【事例】山形県酒田市の部活動地域展開 ─ 7中学校×7地域クラブ受け皿×スポーツ・文化サポーターバンク×R8改革推進期間開始
・酒田市が全7中学校区それぞれに受け皿クラブを紐付ける校区別方式の設計
・スポーツ・文化サポーターバンクとセミナー年2回による指導者確保モデル
・二三六スポーツ文化クラブ広域連携+遊佐町自治体間連携による小規模市の解決策
| 自治体名 | 山形県酒田市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約9.5万人 |
| 中学校数 | 市立7校(第一中・第二中・第三中・第四中・第六中・鳥海八幡中・東部中) |
| 運営形態 | 行政直営「酒田市中学校部活動改革推進協議会」(R7.4.1要綱施行)+中学校区別7つの地域クラブ受け皿+「二三六スポーツ文化クラブ(仮称)」広域連携 |
| 対象競技 | 令和7年度103部活動(運動部83[準部15含む]/文化部20[休日活動9])/R7年度に運動部展開率48%(40部) |
| 保護者負担額 | クラブごとに会費設定(推進協議会で受益者負担理解が課題として明示)/会議資料時点で市統一額の記載なし |
取り組みの概要
山形県酒田市は令和7年4月1日に「酒田市中学校部活動改革推進協議会設置要綱」を施行し、令和7年6月2日に第1回推進協議会を開催。7中学校(第一中〜第六中・鳥海八幡中・東部中)を対象に、令和8年度からの「中学校部活動の地域展開改革推進期間」開始に向けた体制整備を進めています。令和4年度137部から令和7年度103部まで部活動数が減少するなかで、市は各中学校区に受け皿となる地域クラブを整備する「校区別クラブ振興会」方式を採用し、既に7中学校区すべてに固有の受け皿団体を紐付けています。第1回協議会報告(R7.6)時点で運動部の地域展開率は48%(40部)、文化部は0%となっており、令和7年度は「受け皿となるクラブの設立・支援」「人材発掘・育成」「クラブの広域化」を重点3項目に据えています。
特徴的な取り組み
- 中学校区別×7地域クラブ受け皿方式: 第一中→希望ケ丘体育文化振興会、第二中→酒田二中クラブ振興会、第三中→酒田三中クラブ振興会、第四中→きらり川南スポーツクラブ、第六中→酒田六中クラブ振興会、東部中→ひらた目ん玉スポーツクラブ、鳥海八幡中→鳥海八幡ジュニアクラブ(仮称)と、全7中学校区に受け皿を対応付ける設計です。
- 「二三六スポーツ文化クラブ(仮称)」広域連携構想: 二中・三中・六中の3中学校区を横断する広域クラブを構想し、単独校では成立しない部活動を複数校区で受ける仕組みを準備中。同市内広域連携に加え、隣接町(遊佐町)との広域連携も重点として明記されています。
- 「スポーツ・文化サポーターバンク」+セミナー2回開催: 指導者不足(あと47名必要/指導者ゼロのクラブが9クラブ=運動4・文化5)に対して、市独自の「スポーツ・文化サポーターバンク」を立ち上げ、5月・11月の年2回「サポーター・セミナー」で研修と登録推進を行っています。
- 部活動改革総括コーディネーター配置: 学校教育課内に事務局を置き、山形県部活動改革アドバイザー(石塚大輔氏)を有識者として推進協議会に招聘。委員18名の内訳は、スポーツ団体3・文化芸術団体1・総合型地域スポーツクラブ3・学校関係3・保護者7・アドバイザー1と保護者代表の比重が高いのが特徴です。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 指導者があと47名不足・指導者ゼロのクラブが9クラブ | スポーツ・文化サポーターバンクで市民ボランティアを登録、5月・11月のセミナーで質の担保 |
| 単独校では成立しない部活動・R4→R7で137→103部に減少 | 「二三六スポーツ文化クラブ(仮称)」等の広域連携クラブ、遊佐町との自治体間連携を計画 |
| 文化部の地域展開率0%(運動部48%に対し遅れ) | 酒田市芸術文化協会を協議会に加え、文化部の受け皿確保を重点課題として位置付け |
| 受益者負担への理解・事務処理の煩雑さ | 推進協議会で市民説明会を実施、事務局が謝金・実績報告等の管理システム実証を進める |
| 教員の超過勤務・地域展開への温度差 | 「教員の働き方改革の推進」と「望ましいスポーツ・文化芸術環境の構築」の両立を設置要綱の目的に明記 |
成果・効果
第1回推進協議会の報告資料(R7.6)では、成果として「サポーター・バンクの立ち上げ、セミナーの開催」「地域クラブ化の進捗(運動部展開率48%)」「保護者・指導者の意識・関心の高まり」「教員の超過勤務の減少」の4点が挙げられています。国の実証事業に参加した9クラブ(希望ヶ丘体育文化振興会・川南きらりスポーツクラブ・目ん玉スポーツクラブ・酒南ジュニア柔道クラブ・ハイクリア(バドミントンクラブ)・川南アスリートクラブ・東部卓球クラブ・酒四柔道クラブ・ルミナーレ新体操クラブ)のアンケートでは「指導者の責任感の向上」「クラブとしての認知度の向上」「子どもの選択肢の拡大・活動人数の充足」が成果として報告されました。一方で「事務手続きの煩雑さ」「学校施設利用制限」「地域展開への理解度の温度差」「生徒の評価場面(壮行式・表彰等)の減少」も課題として明示されています。
出典
→ 原文: 部活動改革だより(酒田市公式サイト)
→ 会議資料PDF: 令和7年度 第1回酒田市中学校部活動改革推進協議会(会議資料・42ページ)
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