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【事例】新潟県村上市の部活動地域展開 ─ 放課後デイサービスと連携したインクルーシブスポーツ

公開:2026.04.29 更新:2026.04.29
この記事でわかること

・新潟県村上市が放課後デイサービスと連携してインクルーシブスポーツを実現した仕組み
・福祉部局・障害者スポーツ協会との縦割りを超えた連携体制の構築方法
・他の自治体が共生型地域スポーツ環境を整備する際に参考にすべき視点

自治体名 新潟県村上市
人口規模 約5万3千人(令和6年度時点)
中学校数 7校(公立中学校生徒数1,008人、部活動52部活)
運営形態 総合型地域スポーツクラブ・放課後等デイサービス事業所・特別支援学校・新潟県障害者スポーツ協会連携
対象競技 全種目(陸上、ボッチャ、スクエアエアロビクス、車いすバスケットボール等)
保護者負担額 不明(調査時点で未公表)

取り組みの概要

新潟県村上市では、令和6年度に20の地域クラブ活動が地域で展開され、障害のある児童・生徒が希望する活動に参加できる体制が整いつつありましたが、実際に参加するにはハードルが高いという現実がありました。この課題に対応するため、放課後等デイサービス事業所を中心にインクルーシブなスポーツ活動環境の整備を推進しました。令和5年12月から計画・準備を開始し、令和6年9月から「楽しい運動教室」と「楽しい陸上教室」を、令和6年10月から「パラアスリート体験会」を実施。関係機関が連携して、障害の有無にかかわらず全ての子供たちが共に活動できる仕組みの構築に取り組んでいます。

特徴的な取り組み

  • 「楽しい運動教室」の実施:発達特性や障害を有する児童・生徒を対象に、平日放課後に開催(月2回・金曜16〜17時、神林総合体育館)。新潟県障害者スポーツ協会指導員とNPOスタッフが指導し、ボッチャやスクエアエアロビクスなど参加しやすい種目を提供しました。
  • 「楽しい陸上教室」の実施:特別支援学校高等部の生徒も参加する形で土曜日に開催(月1〜2回・16:30〜18時、神林多目的グラウンド)。地域クラブ活動の生徒と一緒に活動する機会を創出しました。
  • 「パラアスリート体験会」の実施:令和6年10月〜12月に3回開催。車いすバスケットボール選手(新潟WBS)が参加し、車いすバスケやポッチャ・卓球・バレーを楽しみました。学童保育所の子供たちも参加し、多様な世代・状況の子供が集まりました。
  • 放課後等デイサービス事業所との協働体制:県福祉部との協議の上、デイサービス職員がボランティアではなく業務として関わる体制を構築。参加する子供の障害への理解がある職員が安全管理に助力しました。

課題と解決策

課題 解決策
グループごとに人数や障害の有無・種類、会場への入退場の時間等が異なる 各グループとの事前打ち合わせを徹底し、個別対応できる体制を整備
放課後デイサービスのルールと各教室のルールの不統一 関係者との事前調整を実施し、指導側と管理側の相違点を解消
放課後デイサービス以外の児童・生徒への周知不足 令和7年度から特別支援学校の体育授業でスポーツに親しむ機会を提供するなど、入口を広げる取り組みを強化

成果・効果

「楽しい運動教室」では延べ97名、「楽しい陸上教室」では延べ4名、「パラアスリート体験会」では延べ920名が参加しました。「楽しい陸上教室」参加者の中には「続けたい!」と申し出て卒業後も継続参加する生徒が現れました。2つの教室が普段できない活動を体験できる場となり、子供たちにとって大変重要な経験の場となっています。「パラアスリート体験会」では様々な子供が障害について体験し、考える機会にもなりました。総合型地域スポーツクラブ、障害者福祉、行政が連携した今回の取り組みは、共生社会の実現に向けた大きな一歩となっています。

出典

→ 原文: スポーツ庁「令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 事例集」(令和7年3月)p.96-97

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

村上市の取り組みが注目される理由は、「地域クラブ活動」という文脈の中でインクルーシブスポーツを実現した点にあります。部活動の地域展開は一般的に競技能力のある中学生を対象として設計されがちですが、村上市は「部活動に所属していない生徒や障害のある児童・生徒も含めた全ての子供のスポーツ機会」という視点から施策を組み立てています。これは国が目指す「地域における全ての子供の多様なスポーツ機会の確保」を体現した先進的な実践です。

特に、放課後等デイサービス職員を「ボランティア」ではなく「業務」として位置づけた点は重要です。善意のボランティアに安全管理を依存するモデルは持続性に欠けますが、県福祉部との協議により業務として認定することで安定的な人員確保が可能になりました。スポーツ部局と福祉部局の縦割りを超えた連携こそが、インクルーシブスポーツ実現の鍵であることを村上市は実証しています。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

最大のハードルは福祉部局との連携構築です。村上市のように県福祉部を巻き込み、デイサービス職員が業務として参加できる枠組みを作るには、教育委員会・スポーツ担当課と福祉担当課の合同プロジェクトとして立ち上げる必要があります。また、参加する子供の障害や特性を理解したスタッフが安全管理できる体制が不可欠であり、新潟県障害者スポーツ協会のような専門組織との連携を先行させることが成功の条件です。パラアスリートの招聘は効果が高く、地域の障害者スポーツ協会に依頼することでコストを抑えながら実施できます。

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