【事例】千葉県印西市の部活動地域展開 ─ 全9校の野球・女子バレー2種目を先に止めて「印西NEXUS」へ移す二段階移行
・モデル校方式ではなく「種目を絞って全9校一斉に止める」印西市の段階移行の設計
・地域クラブ名称「印西NEXUS」と民間事業者委託による専用運営事務局の体制
・小中体連の参加要件から逆算して軟式野球の編成単位を決めた実務的な判断
| 自治体名 | 千葉県印西市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約11万人(2026年時点) |
| 中学校数 | 市内中学校9校 |
| 運営形態 | 民間事業者(株式会社アーシャルデザイン)への委託による「印西市地域クラブ運営事務局」が運営 |
| 対象競技 | 軟式野球・女子バレーボールを先行(令和8年9月に全種目へ拡大) |
| 保護者負担額 | 市公表資料では未提示 |
取り組みの概要
印西市は、休日の部活動を段階的に地域クラブへ移す工程を、種目を絞った「停止」から始める方式で設計しました。令和7年9月より、市内全9校の軟式野球部と女子バレーボール部について休日の部活動を停止し、地域クラブ活動へ移行します。その1年後の令和8年9月には、全ての種目の休日の部活動を停止し地域クラブ活動へ完全移行する計画です。中学生の休日の活動は学校部活動ではなく、地域クラブ「印西NEXUS(ネクサス)〇〇クラブ」の一員として取り組む形になります。市の取組は千葉県が実施する先行モデル事業(地域クラブ活動体制整備事業)にも参加しており、県はスポーツ庁の補助金を活用して先行して地域移行に取り組む市町村へ財政支援を行っています。
特徴的な取り組み
- 2種目に絞って先に「止める」: 受け皿ができた種目から少しずつ増やす方式ではなく、軟式野球と女子バレーボールという2種目について市内全9校の休日部活動を一斉に停止し、地域クラブへ移すという明確な区切りを設けました。種目単位で全校を揃えるため、合同チーム編成や大会参加の調整を種目内で完結させやすくなります。
- 「印西NEXUS」というブランドの設定: 市は地域クラブの名称を「印西NEXUS」と定めました。NEXUSは「結びつき」「連携」「つながり」を意味する言葉で、スポーツ・文化芸術活動を通した学校と地域、いろいろな世代・地域の人とのつながりを象徴させ、市全体で一体感・団結力が深まる事業にしたいという意図から選定されたものです。市はこの取組が県内のみならず全国のフロントランナーになることを目指すとしています。
- 民間事業者への運営委託と専用事務局: 「印西市地域クラブ運営事務局」を設け、部活動支援事業を行う株式会社アーシャルデザインが運営を担います。事務局が問い合わせ窓口となり、教育委員会指導課と並んで連絡先を公表しています。
- 種目ごとの個別説明会を積み上げる: 令和7年6月下旬に女子バレーボールの6クラブについて個別説明会を実施し、指導者・ユニフォーム・送迎などの質問や意見を集めました。続いて令和7年8月上旬に軟式野球の個別説明会を予定しています。全体説明会ではなくクラブ単位で行い、運営の具体を詰める進め方です。
- 大会参加要件に合わせた軟式野球の扱い: 軟式野球は小中体連の参加要件により拠点校型部活動での大会参加を予定しているため、それぞれ所属している学校部活動ごとの合同チームを地域クラブ化して活動していく方式を採ります。大会出場の可否から逆算してクラブの編成単位を決めた例です。
- リーフレットによる継続的な情報発信: 市は「印西市の部活動地域移行について」と題したリーフレットを継続発行しており、令和7年7月発行分でvol.8に達しています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 全種目を一度に地域移行すると運営が破綻するが、受け皿ができた種目から順に移すと学校間で扱いがばらつく | 種目を軟式野球・女子バレーボールの2つに絞り、市内全9校で同時に休日部活動を停止して地域クラブへ移す。1年間の検証を経て令和8年9月に全種目へ拡大する |
| 地域クラブになると中学校体育連盟主催大会の参加要件を満たせない種目が生じる | 軟式野球は小中体連の参加要件をふまえて拠点校型部活動での大会参加を予定し、所属する学校部活動ごとの合同チームを地域クラブ化する形で編成する |
| 指導者・ユニフォーム・送迎など、保護者の具体的な不安が多岐にわたる | 全体説明会だけでなくクラブ単位の個別説明会を実施し、質問・意見を受けてブラッシュアップする |
| 市の職員体制だけでは地域クラブの運営実務を担いきれない | 「印西市地域クラブ運営事務局」を設け、部活動支援事業を行う民間事業者へ委託する |
| 新しい枠組みが生徒・保護者・地域に浸透しない | 「印西NEXUS」という名称を設定し、リーフレットを継続発行して段階的に周知する |
成果・効果
令和7年6月下旬には、女子バレーボールの6クラブについて個別説明会が実施されました。指導者のこと、ユニフォームのこと、送迎のことなど多くの質問・意見が寄せられ、市地域クラブ運営事務局はこれらを受けて地域クラブとして成長できるよう支援するとしています。続いて令和7年8月上旬には軟式野球の個別説明会が予定されました。移行の第1弾となる令和7年9月の地域クラブ開始に向けては、印西NEXUSのユニフォームも準備が進められています。令和8年度には本格モデル事業として休日の全部活動を停止し地域クラブ化する計画で、令和8年4月11日には全体説明会の開催が予定されています。
出典
→ 原文: 印西市「印西市の部活動地域移行について」
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