【事例】鹿児島県鹿屋市の部活動地域展開 ─ スポーツ・文化2つの運営団体と人材バンクで休日から段階移行
・鹿屋市がスポーツ系NPOと音楽支援団体の2運営団体制で休日部活動を段階移行する仕組み
・5類型の資格要件と面接審査を組み合わせた「地域の指導者」人材バンクの設計
・時給1,500円上限・倫理規定準拠の取消規定など他自治体が参考にできる運用ルール
| 自治体名 | 鹿児島県鹿屋市 |
|---|---|
| 人口規模 | 約10万人(2020年国勢調査) |
| 中学校数 | 市立12校 |
| 運営形態 | NPO法人(スポーツ系)+民間音楽団体(文化系)の2運営団体制・市部活動地域移行推進協議会が統括 |
| 対象競技 | 運動部・文化部(吹奏楽等)全般 |
| 保護者負担額 | 調査時点で未公表 |
取り組みの概要
鹿屋市は、子どもたちの持続可能なスポーツ・文化芸術活動の環境整備と教職員の負担軽減の促進を図るため、休日の中学校部活動を学校や地域の実態に応じて地域クラブ活動へ段階的に移行しています。その中核となるのが、地域クラブ活動の指導者となる「地域の指導者」の人材バンク制度です。登録要項は令和6年5月1日に施行され、市内の中学校に休日から段階的に指導者を派遣する仕組みが動き始めました。
特徴的なのは、受け皿となる運営団体をスポーツ系と文化系で分けている点です。地域スポーツクラブ活動の運営はNPO法人かのや健康・スポーツクラブが、地域文化クラブ活動の運営は音楽支援ネットワークグループ「音YUZURI(おとゆずり)」が担い、鹿屋市部活動地域移行推進協議会の事務局が全体を統括します。
特徴的な取り組み
- スポーツ系・文化系の2運営団体制: 運動部の受け皿はNPO法人かのや健康・スポーツクラブ、吹奏楽等文化部の受け皿は音楽支援ネットワークグループ音YUZURIと明確に分担し、それぞれの専門性を活かした運営体制を構築しています。
- 5類型の資格要件を定めた人材バンク: 登録には18歳以上であることに加え、(ア)市スポーツ協会・市教育委員会・市内中学校長のいずれかの推薦、(イ)教員免許の授与経験と指導実績、(ウ)日本スポーツ協会等の中央競技団体認定の指導者資格、(エ)文化部活動の活動実績、(オ)学校での部活動指導実績──のいずれかに該当することが必要です。
- 校長の要請に基づく4段階の採用フロー: 校長が派遣要請を協議会事務局へ提出し、人材バンクから人選、校長と事務局担当者による面接を経て採用となる手順を明文化。学校側のニーズを起点にした派遣を徹底しています。
- 日本スポーツ協会倫理規定に準拠した登録取消規定: 体罰・ハラスメント等があった場合の登録取消事由を、暴力・精神的虐待・セクシュアルハラスメント・試合の不正操作など具体例を挙げて明記しています。
課題と解決策
| 課題 | 解決策 |
|---|---|
| 指導者の質の担保 | 推薦・教員免許・競技団体認定資格・指導実績など5類型の資格要件と、校長・事務局による面接審査を組み合わせて選考 |
| 不適切指導の防止 | 体罰・各種ハラスメント等の登録取消事由を日本スポーツ協会倫理規定に準拠して要項に明文化 |
| 教員の負担軽減と専門的指導の両立 | 休日の部活動から段階的に「地域の指導者」を派遣し、実技指導・大会引率・練習計画作成・保護者連絡まで職務として担う |
成果・効果
「地域の指導者」の勤務時間は週当たり3時間程度(大会等の引率業務は1回8時間以内)、報酬は勤務1時間当たり1,500円を上限として月額で算定されます。派遣は1部活動につき原則1人とし、学校の要望による複数配置の場合も報酬は1人分として算定するルールを明確にしています。指導者の職務には実技指導のほか、安全・スポーツ障害予防の指導、大会・練習試合の引率、用具・施設の点検管理、練習計画の作成、生徒指導への対応まで8項目が位置付けられており、教員が担ってきた業務を包括的に地域へ引き継ぐ設計です。参加者数等の定量的な成果は調査時点で未公表です。
出典
→ 原文: 中学校部活動地域移行に係る鹿屋市「地域の指導者」人材バンク登録要項(鹿屋市)
→ 参考: 中学校部活動の「地域の指導者」募集(鹿屋市公式サイト)
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