トップ 事例を探す 京都府 【事例】京都府宮津市の部活動地域展開 ─ 中学2校250人・3ケース型並行実証(競技団体/地域住民/総合型クラブ)
全種目 👥 1~5万人 🏫 小規模校(〜150人) 📍 京都府

【事例】京都府宮津市の部活動地域展開 ─ 中学2校250人・3ケース型並行実証(競技団体/地域住民/総合型クラブ)

公開:2026.05.20 更新:2026.05.20
この記事でわかること

・宮津市が中学2校・生徒250人の超小規模自治体で実施する3ケース型並行実証モデル
・競技団体・地域住民・総合型クラブの3類型を比較検証する稀有な事業設計
・中体連は部活動・その他は地域クラブという併用参加の制度設計と費用構造

自治体名 京都府宮津市
人口規模 15,966人(事業実施時点)
中学校数 2校(宮津中学校・栗田中学校)/公立中学校生徒数250人
運営形態 宮津市教育委員会主導・3つのケース型(A:競技団体連携、B:地域団体連携、C:総合型クラブ連携)を並行実証
対象競技 陸上、ソフトテニス、フリースポーツ(マルチスポーツ)
保護者負担額 陸上・ソフトテニスは会費なし(保険料のみ:生徒800円/年)、フリースポーツは前期3,000円+後期3,000円+年会費6,000円

取り組みの概要

京都府宮津市(人口15,966人・公立中学校2校・生徒数250人)は、令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業に参加し、スポーツ庁の実証事業に取り組みました。担当課は宮津市教育委員会事務局学校教育課(0772-45-1699)。「全国を上回る速度で急速に少子化が進行」する中、学校単独では維持困難な部活動が出てきていることを受け、3つのケース型(A:競技団体連携、B:地域団体連携、C:総合型クラブ連携)を並行して実証する小規模自治体モデルを構築しました。市内・外部団体、地域学校協働活動、総合型地域スポーツクラブそれぞれを通じて14部活動の受け皿を整備する取り組みです。

特徴的な取り組み

  • 3ケース型を並行実証する珍しいアプローチ: ケースA「競技団体連携」は宮津市陸上競技協会と連携した「宮津市中学生陸上クラブ」、ケースB「地域団体連携」は地域住民が運営する「栗田&由良Sテニスclub」、ケースC「総合型クラブ連携」は「総合型地域スポーツクラブRAINBOW」のフリースポーツ。3つの異なる運営主体類型を1つの自治体内で同時実証している。
  • 3年生で部活動を終えた生徒も継続参加可能: 中体連大会には学校部活動として、その他大会には地域クラブとして参加する併用設計。3年生が部活動引退後も地域クラブで活動を継続できる仕組みを実証。
  • 会費負担を活動類型で差別化: 競技団体連携(陸上)と地域団体連携(ソフトテニス)は会費なし、総合型クラブ連携(フリースポーツ)のみ年会費6,000円+前後期各3,000円。運営コスト構造に応じた現実的な会費設定。
  • 1人あたり指導者数3〜7人体制で250人の生徒を支援: 全体指導者16人・運営スタッフ16人(兼務含む)の体制。陸上クラブ3〜5人、ソフトテニス3〜4人、フリースポーツ7人と種目特性に応じた人数配置。
  • R6年5月から段階的に協議・実証開始: 5月関係団体協議→7月保護者向け文書配布→8月第1回検討委員会→9月陸上・ソフトテニス実証開始→10月フリースポーツ実証開始→11月アンケート→12月第2回検討委員会→R7.3月第3回検討委員会。約10か月で実証から検証まで完了する密度の高い計画。
  • 主な移動手段にスクールバスを位置づけ: 栗田&由良SテニスClubでは徒歩・スクールバスを移動手段に明示。中山間地の小規模校でも参加可能な仕組みを構築。

課題と解決策

課題 解決策
全国を上回る速度で進む少子化(公立中学校生徒数250人) 市内2校(宮津中・栗田中)の生徒が校区を越えて参加できる広域クラブを設計。総合型クラブRAINBOWは両校生徒を受け入れ
学校単独では維持困難な部活動の発生(2学期以降に活動継続が難しい種目) 競技団体・地域住民・総合型クラブの3類型から最適な受け皿を選択。種目ごとに運営主体類型を変えるハイブリッド設計
地域スポーツ団体・文化団体と学校との連携不足 教育委員会学校教育課を起点とし、社会教育課・首長部局の文化スポーツ担当課・スポーツ協会・文化団体協議会の連携体制を構築
運営費・指導者謝礼の財源 教育委員会が「事業設計・指導者謝礼・保険加入・学校との連絡調整」を担当し、運営団体が現場運営を担う役割分担で財源を一部肩代わり

成果・効果

陸上クラブ(宮津中)・ソフトテニスクラブ(栗田中)・フリースポーツクラブ(両校)の3クラブが令和6年9〜10月に活動を開始し、令和7年3月まで継続実証されました。3つのケース型を並行して試行することで、競技団体・地域住民・総合型クラブそれぞれの強み・弱みを比較分析できる稀少なデータが得られた点が成果です。アンケート調査も児童・生徒・保護者・教員の4者で実施され、定量的な検証も同時進行。中学校2校・生徒250人という超小規模自治体において、複数の運営主体類型を同時実証した事例は全国でも稀少で、人口1〜2万人規模の地方都市が部活動地域展開を進める際の「どのモデルが自地域に合うか」を判断する素材として極めて有用です。

出典

→ 原文: 令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業 京都府宮津市報告書(スポーツ庁・PDF)

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

宮津市の最大の特徴は「3ケース型の並行実証」です。ケースA競技団体(陸上協会)・ケースB地域住民(ソフトテニス)・ケースC総合型クラブ(RAINBOW)という3つの異なる運営主体類型を1つの市内で同時に試行している点は、全国的にも稀有な設計です。中学校2校・生徒250人という超小規模自治体では「どの類型が一番合うか」を絞り込む余裕がなく、複数を並行運営しながら比較検証できるよう設計したのは合理的です。さらに「中体連大会は部活動として、その他大会は地域クラブとして」という二刀流の参加方法を制度化した点も、現行制度との橋渡しとして実務的に有効です。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

人口1〜2万人規模の小規模自治体が宮津モデルを採用するハードルは、(1)競技団体・地域住民・総合型クラブの3類型がすべて地域内に存在するか、(2)教育委員会が事業設計・指導者謝礼・保険加入・連絡調整を一手に担う事務処理能力、(3)10か月で実証→検証まで完了する高密度スケジュールへの対応力です。3類型が揃わない自治体は、まず1〜2類型から始めて段階拡大する戦略が現実的。また、会費なしで運営できているのはスポーツ庁実証事業の補助金が背景にあるため、補助金終了後の継続財源設計(会費引き上げ・市予算化・寄付など)は前もって計画する必要があります。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

教育委員会の学校教育課・社会教育課・首長部局の文化スポーツ担当課が役割分担する体制は、行政組織として堅実です。アンケート調査を4者(児童・生徒・保護者・教員)に対して実施する透明性、第1〜3回検討委員会で年度総括と次年度方針を策定する流れもガバナンスとして機能しています。一方、人口減少が「全国を上回る速度」で進む中、生徒数250人という基盤がさらに縮小すれば、3クラブを維持する指導者・運営スタッフ各16人の確保が困難になります。将来的には他自治体との広域連携(北部丹後地域での合同クラブ運営など)が持続可能性の鍵となる可能性が高いです。

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