【事例】岡山県津山市の部活動地域展開 ─ 地域クラブ「リスト一覧」で受け皿を可視化し参加率を大幅増
・地域クラブの「リスト一覧」配布で参加率が約2%から16.8%へ増えた津山市の手法
・種目をA(学校存続)とB(地域移行)に精選する現実的な線引き
・年2回のアンケートで効果を検証するデータドリブンな進め方
| 自治体名 | 岡山県津山市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約9.5万人(2025年1月時点) |
| 中学校数 | 8校(市立・中学生総数 約2,396人) |
| 運営形態 | 特定の1団体に集約せず、既存の複数の地域クラブ団体に委ねる/学校部活動と併存させる方式。市教委が「地域クラブ活動のリスト一覧」を試行的に作成・配布 |
| 対象競技 | サッカー・バレーボール・剣道・陸上・野球・バスケットボール・卓球・水泳等の運動系、オーケストラ・将棋・書道等の文化系(吹奏楽部は当面、休日活動を例外扱い) |
| 保護者負担額 | 調査時点で未公表 |
取り組みの概要
津山市は令和6年9月に「津山市立中学校部活動の在り方及び地域連携・地域移行の基本方針」を策定し、令和8年度の本格実施に向けて準備を進めています。市立中学校8校を対象に、学校部活動を種目ごとに精選し、令和7年3月に「学校部活動精選の方向性」を公表しました。種目をA(学校で無理なく指導体制を維持でき併存実施する種目)とB(地域クラブに委ね市内全体では開設しない特定種目)に分類して精選を進めています。受け皿として「地域クラブ活動のリスト一覧」を試行配布し、生徒の受け皿を可視化しました。令和7年11月下旬〜12月上旬には中学1〜3年生を対象としたアンケートを実施し、1,886人(回答率78.7%)から回答を得ています。リスト掲載団体への参加は16.8%ですが、リスト外を含めると約33.7%の生徒が既に何らかの地域クラブ活動に参加している実態が判明しました。
特徴的な取り組み
- 地域クラブ活動のリスト一覧の配布: 前年度は参加率約2%でしたが、掲載団体の拡充に伴い参加生徒が大きく増加。ホームページ・SNS・動画で周知しています。
- 種目のA/B精選と個別協議: Bに分類する特定種目について複数の種目関係団体と協議し、具体的な種目名を令和7年度中に順次公表する方針です。
- 年2回のアンケートによる効果検証: 令和6年度2〜3月と令和7年11〜12月に生徒アンケートを実施し、リスト配布の成果と令和8年度以降の生徒動向を検証しています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| リスト掲載が男子向け競技に偏り、女子が参加しやすい種目や文化・芸術系団体が極端に少ない | 女子が参加しやすい競技の掲載拡大、吹奏楽部の検討と併せた文化・芸術団体のリスト掲載を検討 |
| 令和8年度に学校部活動の活動時間が短くなる中、現存の地域クラブで平日放課後・休日の活動を補えるか不透明(送迎・費用・活動場所の負担) | リストの示し方の工夫、ニーズに合った活動の場の整備、負担軽減策の検討 |
成果・効果
リスト配布により、参加生徒は約2%から16.8%へ大幅に増加しました。参加者の約1割が「リストを見て興味がわいた」と回答し、配布の一定の成果が確認されています。令和8年度以降の意向調査で「学校部活動に所属する」を選んだ生徒は76.6%と、本年度加入率78.9%(1・2年生)とほぼ同水準で、部活動離れは限定的でした。地域クラブ活動を考える生徒は39.5%となっています。自由記述の意見が前回254件から今回57件に減少しており、周知活動により基本方針への理解が進んだと市は分析しています。
出典
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