【事例】京都府宮津市の部活動地域展開 ─ 中学2校250人・3ケース型並行実証(競技団体/地域住民/総合型クラブ)
・宮津市が中学2校・生徒250人の超小規模自治体で実施する3ケース型並行実証モデル
・競技団体・地域住民・総合型クラブの3類型を比較検証する稀有な事業設計
・中体連は部活動・その他は地域クラブという併用参加の制度設計と費用構造
| 自治体名 | 京都府宮津市 |
|---|---|
| 人口規模 | 15,966人(事業実施時点) |
| 中学校数 | 2校(宮津中学校・栗田中学校)/公立中学校生徒数250人 |
| 運営形態 | 宮津市教育委員会主導・3つのケース型(A:競技団体連携、B:地域団体連携、C:総合型クラブ連携)を並行実証 |
| 対象競技 | 陸上、ソフトテニス、フリースポーツ(マルチスポーツ) |
| 保護者負担額 | 陸上・ソフトテニスは会費なし(保険料のみ:生徒800円/年)、フリースポーツは前期3,000円+後期3,000円+年会費6,000円 |
取り組みの概要
京都府宮津市(人口15,966人・公立中学校2校・生徒数250人)は、令和6年度地域スポーツクラブ活動体制整備事業に参加し、スポーツ庁の実証事業に取り組みました。担当課は宮津市教育委員会事務局学校教育課(0772-45-1699)。「全国を上回る速度で急速に少子化が進行」する中、学校単独では維持困難な部活動が出てきていることを受け、3つのケース型(A:競技団体連携、B:地域団体連携、C:総合型クラブ連携)を並行して実証する小規模自治体モデルを構築しました。市内・外部団体、地域学校協働活動、総合型地域スポーツクラブそれぞれを通じて14部活動の受け皿を整備する取り組みです。
特徴的な取り組み
- 3ケース型を並行実証する珍しいアプローチ: ケースA「競技団体連携」は宮津市陸上競技協会と連携した「宮津市中学生陸上クラブ」、ケースB「地域団体連携」は地域住民が運営する「栗田&由良Sテニスclub」、ケースC「総合型クラブ連携」は「総合型地域スポーツクラブRAINBOW」のフリースポーツ。3つの異なる運営主体類型を1つの自治体内で同時実証している。
- 3年生で部活動を終えた生徒も継続参加可能: 中体連大会には学校部活動として、その他大会には地域クラブとして参加する併用設計。3年生が部活動引退後も地域クラブで活動を継続できる仕組みを実証。
- 会費負担を活動類型で差別化: 競技団体連携(陸上)と地域団体連携(ソフトテニス)は会費なし、総合型クラブ連携(フリースポーツ)のみ年会費6,000円+前後期各3,000円。運営コスト構造に応じた現実的な会費設定。
- 1人あたり指導者数3〜7人体制で250人の生徒を支援: 全体指導者16人・運営スタッフ16人(兼務含む)の体制。陸上クラブ3〜5人、ソフトテニス3〜4人、フリースポーツ7人と種目特性に応じた人数配置。
- R6年5月から段階的に協議・実証開始: 5月関係団体協議→7月保護者向け文書配布→8月第1回検討委員会→9月陸上・ソフトテニス実証開始→10月フリースポーツ実証開始→11月アンケート→12月第2回検討委員会→R7.3月第3回検討委員会。約10か月で実証から検証まで完了する密度の高い計画。
- 主な移動手段にスクールバスを位置づけ: 栗田&由良SテニスClubでは徒歩・スクールバスを移動手段に明示。中山間地の小規模校でも参加可能な仕組みを構築。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 全国を上回る速度で進む少子化(公立中学校生徒数250人) | 市内2校(宮津中・栗田中)の生徒が校区を越えて参加できる広域クラブを設計。総合型クラブRAINBOWは両校生徒を受け入れ |
| 学校単独では維持困難な部活動の発生(2学期以降に活動継続が難しい種目) | 競技団体・地域住民・総合型クラブの3類型から最適な受け皿を選択。種目ごとに運営主体類型を変えるハイブリッド設計 |
| 地域スポーツ団体・文化団体と学校との連携不足 | 教育委員会学校教育課を起点とし、社会教育課・首長部局の文化スポーツ担当課・スポーツ協会・文化団体協議会の連携体制を構築 |
| 運営費・指導者謝礼の財源 | 教育委員会が「事業設計・指導者謝礼・保険加入・学校との連絡調整」を担当し、運営団体が現場運営を担う役割分担で財源を一部肩代わり |
成果・効果
陸上クラブ(宮津中)・ソフトテニスクラブ(栗田中)・フリースポーツクラブ(両校)の3クラブが令和6年9〜10月に活動を開始し、令和7年3月まで継続実証されました。3つのケース型を並行して試行することで、競技団体・地域住民・総合型クラブそれぞれの強み・弱みを比較分析できる稀少なデータが得られた点が成果です。アンケート調査も児童・生徒・保護者・教員の4者で実施され、定量的な検証も同時進行。中学校2校・生徒250人という超小規模自治体において、複数の運営主体類型を同時実証した事例は全国でも稀少で、人口1〜2万人規模の地方都市が部活動地域展開を進める際の「どのモデルが自地域に合うか」を判断する素材として極めて有用です。
出典
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