【事例】大分県大分市の部活動地域展開 ─ 7回の検討委員会と3ステップ計画による令和12年度完全移行
| 自治体名 | 大分県大分市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約47万人(2024年時点) |
| 中学校数 | 29校(市立中学校) |
| 運営形態 | 市区町村運営型(地域団体・人材活用型または任意団体設立型) |
| 対象競技 | 全種目(運動部17競技・文化部7分野) |
| 保護者負担額 | 調査時点で未定(R5アンケートでは月1,000〜3,000円未満が最多回答) |
取り組みの概要
大分市は令和5年(2023年)10月に「大分市立中学校部活動地域移行検討委員会」を発足させ、令和7年2月までに7回の審議を経て報告書をまとめました。市内29校・12,536人が在籍し、運動部437部・文化部50部を有する中核市として、一律の移行ではなく「複数の道筋」と「多様な方法」を組み合わせた段階的移行を基本方針としています。令和12年度(2030年度)の休日部活動完全移行を最終目標に、3段階のスケジュールを設定しました。中学生世代の人口が令和5年度13,870人から令和17年度には10,724人(22.7%減)に減少する見込みのなか、少子化に対応した持続可能な体制構築を急いでいます。
特徴的な取り組み
- 3ステップの段階的移行計画:第1期(R5〜R7年度)は体制構築と検証事業、第2期(R8〜R10年度)は学校と地域クラブの連携推進、第3期(R11〜R12年度)は休日部活動の地域クラブ活動への完全移行という明確な工程表を設けています。
- 2タイプの運営モデル並立:総合型地域スポーツクラブ等の既存団体を活用する「地域団体・人材活用型」と、新たな任意団体を設立する「任意団体設立型」の2つのモデルを地域の実情に応じて選択できる柔軟な体制を採用しています。
- 人材バンクの拡充と専門部署設置:大学生・公務員・退職教員・民間企業従事者を指導者として登録する人材バンクを拡充し、部活動地域移行に関する専門部署を設置して一元的な管理運営を図ります。経済的困窮家庭・多子世帯への費用支援も検討しています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 教員の73%(714人中523人)が休日の地域指導を「したくない」と回答 | 地域人材の人材バンク拡充を中心に据え、謝礼金制度の整備と並行して教員に依存しない運営体制を構築しています。 |
| 地区によって最大60%の中学生世代人口減少が見込まれる(野津原地区等) | 地域・競技・文化活動ごとに異なる状況に対応するため、複数の運営モデルを地区の実情に応じて組み合わせる臨機応変な対応を基本方針としています。 |
成果・効果
令和7年2月に報告書を策定し、令和5年12月に実施した大規模アンケート(生徒6,826人・回答率86%、保護者2,779人、教員714人)の結果を基盤とした移行計画が整備されました。保護者の最多回答は「月1,000〜3,000円未満が妥当」であり、経済的負担を抑制した受益者負担制度の設計が今後の課題となっています。専門部署の設置と人材バンク拡充が令和8年度からの本格稼働に向けた重点施策となっています。
出典
→ 原文: 大分市立中学校部活動地域移行検討委員会 報告書(令和7年2月) ─ 大分市公式ウェブサイト