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【事例】新潟県新潟市の部活動地域展開 ─ 大学・プロスポーツクラブ・行政の三者連携が生む「双方向型」指導者育成モデル

公開:2026.04.28 更新:2026.05.02
この記事でわかること

・スポーツ庁・UNIVAS採択事業として国の公的枠組みを活用し、財政的裏付けと全国への情報発信力を確保している。
・大学の強化指定クラブ学生が指導者を担い、中学生の活動機会と大学生の人材育成を同時に実現する双方向型の設計。
・政令市規模(約70校)での一斉移行を避け、北区先行モデルから段階的に全市展開を目指す現実的なアプローチ。

自治体名 新潟県新潟市
人口規模 約78万人(2024年時点)
中学校数 市立中学校 約70校
運営形態 大学・プロスポーツクラブ・行政の三者連携型(新潟市北区モデル)
対象競技 サッカー・バスケットボールを含む6種目(北区先行実施)
保護者負担額 調査時点で未公表

取り組みの概要

新潟市は、新潟県教育委員会が定めた令和5〜7年度(2023〜2025年度)の「休日の部活動段階的地域移行計画」に基づき、政令市として県内の移行推進をリードする役割を担っています。新潟市北区では、市・中学校校長会・オールアルビレックス・スポーツクラブ・新潟医療福祉大学が連携する「スキルアップキャンプ」プロジェクトが先行的に立ち上がり、2024年11月に第1回を実施しました。本事業はスポーツ庁委託・一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)公募の「令和6年度大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業」として採択されており、毎月1回の調整会議を通じてサッカー・バスケットボールを含む6種目での地域クラブ活動を実施しています。新潟医療福祉大学の強化指定クラブ学生が中学生への集中指導を担うことで、指導者不足の解消と大学生の実践的スキル習得を同時に実現する「双方向型」の連携モデルとして注目されています。県としても令和6年度(2024年度)に「にいがた地域クラブ活動指導者バンク」を設置し、退職教員や大学生など地域人材の掘り起こしを全県規模で支援しています。

特徴的な取り組み

  • 大学×プロスポーツクラブ×行政の三者連携:新潟医療福祉大学・オールアルビレックス・スポーツクラブ・新潟市が連携し、それぞれの強みを分担。大学は指導者と専門知識を、プロクラブは競技ノウハウと認知度を、行政は調整機能と施設を提供する役割分担が明確。
  • スポーツ庁・UNIVAS公募事業としての採択:本取り組みは「令和6年度大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業」(UNIVAS公募・スポーツ庁委託)として採択。公的な実証事業の枠組みを活用することで財政的な裏付けと全国への情報発信力を確保している。
  • 大学生指導者の活用(双方向型メリット):新潟医療福祉大学の強化指定クラブ学生が指導者として参加することで、中学生の活動機会確保と大学生の実践的スキル習得・人材育成が同時に実現する一石二鳥の仕組み。
  • 北区先行・全市展開モデル:新潟市北区でのスキルアップキャンプを先行実施し、ノウハウを蓄積してから他区への展開を目指す段階的アプローチ。政令市の規模(約70校)を全市一斉に動かすのではなく、モデル区からの水平展開を採用。
  • 県の指導者バンクとの連動:令和6年度に新潟県が設置した「にいがた地域クラブ活動指導者バンク」(退職教員・大学生等を登録)を活用し、市内の指導者確保を補完する体制を構築。県・市の役割を分担した二層構造の人材確保システム。
  • 毎月1回の調整会議による継続的な課題対処:行政・校長会・大学・スポーツクラブが毎月集まり子どもたちのスポーツ活動について協議する定例会議体制を整備。課題が発生した際にも迅速に対応できる運営体制を維持している。

課題と解決策

課題 解決策
政令市規模(約70校)での全市一斉移行は困難 新潟市北区での先行モデル実施→成果を検証した上で他区へ段階展開するアプローチを採用
指導者確保が最大の障壁 大学生指導者の活用(新潟医療福祉大学)+県指導者バンクの二重構造で人材を確保
競技ごとに受け皿団体の充実度に格差がある オールアルビレックス・スポーツクラブ等、知名度・組織力のあるプロクラブを起点に多種目展開を図る
保護者の費用負担への不安 費用設定については調整会議で継続検討。県のガイドラインに沿った標準負担額の設定を目指す

成果・効果

新潟市北区で2024年11月に開催した「スキルアップキャンプ」は「地域の中学生から多くの参加があり好評」という評価を得ており、サッカー・バスケットボールを含む6種目で活動が継続しています。大学生指導者は中学生への指導を通じて実践的なスキルを習得し、将来的な地域スポーツ指導者としての育成にもつながっています。新潟県全体としては令和6年度に25市町村が実証事業に参加しており、新潟市はその中心的な存在として県全体の移行をけん引しています。

出典

→ 原文: 中学校の部活動の地域移行に向けて!新潟医療福祉大学の先進的な取り組みと、地域スポーツの未来(NSGグループ)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

新潟市は、新潟県教育委員会が定めた令和5〜7年度の「休日の部活動段階的地域移行計画」のもと、政令市として県内の移行推進をリードする役割を担っている。北区では市・中学校校長会・オールアルビレックス・スポーツクラブ・新潟医療福祉大学が連携する「スキルアップキャンプ」プロジェクトが先行して立ち上がり、2024年11月に第1回を実施した。本事業はスポーツ庁委託・UNIVAS公募の「令和6年度大学スポーツ資源を活用した地域振興モデル創出支援事業」として採択されており、毎月1回の調整会議を通じてサッカー・バスケットボールを含む6種目での活動を継続している。新潟医療福祉大学の強化指定クラブ学生が指導を担い、指導者不足の解消と大学生の実践スキル習得を同時に実現する点が「双方向型」と称される所以だ。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

この取り組みで特徴的なのは、大学・プロスポーツクラブ・行政が異なる強みを持ち寄る三者連携の明確な役割分担だ。新潟医療福祉大学は指導者と専門知識を、オールアルビレックス・スポーツクラブは競技ノウハウと認知度を、行政は調整機能と施設を担うことで、単一主体では実現が難しい6種目展開を可能にしている。なかでも強化指定クラブ学生が指導者として参加する仕組みは、中学生の活動機会確保と大学生の実践スキル習得・将来的な指導者育成を同時に達成する点で、従来の奉仕型ボランティアモデルとは設計思想が異なる。また、約70校を抱える政令市規模での一斉移行を避け、北区での先行実施によりノウハウを蓄積した上で他区への展開を目指す段階的アプローチを採用している。令和6年度には新潟県全体で25市町村が実証事業に参加しており、新潟市はその中心的な存在として県全体の移行をけん引している。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

本事例での「毎月1回の定例調整会議」は、行政・校長会・大学・スポーツクラブが継続的に協議できる運営体制として、規模や場所を問わず移植しやすい仕組みといえる。一方、大学生指導者の活用は大学が近隣に存在することが前提となるため、大学のない地域ではOB・OGや指導経験者のリクルートに置き換える対応が必要となる。オールアルビレックス・スポーツクラブのようなプロスポーツクラブとの連携が難しい地域では、体育協会や総合型地域スポーツクラブとのパートナーシップで代替する形が考えられる。

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