【事例】大分県竹田市の部活動地域展開 ─ 吹奏楽・陸上・剣道を先行移行し、合同練習を挟んで令和8年4月の休日全種目移行へ
・令和6年4月に吹奏楽・陸上・剣道が地域クラブへ先行移行し、条件が整った種目から順に切り替え
・バレーボール・野球・テニスは合同練習+部活動指導員配置を移行前の中間段階に設定
・課題を「指導者・受け皿の確保」と「クラブ運営資金」の2点に整理し、対応方針とともに公開
| 自治体名 | 大分県竹田市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約1.8万人(2026年6月末時点:18,215人・9,638世帯) |
| 中学校数 | 4校(竹田中学校・竹田南部中学校・緑ヶ丘中学校・直入中学校/竹田市立中学校設置条例) |
| 運営形態 | 行政直営(市教育委員会学校教育課が進行管理し、各学校の部活動顧問やスポーツ団体と協議しながら受け皿と指導者を確保) |
| 対象競技 | 令和6年4月から吹奏楽・陸上・剣道が地域クラブで活動。令和6年9月時点でバレーボール・野球・テニスが合同練習を実施し移行準備中 |
| 保護者負担額 | 未定。国や県の補助金の活用をしつつ、運営負担金の徴収も視野に入れて持続可能な取り組みを検討中 |
取り組みの概要
大分県竹田市は、休日の部活動を令和8年4月に地域クラブへ移行することを目標に、種目ごとの段階移行を進めています。令和6年10月4日の第2回竹田市総合教育会議で、市教育委員会学校教育課が「休日の部活動の地域クラブ移行の現状報告」として進捗を報告しました。
報告によれば、令和6年4月から吹奏楽・陸上・剣道の3つが地域クラブとして活動を始めています。同年9月時点ではバレーボール・野球・テニスが合同練習を行っており、部活動指導員の配置を行いながら地域クラブ移行に向けて準備を進めているとされました。
課題として明示されたのは、指導者や受け皿の確保と、クラブ運営資金をどうしていくかの2点です。指導者については各学校の部活動顧問やスポーツ団体と協議を重ねながら発掘を継続し、運営資金については国や県の補助金の活用をしつつ、運営負担金の徴収も視野に入れて持続可能な取り組みを検討しているとしています。
市立中学校は竹田・竹田南部・緑ヶ丘・直入の4校で、人口は令和8年6月末時点で18,215人・9,638世帯です。人口2万人を切る規模で全種目の休日移行を目指す取組になります。
特徴的な取り組み
- 文化部を先行させた種目別の段階移行: 令和6年4月に地域クラブへ移行したのは吹奏楽・陸上・剣道の3つで、運動部の地域展開が先行しがちな中、文化部の吹奏楽を第1陣に含めています。指導者の確保しやすさや既存団体の有無といった条件が整った種目から順に切り替える進め方です。
- 合同練習を移行前の中間段階に置く: バレーボール・野球・テニスは、いきなり地域クラブへ移すのではなく、まず学校をまたいだ合同練習を行い、そこへ部活動指導員を配置しながら移行準備を進めています。合同でチームが成立するかを先に確かめてから受け皿を作る順序です。
- 課題を「指導者・受け皿」と「運営資金」の2点に整理: 総合教育会議の場で、課題を指導者や受け皿の確保とクラブ運営資金の2点に絞って報告しています。前者は各学校の部活動顧問やスポーツ団体との協議を重ねて指導者を発掘する、後者は国や県の補助金を活用しつつ運営負担金の徴収も視野に入れる、という対応方針まで併せて示されています。
- 特別支援学校の生徒が地域クラブで県大会に出場: 竹田市は副次的な学籍制度「たけたんインクルーシブ学籍」を運用しており、竹田支援学校と居住地校が打ち合わせを行って授業や生徒会行事等への出席・参加を進めています。同会議では、地域クラブへ加入して活躍している生徒がおり、多くの大会を経験できたこと、大分県中学校総合体育大会に出場できたことが本人の自信とやる気につながったと保護者から手紙で伝えられたことが報告されました。
- 教育推進大綱にスポーツ・文化活動を位置づけ: 令和7年度から5年間の「竹田市教育推進大綱」は、基本理念を「他者とともにある かけがえのない私、『自分らしさ』から『人らしさ』へ」とし、基本方針の2つ目に「多様な他者と協働し、スポーツ、文化活動に親しむ(生涯学習)」を掲げています。部活動の地域展開が生涯学習の枠組みの中に位置づけられた形です。
- 総合教育会議で市長部局と教育委員会が同席して確認: 進捗報告は市長・教育長・教育委員が同席する総合教育会議の場で行われ、会議録がPDFで公開されています。市長部局と教育委員会部局が一体となって教育問題の課題に取り組むための会議と位置づけられており、予算を伴う受け皿づくりを両者で共有する構造になっています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 受け皿となる地域クラブと指導者が不足している | 各学校の部活動顧問やスポーツ団体と協議を重ねながら、指導者の発掘を継続して行う |
| クラブ運営資金をどう確保するかが定まらない | 国や県の補助金の活用を前提としつつ、運営負担金の徴収も視野に入れて持続可能な取り組みを検討する |
| 人口2万人未満・中学校4校では、学校単位で成立しない種目がある | バレーボール・野球・テニスについて学校をまたいだ合同練習を先に実施し、部活動指導員を配置しながら地域クラブ移行の準備を進める |
| 全種目を一度に移すと受け皿づくりが追いつかない | 条件が整った吹奏楽・陸上・剣道を令和6年4月に先行移行させ、残る種目を合同練習の段階から順次進める |
| 特別支援学校に在籍する生徒が居住地域の活動に参加しにくい | 副次的な学籍「たけたんインクルーシブ学籍」で竹田支援学校と居住地校が打ち合わせを行い、一人一人について担任や保護者と参加の形を確認しながら進める |
成果・効果
令和6年4月時点で吹奏楽・陸上・剣道の3つが地域クラブとして活動を開始しました。同年9月時点ではバレーボール・野球・テニスが合同練習の段階に入っており、部活動指導員の配置を進めながら移行準備が続いています。
たけたんインクルーシブ学籍の取組では、地域クラブに加入して活躍している生徒が大分県中学校総合体育大会に出場し、それが本人の自信とやる気につながったことが保護者から市へ伝えられました。市は、この取組を進めることで学校卒業後も地域や仲間との温かな繋がりを持ち続けて暮らせる環境づくりに努めるとしています。
市立中学校は4校で、人口は令和8年6月末時点で18,215人・9,638世帯です。令和8年4月に、各学校にある部活動について休日の地域クラブ移行を実現することが目標として掲げられています。
出典
→ 原文: 令和6年度第2回竹田市総合教育会議 会議録(令和6年10月4日)PDF
→ 原文: 竹田市立中学校設置条例
→ 原文: 竹田市「人口」統計
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