【事例】新潟県加茂市の部活動地域展開 ─ 試行・普及・完了の3年計画でR7地域移行完了・5中学校統合と連動した「かもんクラブ」運営
・新潟県加茂市の地域移行で直面した課題と解決策
・運営主体の選択背景と財源確保の工夫
・他の自治体が参考にすべき視点
| 自治体名 | 新潟県加茂市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約2.6万人 |
| 中学校数 | 5校(2028年に1校に統合予定・統合校名「加茂市立加茂中学校」) |
| 運営形態 | 加茂市教育委員会主催・地域クラブ「かもんクラブ」運営 |
| 対象競技 | 各種スポーツ・文化活動(かもんクラブ情報サイトで種目別案内) |
| 保護者負担額 | 団体ごとに設定(情報サイトで案内) |
取り組みの概要
新潟県加茂市は、令和5年度から学校部活動の「地域移行」に取り組み、3年間(試行年度・普及年度・完了年度)で段階的に進めて令和7年度に休日部活動の地域移行を完了。令和8年度からは「地域展開」フェーズへ移行しています。市教育委員会主催の中学生地域クラブ「かもんクラブ」を運営の中心とし、子どもたちが将来にわたりスポーツ・文化活動に継続して親しめる環境を構築しています。
同市は2028年(令和10年)に市内5中学校を1校に統合し「加茂市立加茂中学校」を発足させる予定で、給食センターも新設する大規模な学校再編計画と連動して地域クラブの運営設計を進めている点が特徴です。
特徴的な取組
- 3年計画の明文化: 「試行年度」「普及年度」「完了年度」という3段階の年度設計を令和5年度から開始。段階ごとの到達目標を市民に提示することで、関係者の準備期間を明確化。
- R7地域移行完了→R8地域展開へ移行: 全国的にも先行する令和7年度の地域移行完了を達成。令和8年度からは「地域展開」フェーズへ移行し、活動内容の質的拡充段階に入っている。
- 「かもんクラブ」を運営の中心に: 加茂市教育委員会主催の中学生地域クラブ「かもんクラブ」を運営主体に位置付け、専用情報サイトで種目別案内を発信。
- 5中学校統合との連動設計: 2028年(令和10年)に市内5中学校を1校に統合する計画と連動。統合前から地域クラブを整備することで、統合後の競技人口集約による活動充実を見据えた設計。
- 給食センター新設との連動: 統合中学校では「若宮中学校」の校舎を活用し、給食センターも新設。学校再編・地域クラブ・施設整備を一体で進める包括的アプローチ。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 少子化進行下での5中学校体制の維持困難 | 2028年に5校を1校(加茂中学校)に統合する学校再編計画を策定。再編前から地域クラブを整備し、統合時の競技活動連続性を担保 |
| 移行スケジュールの中長期管理 | 「試行年度」「普及年度」「完了年度」の3段階設計を令和5年度から開始し、段階目標を明文化 |
| 地域クラブ運営の周知 | 「かもんクラブ」情報サイトをGoogle Sites等で開設し、保護者・生徒に種目別の活動情報を随時提供 |
| 休日活動の継続から平日への展開 | 令和7年度に休日地域移行を完了し、令和8年度から「地域展開」(拡充)フェーズへ移行する2段階アプローチ |
| 学校再編と部活動の整合性 | 給食センター新設・校舎活用などの施設整備と地域クラブ運営を統合計画として一体管理 |
成果・効果
令和5年度開始から3年間の段階移行で、令和7年度に休日部活動の地域移行を完了。令和8年度からは「地域展開」フェーズに入り、活動内容の質的拡充段階を迎えています。「かもんクラブ」専用情報サイトで保護者・生徒への情報発信を強化し、2028年の5中学校統合に向けた競技活動連続性を担保。新潟県内における人口2万人台の小規模都市モデルとして、学校再編と部活動地域移行を連動させた先行事例となっています。
出典
→ 原文: 加茂市公式ホームページ「加茂市中学生地域クラブ『かもんクラブ』情報サイトを開設しました」
→ 原文: 加茂市公式ホームページ「令和8年度『学校部活動の地域展開』と『かもんクラブ』について」
→ 原文: 加茂市公式ホームページ「統合中学校には『若宮中学校』の校舎を活用、さらに『給食センター』を新設へ」
💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント
加茂市の事例で最も注目すべきは、「学校再編×部活動地域移行」の連動設計です。多くの自治体では学校統合と部活動改革を別の議論で進めるため、統合後の競技人口配分や活動場所の調整が後追いになりがちです。加茂市は2028年の5中学校統合という大規模再編に向けて、統合前から地域クラブ「かもんクラブ」を整備することで、再編時の競技活動の連続性を制度的に担保しています。
また「試行年度→普及年度→完了年度」という3段階年度設計を明文化した点も特徴的です。多くの自治体が「令和○年度完全移行」とゴールイヤーだけを示すなか、加茂市は各年度の到達目標を区分することで関係者の心理的準備と実務準備の両方を促進。令和7年度に休日移行を完了し、令和8年度から「地域展開」フェーズに入った進捗管理の精度は注目に値します。
📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策
人口2〜3万人規模の小規模都市で同様のスキームを採用する場合、学校再編計画との時系列整合性が最大の論点になります。統合年度を見据えて「再編前に地域クラブを立ち上げる」設計を取ると、生徒・保護者・指導者の関係性を統合後にスムーズに引き継げます。逆に学校再編が決まってから地域クラブを立ち上げると、過渡期の混乱が大きくなりがちです。加茂市のように給食センター等の施設整備も含めた包括計画として進めることで、議会・住民の合意も得やすくなります。
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