【事例】三重県松阪市の部活動地域展開 ─ 「まつさか地域クラブ」と3層の指導者体制で進める段階移行
この記事でわかること
・松阪市が「まず地域連携から」と順序を定めた段階的な地域展開方針
・部活動指導員・外部指導者・ボランティアの3層で指導者を確保する仕組み
・指導員配置後83%が「充実」と回答したデータに基づく全校拡大の判断
| 自治体名 | 三重県松阪市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約15.5万人(2025年2月時点) |
| 中学校数 | 11校(市立中学校・生徒数約3,970人) |
| 運営形態 | 非営利の運営団体(スポーツ少年団・体育協会・競技団体・クラブチーム・大学・保護者会等)が担う「まつさか地域クラブ活動」。コミュニティ・スクールを活用し市教委が認定 |
| 対象競技 | スポーツ・文化芸術活動全般(特定競技の指定なし) |
| 保護者負担額 | 調査時点で未公表(運営団体が活動維持に必要な範囲で会費を設定し、地元企業協力・寄附等で負担軽減に努める方針) |
取り組みの概要
松阪市教育委員会は令和5年度に「松阪市中学校部活動あり方検討会」を設置し、令和7年2月に「松阪市部活動ガイドライン まつさか地域クラブ活動方針」を策定しました。少子化で従来体制の部活動維持が難しくなる中、「既存の学校部活動を大切にしながら、まずは地域連携を進める」という方針を採り、いきなりの全面移行はしていません。国が令和7年12月に「地域移行」を「地域展開」へ名称変更し、令和8〜13年度を改革実行期間としたことに合わせ、松阪市も令和8年度は休日・平日の部活動を継続しつつ地域連携を深める段階にあります。「子どもファースト」「誰一人取り残さない」を理念に掲げ、地域クラブの活動名称を「まつさか地域クラブ活動」とし、市が立ち上げる「まつさかクラブ活動」と既存の民間クラブが加入する「まつみんクラブ活動」の2区分で受け皿を整えています。
特徴的な取り組み
- 3層の指導者確保体制: 「部活動指導員(会計年度任用職員)」「スポーツ文化エキスパート外部指導者(有償ボランティア)」「部活動ボランティア(無償)」の3層で指導者を確保し、指導の質と量を同時に担保します。
- 全中学校への指導員配置: 令和6年度から市内全中学校に部活動指導員を各校1人以上配置(会計年度任用職員として採用)し、教員の専門外指導・長時間勤務を軽減します。
- コミュニティ・スクールの活用: 学校・子ども・地域をつなぐ運営団体づくりを、文化課・スポーツ課・学校教育課等からなる協議会で連携して推進します。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 少子化で単独校では部員数が不足し、部活動の存続が困難 | 近隣校との合同チーム編成、および地域クラブ活動の受け皿整備 |
| 教員の専門外指導・長時間勤務、生徒が専門的指導を受けにくい | 専門性を持つ指導員・外部指導者・ボランティアの積極配置による指導体制の補強 |
成果・効果
部活動指導員を配置した学校部活動の生徒アンケートでは「とても充実している/充実している」が83%と高評価を得ており、これを根拠に令和6年度から全中学校への指導員配置(各校1人以上)へ拡大しました。部活動加入率は市内で約87%(運動部61%・文化部26%、令和6年度実態調査)を維持しています。
出典
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