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全種目 👥 10~30万人 🏫 中規模校(150〜300人) 📍 神奈川県

【事例】神奈川県厚木市の部活動地域展開 ─ 6千件超のニーズ調査と中学校ブロック制で送迎負担を抑える推進計画

公開:2026.07.27 更新:2026.07.27
この記事でわかること

・厚木市が6千件超のニーズ調査を土台に部活動地域展開推進計画を策定していること
・保護者負担で最多の「送迎」に対し、中学校のブロック制で移動距離を抑える検討をしていること
・合同部活動を令和3年の2種目3校から令和7年4種目11校へ拡大し、移行前の活動機会を確保したこと

自治体名 神奈川県厚木市
人口規模 約22万人(令和8年時点)
中学校数 市立中学校13校(令和7年5月時点・生徒5,352人/加入率77.0%)
運営形態 「厚木市立中学校部活動地域展開推進計画」を策定中。運営団体は総合型クラブ・スポーツ協会・競技団体・民間事業者・大学等の多様な団体を想定(具体的な委託先は検討中)
対象競技 特定競技のモデル指定はなし(合同部活動の対象は6競技)
保護者負担額 受益者負担が基本。国が示す月額3,000円程度を目安に検討中(現状の部活動は平均月額2,000円程度)

取り組みの概要

神奈川県厚木市(人口約22万人)は、少子化による生徒・教員の減少と教員の働き方改革を背景に、休日の部活動から段階的に地域クラブ活動へ展開する「厚木市立中学校部活動地域展開推進計画」を策定中です。市内では8年間で生徒が562人減少(5,914→5,352人)し、部活動の加入率も低下。集団競技では単独校でのチーム編成が難しくなり、競技経験のない教員が顧問を務める割合も高まっていました。国が令和7年12月に示したガイドラインと神奈川県方針を踏まえ、令和7年8〜11月に児童・生徒・保護者へのアンケートを実施し、9月からは附属機関「部活動の在り方検討委員会」で検討。令和8年1月には意見交換会を開いたうえで、パブリックコメントを経て令和8年7月以降に推進計画を策定する予定です。国の目標(令和13年度)を前倒しし、令和10年度の中間評価までに何らかの形で実施する意向を示しています。

特徴的な取り組み

  • 大規模ニーズ調査を計画の土台に: 小学5・6年生1,047件、中学生3,185件、生徒保護者772件、学校外クラブ所属生徒1,508件のアンケートを実施し、希望する種目やニーズを詳細に把握しました。
  • 送迎負担へのブロック制検討: 保護者アンケートで最も多かった負担は「活動場所への送迎」(208件)でした。現存の部活動を生かしながら市立中学校をいくつかのブロックに分け、移動距離を抑える仕組みを検討しています。
  • 合同部活動の段階的拡大: 部員が競技人数を下回る学校同士で編成する合同部活動を、令和3年の2種目3校から令和7年は4種目11校まで拡大し、地域展開前の活動機会を確保しました。

課題と解決策

課題 解決策
活動場所への送迎で保護者に負担(送迎できず参加できない生徒が出る懸念) 現存の部活動を生かしたブロック分割で移動距離を短縮する仕組みを検討する
指導者の質と量の確保(教員以外が指導することへの不安) 研修等で指導者の資質を高め、地域団体との連携で専門人材を把握・発掘する。技術指導だけでなく事故防止・安全対策の講習受講を重視する

成果・効果

計画策定段階のため、実績としての成果数値はありません。示されているのは現状・将来推計のデータで、加入率77.0%(平成29年比5.1ポイント減)、8年間で生徒562人減、令和16年度には生徒が約3割減の3,954人になる見込みなどをもとに、少子化による危機感を可視化しています。これらのデータを土台に、令和8年度中の推進計画策定を目指しています。

出典

→ 原文: 厚木市「部活動の地域展開について」(厚木市教育委員会 教育指導課)

→ 参考: 厚木市「厚木市立中学校部活動地域展開推進計画策定に係る意見交換会の結果について」

監修・執筆:部活動地域展開ナビ
部活動の地域移行・総合型地域スポーツクラブの設立支援を専門とするメディア。全国の自治体・スポーツ協会・学校関係者を対象に、制度設計から運営実務まで実践的な情報を発信。文部科学省・スポーツ庁の公式資料および自治体の一次情報をもとに記事を作成しています。

💡 部活動地域展開ナビの視点:ここがポイント

厚木市の強みは、計画を作る前に多層のニーズ調査で「何を求められているか」を徹底的に数値化した点にあります。とりわけ保護者負担の最多が「送迎」であることを突き止め、ブロック制という具体的な解に落とし込んでいます。地域移行は理念先行になりがちですが、アンケートの生データから課題を特定して施策を設計する順序は、これから計画策定に着手する自治体の手本になります。

📋 他地域が導入する際の想定ハードルと解決策

大規模アンケートは設計と集計の負荷が大きいため、設問を「希望種目」「参加可能な移動距離」「負担できる会費」に絞ると後工程で使いやすくなります。ブロック制は既存の通学区や部活動配置を前提に線引きするので、競技ごとの部員分布を先に把握する必要があります。国目標の前倒しは現場の準備が追いつかないと形骸化するため、中間評価の指標を早期に決めておくことが有効です。

📊 ガバナンスと持続可能性の評価

教育委員会が附属機関の検討委員会を設け、パブリックコメントを挟んで計画を策定するプロセスは透明性が高いといえます。運営団体が未定の段階で、受益者負担(月額3,000円程度)の水準感を早期に示している点は、保護者への説明責任として評価できます。持続性は、今後確保できる運営団体の数と質に大きくかかっています。

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