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全種目 👥 1~5万人 🏫 小規模校(〜150人) 📍 沖縄県

【事例】沖縄県石垣市の部活動地域展開 ─ 多世代・多種目のサブスクリプション型クラブで離島の多様なニーズに応える

公開:2026.04.29 更新:2026.04.29
この記事でわかること

・沖縄県石垣市の部活動地域展開で直面した課題と解決策
・サブスクリプション方式と多世代参加型の運営設計の工夫
・離島・小規模市が参考にすべき複数種目対応の地域クラブモデルの視点

自治体名 沖縄県石垣市
人口規模 約5万人(令和6年度時点)
中学校数 9校(うち6校は生徒50名以下の小規模校)
運営形態 一般社団法人石垣島アスリートクラブ(沖縄県から業務委託)
対象競技 陸上競技、サッカー、アルティメット、スポーツトレーナー(4コース)
保護者負担額 月会費+保険料のサブスクリプション方式(金額は調査時点で非公表)

取り組みの概要

沖縄県石垣市では、現在実施しているスポーツ以外を週末に実施できる地域クラブ活動として、多世代が参加する総合型地域スポーツクラブ内に自由に参加できる4つのコース(陸上競技・サッカー・アルティメット・スポーツトレーナー)を設置しました。9校中6校が生徒50名以下の小規模校で学校単位での部活動継続が困難であり、令和5年度の運動系部活動加入率が53.7%にとどまっていたことから、生徒の多様なニーズに応じたスポーツ体験機会の提供が求められていました。沖縄県と一般社団法人石垣島アスリートクラブが協力し、令和5年度から総合型地域スポーツクラブによる部活動改革の検討を開始しました。

特徴的な取り組み

  • サブスクリプション方式による4コース選択制: 令和6年度から月会費と保険料を支払うことで4つのコースのいずれにも参加できるサブスクリプション方式を採用。生徒が自分の活動したい種目や曜日を自由に選べることが魅力で、全参加者の82%が複数種目に取り組んでいます。
  • 多世代参加型の運営形態: アルティメットコースはジュニアからシニアまで多世代が参加できる形で取り組んでおり、1回90分の活動時間としています。令和6年度は小学生・中学生・高校生が1つのチームを編成し、「沖縄オープンアルティメット大会」にも出場しました。
  • 八重山高校陸上部との中高連携合同練習: 陸上競技コースでは、八重山高校陸上部との連携により、3ヵ月間で11回の中高連携の合同練習会を実施。中学生が高校生から学ぶ機会が生まれ、「卒業後も高校へ進んで一緒に陸上競技をやりたい」という生徒も現れています。
  • スポーツトレーナーコースの提供: 地元の鍼灸師や理学療法士による講習を実施し、日本陸連のトレーナーからアイシング・ストレッチ・トレーニング・呼吸法などを学ぶコースを設置。スポーツ医科学の視点を取り入れた独自のコースです。

課題と解決策

課題 解決策
9校中6校が生徒50名以下の小規模校で、学校単独での部活動継続が困難 学校の枠を超えた総合型地域スポーツクラブによる地域クラブ活動を設立し、複数校の生徒が共に活動できる環境を整備
運動系部活動加入率が53.7%(令和5年度)にとどまり、多様なニーズに対応できていない 4コースのサブスクリプション型で、部活動にない種目(アルティメット・スポーツトレーナー)を含む多様な活動機会を提供
小中高の学校スケジュールの違いによる活動時間帯の調整困難 4コースそれぞれの活動日・時間を工夫しながら多世代が参加しやすい形に調整
離島という地理的条件による指導者・財源確保の難しさ 企業連携とSEA(スポーツ国際交流員)を活用して多様な指導者を確保し、市内の人材を徐々に育成

成果・効果

小学生から高校生まで34名が参加し、全体の82%が複数種目の地域クラブ活動に取り組みました。部活動に所属している生徒も部活動に所属していない生徒も、週に1〜2回ほどの運動をしたいという生徒が自由に参加できる環境が整い、多様なニーズに応えられる体制が構築されました。陸上競技コースでは八重山高校との11回の合同練習が実現し、スポーツトレーナーコースでは小学生・中学生・高校生13名が専門的な知識を学びました。参加者からは「コース終了後も継続して活動を実施したい」という声が上がっています。

出典

→ 原文: 令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業(地域スポーツクラブ活動への移行に向けた実証事業)事例集 pp.80-81(スポーツ庁、令和7年)

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

石垣市の取り組みで最も注目すべきは、「サブスクリプション方式による複数種目参加の仕組み」です。従来の部活動では生徒は1つの部活動に所属し、その種目のみを継続的に活動するのが一般的でした。しかし石垣市では「月会費と保険料を払えば4つのコースのいずれにも参加できる」というサブスクリプション方式を採用することで、生徒が複数のスポーツを体験したり週ごとに異なる種目を選択したりできる環境を作りました。全参加者の82%が複数種目に取り組んでいるという数字が、この仕組みの魅力を証明しています。

「多世代参加」という設計も重要です。アルティメットコースは小学生・中学生・高校生が同じチームで活動しており、部活動の縦割り(学年・学校)を超えた交流が生まれています。「スポーツトレーナーコース」の設置も独自性が高く、地元の鍼灸師・理学療法士という地域人材を活用した点が参考になります。部活動にはない種目・視点の活動を提供することで、地域移行を「代替」ではなく「拡充」として位置づけることができています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

サブスクリプション方式の最大のハードルは「運営コストの確保」です。参加者が複数コースを利用できる仕組みは参加者にとって魅力的ですが、運営側にとっては各コースの固定費(指導者謝金・施設費・用具費など)が参加人数に関わらず発生します。石垣市でも財源確保が課題として挙げられており、企業協賛やクラウドファンディングなど新たな財源確保の仕組みを模索しています。多世代参加型については、小中高の学校スケジュールの違いが活動時間帯の調整を難しくするため、特に大会シーズンやテスト期間等の柔軟な対応が重要です。

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