓球・剣道・柔道・陸上)を一度にクラブ化。生徒は所属部活動として中体連大会にも参加できます。
- 「平日も」実施する地域クラブ: 活動日時の指定は指導者の都合で決定し、12クラブ中10クラブが休日だけでなく平日も活動(平日約35%・休日約65%)。一般的に平日実施は難しいと言われる地域クラブ活動を実現できたことを、市は大きな成果と評価しています。
- 統括・調整の2人コーディネーター体制: 統括コーディネーターが推進計画の策定・事業実施計画の作成・校長会や保護者(4校)への説明・総合教育会議での市長への説明・検討委員会の資料作成(4回)を担い、調整コーディネーターが指導者と学校の活動日程調整・謝礼支払事務を担当。学校の部活動担当者と指導者の負担軽減につながりました。
- 10年後の所管移管まで明記したロードマップ: 現在は教育委員会学校教育課が事務主管ですが、推進計画に10年後は市長部局の文化スポーツ課が担当することを明記。現段階から文化スポーツ課と事業内容や予算関係の協議を重ね、財政支援に関する協議も行っています。
- 合同練習会と地元企業の協力: 柔道(3校30名・指導者3名)と陸上(3校35名・指導者8名)の合同練習会を開催し、陸上では地元企業のクラブ指導者5名の協力を得ました。指導者研修会では秋田県立秋田北鷹高校スキー部元監督の佐藤英樹氏(現北秋田市教育委員会)が「中学生の指導のポイント」等を講義しています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 地域クラブ指導者が既存の部活動外部指導者と同じであるため、外部指導者を置いている部活動(24部活中12部活)に限られる | 学校に外部指導者を置くことのメリットをPRし、現在の50%(12部活)から60%(15部活)へ拡大を目指す。外部指導者と競技団体の連携・協力体制を強化し、新規の地域スポーツクラブ設立につなげる |
| 指導者への謝礼を支払っているため、予算の都合上月4回以内に活動が制限される | 令和7年度は月8回以内の地域スポーツクラブ活動を実施する予定とし、教員がより働き方改革を実感できる水準へ拡充 |
| 地域移行が部活動・スポーツ関係者だけの取り組みに留まり、市民への周知が不足 | 市広報の活用やリーフレットの作成により、広く市民への周知と理解促進を図る |
成果・効果
令和6年8月から令和7年3月まで、鷹巣中の男子バレー・男女バスケ・男女ソフトテニス・女子卓球・剣道、森吉中の女子バスケ・柔道、合川中の陸上・柔道・剣道の12クラブが活動し、専門性を有する統括コーディネーターの配置により地域の実態に応じた推進計画の策定と計画的な事業推進ができたと報告されています。調整コーディネーターによる日程調整・謝礼支払事務の代行は、学校の部活動担当者と指導者双方の負担軽減に直結しました。総合教育会議で市長へ地域移行の説明を行い意義・必要性の理解を得たほか、指導者研修会には教育長・学校教育課長・コーディネーター・地域クラブ指導者15名が参加。会費は傷害保険料800円のみで、生徒は所属部活動として中体連大会への出場を継続しています。
出典
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